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放送とインターネット

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放送局に勤めていたので、たまに放送のことも書いていました。ま、内輪向きの文章が多いので、ここにはたまにしか載せませんでしたが。いずれにしても定年退職しちゃったので、今後はこのテー…
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#TVer

テレビが何故こんなに力を失ったかを考える

ここ数年、配信やインターネット上のいろいろなコンテンツに視聴者を奪われて、テレビの売上がいよいよ下がってきたとか、テレビの影響力がますますなくなってきたとか、いろんなことが指摘され、議論されています。 でも、そういう傾向は昨日今日始まったのではありません。その萌芽はずっと前からあって、「このままではテレビは危ないぞ」みたいなことは、すでに 20年近く前から言われ始めていたのです。そう、それはテレビがアナログからデジタルに転換(所謂「地デジ化」)するころの話です。 テレビは

たとえテレビ番組であってもインターネットの商品はインターネットのルールで売る

(すんません、以下の文章はちょっと専門的すぎて、一般の方には分かりにくいかもしれません) 先日、とある同時配信関連のウェビナーに参加しました。 登壇者は端的に言って「同時配信やるべし」の人たちばかりでしたが、それは今となっては当然だと思います。 私はテレビ番組のインターネット常時同時配信については、かつて社内で一貫して反対の立場を取っていましたが、それは同時配信を行ったら害があるとか、同時配信はやるべきではないということではありません。 私が言いたかったのは、同時配信

続・テレビの中の固定観念──テレビ受像機の多機能化とテレビ番組の同時配信

前に「テレビの中の固定観念──商品名と裏番組」という記事を書きました。 今回も似たようなことを書いてみようと思います。僕がいろいろ言っても、却々ちゃんと受け止めてもらえなかったことを2つほど: テレビ受像機の多機能化に対する抵抗インターネットの登場直後から、とまでは言いませんが、僕は割合早くからテレビとインターネットが繋がって行くべきだと考えて、社内でもそんな風に主張し始めていました。 一連のキー局買収騒動もあって、上のほうからは「“インターネットとの融合”と言うな。“