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足の接地方法と重心について

皆さんはランニングの時足のどの部位から地面に接地していますか?

足の接地方法には、
①フォアフット(つま先から接地)
②ミッドフット(中足部で接地)
③ヒールストライク(かかとから接地)

の3つがあります。

最近のランニング界では厚底ブームということもあり厚底を履きこなすためにはフォアフット(つま先接地)が良いなどと言われたりもしています。しかし、実際はどうなのでしょうか??

今回は3つの接地の中でどの接地方法が楽に長く走れるのかについて、重心の考え方を踏まえながらまとめていきます!

最後まで読んでいただけると嬉しいです😊

それでは、どの接地方法が良いのか書いていきたいところではありますが、僕の考えとして結論から言うと、

3つの接地方法の中でこれが1番良い!楽に走れる!と言うものはありません!!

そもそも接地方法が3つに分かれているのは結果論であり、楽に効率良く走ろうとした結果としてこの接地方法が自分に合っているとなるのものと自分は考えています。
しかし、極端なフォアフットやヒールストライクは足腰への負担を高め、怪我に繋がりやすくなってしまいます。

では、ここからは何故極端なフォアフットやヒールストライクが良くないのか、そして3つの接地方法にこだわらない理由について理解していただきたいです。
そのためのキーワードは重心です!

重心とは、物体の各部に働く重力をただ一つの力で代表させる時、それが作用する点のことを言います。簡単に言うと体、重さの中心になります。

人間の重心はだいたいおへそから握り拳一個分下にあると言われています。
そして重心は上半身の重心と下半身の重心に分けることができます!
上半身の重心は胸の凹んで少し硬くなっている部分(剣状突起と言う)、下半身の重心はちょうど股下あたり(大腿骨小転子の高さ)にあります。この2つの重心の真ん中にあるのが体全体の重心なのです。

走る際にはこの上半身と下半身の重心を考えると理解しやすいです!

まず、前に進む=重心が前に移動すると置き換えることができます。
では楽に前に進もう走ろうとするとき、上半身と下半身の重心の考え方を用いるとどのように重心を移動させれば良いでしょうか?

下半身の重心に対して上半身の重心を倒せば、倒れないように勝手に足が前に出て一歩進むことができるのです。

これが前に楽に走るためののメカニズムとなっています。

反対に足で頑張って走ろうとしたり足の筋力に頼ってしまう場合、上半身の重心移動に先行して下半身の重心を前に出すこととなり、楽に走ることには繋がりません。


次に重心について考える上でもう一つ大切な要素である、足裏のどこで重心を支えているか(=足圧中心)について書いていきます。

皆さんはアクセル筋、ブレーキ筋という言葉を聞いたことがありますか?

その名の通り、アクセル筋はアクセル、つまり進むために使われる筋肉、ブレーキ筋はブレーキつまり止まるために使われる筋肉です。アクセル筋は体の後面にある筋肉(もも裏の筋肉やお尻の筋肉など)であり、ブレーキ筋は体の全面についている筋肉(腹筋や前ももの筋肉など)であると言われています。

ここで、アクセル筋とブレーキ筋ついて理解しやすくするために少し例を出します。想像してみてください。

あなたは今崖っぷちに立たされています。
そしてあなたは、
①崖からつま先だけ出して立ちます。
②崖からつま先を出さずに足裏全体が地面についた状態で立っています。

今、あなたは後ろから背中を押されました。
さて、崖から落ちないように我慢することができるのは①か②どちらの場合でしょう?


恐らく②のつま先を出さずに立っている方が耐えることができると思います。

このことはつまり、つま先に重心をかけることで踏ん張ることができる=ブレーキをかけることができると言えます。
よってつま先に重心がのっている状態ではブレーキ筋が働き、反対にかかとに重心がのっている場合はアクセル筋が働くと言えるのです。

よって走ることを考えると、
地面に足が接地する瞬間ではつま先に重心をのせるよりも、かかとに重心をのせ、走りの中で重心がかかとからつま先に移動していく
方がブレーキをかけることなく前に進むことができるのです。

以上、重心と足圧中心についてまとめると、
楽に前に進むためには、

①下半身の重心に対して上半身の重心を前に倒す
②足を地面に接地した瞬間、足裏ではかかとに重心をのせ、つま先に向けて重心移動していく

この2つがポイントとなります。

これらのことをランニングフォームと関連させると、

①上半身の重心が前方に移動する

②倒れないように足が上半身の重心の真下につく

③その時足裏ではかかとに重心を支えている

④つま先に重心が移動するとともに、上半身の重心が前方に移動する

①へ戻る

といった言ったサイクルになります。

以上のことが理解できれば、何故極端なフォアフット、ヒールストライクが良くないのか、そして3つの接地方法にこだわる必要がないのかがわかって頂けると思います。

極端なフォアフットでは、足を接地した時つま先で重心の多くを支えることになります。そうするとブレーキがかかってしまうのでもう一度アクセルをかけることになり、進むためには足の筋肉を余分に使う必要があるのです。
よって必要以上に筋肉を使うので疲れやすかったり怪我に繋がったりします。

また、極端なヒールストライクをしようとすると、どうしても上半身の重心よりも前に足を接地させることになってしまいます。
重心よりも前で接地しているため足の接地時にかかる衝撃を体全体で吸収できず膝や腰への負担が大きくなってしまいます。研究結果としてつま先接地よりかかと接地の方が膝や腰への負荷が高いということもわかっています。

最後に3つの接地方法に拘らない理由としては先程示したランニング時の重心移動のサイクルが実践できれば極端な接地にはなりませんし、どの接地方法であっても重心移動をうまく使いこなせば楽に長く走ることができるのです!

つまりここで皆さんに伝えたいことは接地の仕方を意識して走るのではなく、どのように重心を移動させれば楽に走れるかを考えて走ってもらいたいということです。
そうすれば自然と自分に合った負担のかかりにくい接地が身につくはずです!!

余談となりますが、陸上やマラソンのトップ選手でフォアフットが多いのは、1秒でも速く走るために足が地面についている時間を少しでも短くしようとした結果ではないかと自分は考えています。

つま先から接地しているからといって、彼らはかかとからつま先への重心移動ができていないのではなくトレーニングによってつま先接地でも前に進むための重心移動を身につけているみたいです。

皆さん、ランニングするときは上半身の重心(胸の少し下にある凹んでいる部分)を前に出すことを意識してみてください!!

最後までご覧頂きありがとうございました😊

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