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撮影終了、豚汁

昨夜、極寒で雨もパラつく中、明日とんじる祭で上演する「公園にて」の映像撮影が終わった。

本当は昼の公園で撮影する予定だったが、キャストのスケジュールと僕のスケジュールを合わせられず、夜の撮影になった。まあ街頭の感じが案外よくて、雨の音や落ち葉を踏みしめる音、飛行機が上空を飛ぶ音が入ったりもして、これを利用して面白い舞台が作れるのではないかと。

この前の土曜日の「pump」の稽古で、作家の工藤さん(Nomad)が実験的に、2人の俳優にテキストを渡して会話をさせ、2回目以降はその会話の途中でペンを渡したり、音楽を鳴らしたり、目的地を変更したりと、外部からの負荷を与えていた。

演技が上達しない俳優は往々にして、セリフに頼りがちだと思う。
次に頼るのは自分自身で、そこに余裕が生まれてやっと他者に頼ることができ、なんとか芝居に馴染もうとする。

セリフは全てであり全てではない、とはある劇作家の方に戯曲解釈の講座で習ったことだが、俳優の演技、演出に際して、その材料は必ずセリフでなければならない、が、セリフに書いていないことをどこまで掘り下げられるかが、「2Dのテキストを3Dに立ちあげる」(これは工藤さんの言葉)時に重要になってくるわけで、俳優に見えていないものを観客に見せることはできない。舞台の抽象度が上がれば上がるほどその重要度は増して、"なにもない空間"でなにもかもを俳優が作り出し、観客と共有することを目指す僕の演出家としての課題でもある。たぶん。

脱線してしまったが、今回は、実はこの映像によって役者に負荷をかけていて、その想像力を補うとともに、ミスリードから新たに生まれる想像の余地を観客に託している。ような作品になればいいな。

今夜は土曜日本番のコント「chance」の稽古と、とんじる祭全体の音響の仕事がある。

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