Marines Monthly Draft Report #4
どうも、やまけんです。
Marines Monthly Draft Report、第4回です!
高校野球の都道府県大会、社会人の都市対抗野球大会が行われた7月、そこで大きなインパクトを残した選手を紹介していきたいと思います。
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6月のチーム状況
一軍は7月終了時点で借金1のリーグ5位。春先に比べ打線の状態は徐々に上向いている一方、先発投手陣の調子がやや下降気味で、その皺寄せがリリーフ陣に波及してしまうなどチーム状況は一進一退を繰り返しているといった状況です。一方で、現在首位に立つ西武も貯金6と決して追いつけない位置にいるわけではなく、Aクラス、優勝争いに割って入る余地は依然として十分にあると言えるでしょう。
各選手の復調と首脳陣のマネジメント次第が鍵を握るため、ここからは二軍も含めて一体となった戦いに期待がかかります。
優勝争いに向けた最後の補強:坂本光士郎が加入!
補強凍結期限間際の7月29日に、東京ヤクルトスワローズの坂本光士郎投手とマリーンズの山本大貴投手の交換トレードが発表されました。坂本投手は加入直後の30日に早速一軍登録され、同日のオリックス戦で1回を無失点に抑える好リリーフでマリーンズデビューを果たしました。
一方の山本投手は今季一軍での登板こそなかったもの、二軍では常に安定した投球を続けており、いつ一軍に昇格してもおかしくない状態だったかと思います。新天地となるスワローズは現在セ・リーグの首位を独走するチームで、優勝に向けたラストピースとしての活躍に期待したいです。
また、30日には育成選手だった山本大斗選手と松永昂大投手の支配下登録も発表されました。
山本選手は島根・開星高出身の2年目。今季ここまでファームで6本塁打を記録している長打力が持ち味で、好調を維持すれば今季中の一軍デビューにも期待がかかります。
松永投手は今季ファームでの登板はまだないものの、かつてマリーンズのブルペンを支えてきた実績は言わずもがな。まずはファームで状態を仕上げ、シーズン最終盤に一軍のマウンドに帰ってきていただきたいと思います。
7月31日までの移籍・支配下昇格を反映した年代表を添付いたしますので、よろしければご覧いただけると幸いです。
今月のおすすめドラフト候補紹介
1.赤羽蓮(右投手・霞ヶ浦高)
まず1人目に紹介するのが、霞ヶ浦高校の赤羽蓮投手。この夏現地で観戦した中では最もインパクトの大きかった高校生投手です。
189cm78kg、長身細見の投手らしい体型から最速152キロの速球を投げ込み、一躍ドラフト候補に。自分が観戦した7月18日の試合でもストレート12球のうち5球が150キロ以上とまさに「怪物級」のボールを連発していました。数字を一見すると力任せな印象を抱かれる方もいらっしゃるかと思いますが、フォームのバランスが非常に良いため、リリースのバラつき等も少なく、安定して質の高いボールを投げ込むことができます。
スライダーやフォークなどの変化球もまずまず。これに緩急をつけられるブレーキングボールを習得できれば鬼に金棒でしょう。この夏の登板機会は1回1/3に留まったものの、最大瞬間風速で言えば世代ナンバーワンといっても過言ではありませんでした。今年指名しないと、今後のドラフトで複数球団による競合の可能性も…。
チームとして育成メソッドが蓄積されてきた「長身高校生右腕」の筆頭格、次の世代の投手陣の核を担ってくれる選手として指名する価値は大いにある投手です。
2.森谷大誠(左投手・札幌大谷高)
以前の号でも取り上げましたが、昨年のドラフトでは4位で秋山正雲を指名。2015年以来となる高校生左腕を獲得しました。チームとして慢性的な左腕不足を解消しようといった動きは随所に散見され、今年のドラフトでも昨年に引き続き高校生左腕の指名は考えられるかと思います。
そこで紹介したいのが、この夏急成長を遂げ、一気に評価を上げてきた札幌大谷高校の森谷投手。172cmと身長は決して高くないものの、ストレートは最速148キロを計測。球威は既に高校生左腕の域を超えているようにも思えます。
スライダーやカットボール、カーブに加え、昨年末にシンカーを習得するなど変化球の引き出しの数も十分。左右を問わず打者に勝負できる点は魅力的です。
