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ぽえむポエムPOEM

未知との遭遇

少年は山奥でこんな光景を見た。夢の中で

開けた場所で、色とりどりの照明と、不定期に鳴る不協和音が、交互にチカチカピコピコリンドン。

光と音は次第にリズムに乗り出して
二種類あったそれはセッションになって

リンドン、リンドン、リンリンドン

だんだんうるさくまぶしくなっていって

リンリンリンリンドンドンドンドンリンリンドン

突然止んだ!

静寂と暗黒が訪れて、静かに一筋の光が差す。
少年は山の音楽が、自己紹介だったんだなと、なんとなく思う。

目が合った。気がして
怖くなって?
嬉しくなって?
寂しくなって?
分からないけど

少年は走り出した、町まで降りて、雄叫びをあげた。長く長く。

声はすごい速さで走る。少年を追い抜いて、地球を一周回って後ろから聞こえてきたら、誰かの声だった。

宇宙に比べたら、なんて小さな世界なんだ!

彼は声が聞こえた方に歩き出す。
きっと辿り着けないだろう。
疲れるまで、それか、海か、谷に出会うまで。

そして知るだろう、自分の小ささを。

知るだろう。
それが彼の口から飛び出して走り出した時に抱いた気持ちの正体を。

その気持ちを忘れてしまった不幸な僕は少年を愛おしく思い、パソコンの画面を閉じて、ひとり、もうすぐ、眠る。

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