The World
唯一ではない世界
「The」という冠詞は、唯一なるものにつく。
「The World」
タロットカードにもあるこの言葉は、「世界」あるいは全体の「宇宙」を示す。
これは、世界が唯一なるものであるからだ。
本当にそうだろうか。
異世界だのパラレルワールドなど、そういったものではない。
物質世界としての「世界」は、まさに唯一と言っていい。
(個人的には、異世界がもし存在するのであると仮定するのであれば、それもまた世界の構造として「The World」と呼んで構わないと思っているのだが。)
しかし、人が「世界」と呼ぶ時、それは物質という世界の話をしていないことが多分にある。
あなたの「世界」
人が世界を認識する時、世界そのままを認識することは不可能だ。
認識とは、その目、その耳、そのすべての感覚を通し、自らの内側に組み上げ、再構築することによって行われる。
つまり、あるがままを認識することは、実質不可能に近い。
あなたの世界は、あなたが生まれ落ち、生きてきた中で得たすべての情報をに基づいて構成されている。
…と、言いたいところだが、本質的には違う。
あなたの世界は、あなたが生まれ落ち、生きてきた中で得たすべての情報の中から自ら取捨選択されたもので構成されている。
ようこそパラレルワールド、あなたが望む世界へ
よく、何かを決断したら周りの反応が変わったということを聞く。
これをパラレルワールドに移行したとか言っているのもまた、聞く。
ある意味正解で、ある意味不正解だ。
あなたの生きる「The World」は変わっていない。
見えている世界が変わったのだ。
他人を変えるのはまず自分から、とはよく言ったものだ。
自分の中にある「世界」の認識が変われば、自分の態度が変わる。
自分の態度が変われば、他人の「世界」に取り込まれる情報もまた変化し、今までとは違う反応が見られるようになってくる。
重要なのは、自らの意識を変えること。
現状の自分の世界を把握し、再構築していくことだ。
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