まだまだ粗削りな部分はありますが、今後の成長が楽しみなサウスポーです。出場が決まっている夏の甲子園大会でもその投球に注目したいです。
3.吉野光樹(右投手・トヨタ自動車)
高校野球の各都道府県大会と並行して、東京ドームで行われていた都市対抗野球大会。未完成で原石的な部分が多い高校野球の雰囲気とは一変し、プロ顔負けの高いレベルの試合が連日続きました。中には、プロ入り後の早い段階からの活躍に期待が持てる選手も。
投手で即戦力候補として紹介したいのが、トヨタ自動車の吉野光樹投手。常時140キロ台後半を計測したストレート、ストレートとの判別がしづらいフォーク、打者を幻惑するカーブの3球種が軸で、高い制球力を活かしコーナーに投げ込みます。
7月19日のかずさマジック戦ではふくらはぎをつった影響で途中降板となったものの、4回まで無安打7奪三振という圧巻の投球を披露しました。
先発としてもリリーフとしても計算できるタイプの投手で、上位での指名も十分に予想されます。
4.内藤鵬(内野手・日本航空石川高)
ロッテに限らず、昨今の外国人市場を見渡すと、サードを守りながら長打を量産できる外国人選手の確保には各球団とも頭を悩ませている印象です。いずれもセ・リーグの選手ですが、村上宗隆(ヤクルト)、岡本和真(読売)、佐藤輝明、大山悠輔(ともに阪神)などサードを本職としながら本塁打を量産できる日本人選手の価値は非常に大きくなっていると言えるでしょう。
今年のドラフトで期待したいのが、日本航空石川の内藤鵬選手。180cm100kgの大柄な体格で、チームでは4番サードに座る選手です。高校通算53本塁打の長打力が持ち味で、力任せではない安定感のあるスイングは高校生離れした技術を感じます。
三塁守備でもハンドリングが柔らかく、スローイングにも強さがあり及第点のレベル。
この夏は厳しいマークに遭い打率を伸ばすことはできなかったものの、潜在能力とドラフト市場における価値を考慮したら1位指名の可能性も十分に考えられる選手。二軍でじっくりと育成し、将来的にサードに座りながら本塁打を量産できる選手になっていただきたいです。
5.齋田海斗(外野手・TDK)
都市対抗野球大会ではバットで存在感を発揮した選手もいました。ベスト8に駒を進めたTDKで3番に座った齋田海斗選手は、準々決勝までの3試合で12打数7安打、大会打率.583をマークする大活躍。コンタクト能力の高さもさることながら、打球速度の速さにも目を奪われるシーンがありました。
高い打撃技術のほかにも、ライトの位置から低く鋭く伸びる送球もプロレベルそのもの。大学時代にはセンターを本職としていました。
東日本国際大学時代からリーグ戦で本塁打王や打点王、盗塁王のタイトルを獲得するなど能力の高い選手だったものの、2年前のドラフトでは指名漏れを経験。悔しさをバネにTDKでは1年目からレギュラーの座を奪取し、今季は走攻守すべてに磨きがかかった姿を東京ドームで披露しました。
今季は髙部瑛斗がレギュラーの座に定着するも、主砲・マーティンの不調に荻野貴司の高齢化など、外野は依然補強ポイントの一つに挙げられるでしょう。その点でも、齋田選手はうってつけの存在といえるのではないでしょうか。
〈知ってもらいたい!隠れた逸材〉古寺宏輝(内野手・Honda熊本)
齋田選手と同様、都市対抗の舞台でその名を轟かせた大卒2年目のスラッガーがHonda熊本の4番打者・古寺宏輝選手です。関東学院大時代から長打力がクローズアップされていた選手でしたが、プロ志望届は提出せずにHonda熊本に入社。1年目の昨季から4番に定着し、昨年12月の都市対抗で2本塁打を放つ活躍を見せチームの準優勝に大きく貢献。そして今年の都市対抗では2戦で3本塁打と、持ち前の長打力を遺憾なく発揮しました。
メインポジションは一貫して一塁、いわゆる「打撃専」な選手ではあるものの、それを補って余りあると思わせるだけのパワーポテンシャルを秘めた選手です。既に社会人球界を代表するスラッガーであるため「隠れた逸材」として紹介することは個人的にも違和感が残るものの、貴重な和製大砲候補としてドラフト指名候補に入ってきてもおかしくはありません。
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