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文章の長く苦しい旅

note には文章の先生がたくさんいる。みんなに読まれる文章を書くにはどうすれば良いか、いろいろなテクニックや心構えについて教えてくれる。

どんな表題をつければ良いか、どんな風に書き出せば良いか、どういう構成にすると理解してもらいやすいか、さまざまな極意や秘訣がある。

僕はそれらを読んでいちいち「なるほどな」と思う。でも、同時に、「そんな書き方はしたくない」と思っている僕がいる。

最初の数行を読んだだけで何が言いたいのか解る文章が良い、などと言われても、それは僕が書きたい文章ではない。直感的に解る表現が良い、などと言われても、それは僕が書きたい表現ではない。

内容の要約になってしまっているような表題をつけるのは本意ではない。そのほうが読んでもらいやすいこと分かっているけど、できればそうではないスタイルで書きたいのだ。

最初は何が言いたいのかさっぱり解らなかったけれど、最後まで読んだら、なーんだ、そういうことか!──みたいな文章が好きなのだ。

単に書きたいだけではない。僕はそういう文章が好きで、そういう文章を読みたい。小説なんかでも、読みにくくて、結構難渋しながら頑張って最後まで読み通したら大きな感動があった、みたいな文章が好きで、そういうのを探して、選んで、読んでいる。

それが僕の文章に対する志向性なのである。

「でも、そんな文章を書いてたら、誰も読んでくれないよ」と、note上の先生たちは仰るのかもしれない。確かにそうかもしれない。でも、まあ、それでも良いか、という気がしている。

僕の場合は別に文章を書いて金儲けをしたいわけではない。1000人が読んでくれてそれで終わりの文章よりも、たまたま1人だけ読んでくれた人が次の投稿も読んでくれた──そんな文章を目指したい。

「しかし、実際、そんな文章がお前に書けるのか?」と詰め寄られると、そこは却々苦しい。長く苦しい旅である。が、長く苦しい旅で良いと思っている。文章を書くこと自体が長く苦しい旅みたいなものではないか。

あるいはそれほどストイックになる必要もないのかもしれない。もっと気楽で良いのかもしれない。ならば、もっと素直に先人のアドバイスを受け入れるという手もアリなのかもしれない。

ただ、スタンスとかスタイルとか、そういうものにこだわりたいという思いは棄てられない。

──そんなことを言っているから、誰にも読んでもらえないのだ、などと言われるとこれは悪循環の無限ループに陥ってしまう。

とりあえず、そのループをどこかで断ち切って、そっぽを向いて長く苦しい旅に出てしまうしかないのかな、と自分では思っている。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

以前こんなことも書きました。ちょっと感じの悪い文章ですが(笑)


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