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電磁誘導方式体外衝撃波による尿路結石破砕顛末記(って漢字だらけなんでやたら固そうな文章に見えますが😁)

この歳になると(関西人の読者はきっと「どの歳やねん!」ってツッコんでると思いますがw)体にもいろいろガタが来て、去年の暮れには人生初の救急搬送を経験しました。それについても結構面白く書けそうな気もするんですが、今回は人生初入院について書きます。

これまた去年の暮れなんですが、腎臓で長年にわたり大事に保管してきた結石が尿管に移動しました。CT で調べると、自然に出て来るか来ないかギリギリぐらい大きかったので、それを破砕するために1日入院することになりました。

処置したら日帰りの病院もありますが、僕が行った病院では念のため1日入院させられます。これが僕の人生初入院になりました。2021年2月13日。

さて、体外衝撃波(って何ですかね?)で破砕するって言うから、ピシッと当てて「ハイ終わりました!」って感じかと思ったら、1秒間に1回ずつ 3000回当てるんだと。1秒1回で3000回て、割り算したらアンタ 50分もかかるっちゅうことですがな。

しかも、「我慢できない痛さではないので麻酔ではなく鎮痛剤を使います」と来ました。なるほど、つまり、我慢はできるけど、痛いのは痛いのね。

で、処置の2時間ぐらい前から点滴するんですが、来た看護師さんが、「私、こんなこと言っちゃいけないんですけど、針刺すの下手なんです」との自己申告通り、見事に点滴失敗。代わりの看護師さんがやってこれまた失敗。そこで、ふたりが声を揃えて「松岡さん呼んで来よう!」って。

…初めから松岡さん呼んでよ。松岡さんは大丈夫なんやろね。

さすが松岡さん!(って、初対面ですが)、刺すべきところを慎重に選んで見事1回でクリア! しかし、そんなとこで喜んでてどうする。ちなみに左の尿管なので、邪魔にならないように、点滴は右腕なんだそうです。

んで、点滴2種類プラス、30分前には痛み止めの座薬も入れます。前述の看護師さんに「座薬入れるお手伝いしましょうか」と言われました。点滴と違ってこちらは何故か自信ありげでしたが、「痔になったときに経験あるんで大丈夫です」とやんわり謝絶しました。

座薬が効いてきたところで、ふらふらするので車椅子に載せられて処置室に連れて行かれ、台の上に仰向けに寝て機械セット。腰の上方にもなんか機械があるんですが、この辺りから何かが降りてきて、衝撃波を飛ばすんでしょうか?

看護師さんに「ちょっと腰を浮かしてください」と言われて、何かと思ったら左腰の下の板を外します。すると、そこに自動車のエアバッグみたいなものがギュイーンと張り出してきて左腰を圧迫します。

そのときには分からなかったのですが、どうもそのエアバッグみたいなやつのどこか(あるいはエアバッグの背後?)から衝撃波が出て来るみたいです。

医者はラジオのスタジオのサブみたいなこところからガラス越しに反応見ながら操作してます。もちろんどの場所を狙って当てるかは、放射線か超音波でスキャンして確かめながらの作業になるんだそうです。

痛みの程度としてはあれですな、デコピン。デコピンのきっついやつ。デコピンって結構痛いでしょ。でも1発ならどうってことない。それが腰に 3000発当たると思ってください。しかもきっついやつが。

これがまた、バチンッ、バチンッと、ものすっごい大きな、恐ろしげな音がするんです。衝撃もきっついです。

ところで、緊張したんでしょうか、30分前には1回おしっこしといたんですが、なんか始まる直前にまた尿意を催して、看護師さんに言ったら、セットし直すの面倒くさいからか「30分前に行ったのなら、ま、大丈夫でしょ」といなされて突入しちゃいました。

でも、おしっこしたかったから気が紛れて痛みが緩和したようにも思います。ただ、途中で衝撃波のレベル上げたのが分かるんですよね。なんべんも「いてっ! この野郎、また上げやがったな!」って感じ。

処置が終わって迎えに来た看護師さんから聞いた話では「レベル4」まで行ったとのことで、これは珍しいらしいです。

処置室の看護師さんが「レベル4まで行きましたっ!」ってちょっと興奮してたそうです。それを聞いて僕は、「多分もうちょっとでビッグX に変身するところやったんやな」と冗談言いかけて、この世代には分からんやろとやめました。

その看護師さんは「痛みに強い方なのか、表情も変わらないし」と嬉しそうに言ってたとか。…悪かったな、僕は小さい頃から能面とか埴輪とか言われてたんじゃ!

終わってから医者も「強いのを当てさせてもらったので」と満足そうでしたよ。撃つほうは楽しいやろね。ゲームみたいなことやって人助けになるんですから。

でも、どれくらい石が割れたかは定かではありません。一応レントゲン写真は撮りましたがそれだけでは見極められないみたいで、2~3週間後にまた診察してもらいます。

3000回もやった割には粉々にはなっていないみたいだったのがちょっと残念ですが…(最高に上手く行くと、レントゲン写真から消えるらしいです)。

しばらくは血尿が出ると聞いていたのですが、僕の場合は処置後最初の尿だけが紅茶みたいな色で、その後はほぼ正常の範囲内に戻りました。

ただ、腰は痛いです。なんせデコピン、いや、コシピン 3000回ですから。夜寝るときも痛かったし、起きたら少しマシになってましたが、完全に痛くなくなるにはもう少し時間が必要です。

ちなみに、その夜、宮城で震度6強の地震があり、東京もめちゃくちゃ揺れました。あまりに揺れが長く続くので、ああ、この腰で逃げられるかな、と思ったほどでした。

さて、翌朝9時には退院できて、帰宅してすぐにデコピンの跡がついてるかどうか見たのですが、その時は見つからず。しかし、その夜、入浴時にもう一度見てみたら直径 2cmぐらいの、真ん中が赤くて外縁が黒っぽい痣のようなものがついてました。

そして、もっと驚いたのは、さらにその翌日に気がついたのですが、衝撃波が当たっていた左腰の後ろ側ではなく、右前側のちょうどおへその右横に赤黒いこれまた痣みたいなものがあるんですよね。

これはあれですね。きっと、左腰からバキューンと撃った衝撃波が、右前のおへその横から抜けていったんですよね。こんなものを目の当たりにすると、げっ、こんなもん当てて大丈夫なんか?と俄に不安になります。

まあ、でも、体に傷がつかず、短時間で終わり、麻酔不要で、副作用・後遺症がほとんどなく、すぐに日常生活に復帰できる──と書いてあります。痛手を被るのは結石くんだけのようです。

これを体外衝撃波結石破砕術(ESWL: extracorporeal shock wave lithotripsy)と言うのだそうです。

今後同じ治療を受けられる皆様のご安心、もしくはお覚悟のために(笑)、少し詳しく書いてみました。皆様のご健康を祈念いたしまして、この文章を終わりたいと思います。

(ちなみに写真は稲妻ですから、誤解のないようにw こんなものが腰に当たるわけではありません)

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