Marines Monthly Draft Report #3
どうも、やまけんです。
Marines Monthly Draft Report、第3回です!
夏場に入り、プロ野球もアマチュア野球も盛り上がってまいりました。今月もマリーンズのチーム状況を振り返りながら、有望なアマチュア野球選手を紹介していきたいと思います。
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6月のチーム状況
開幕からなかなか調子が上がらず、一時期は最下位寸前までチーム状態が落ち込んでいた一軍ですが、6月に入り調子を上げ現在は勝率.500、4位まで持ち直しました。
チームが再浮上した要因を探ってみると、まずは開幕から不安定な投球が続いていたリリーフ陣に安定感が生まれた点が挙げられるでしょう。ゲレーロ、東條大樹らが調子を上げ、セットアッパーの位置に定着。更に6月には元アストロズのクローザー、ロベルト・オスナ投手の入団が発表され、盤石体制を作りつつあります。
一方で打線に目を向けると、徐々に調子は上向きつつあるものの、チーム打率、長打率、OPSでリーグ最下位。攻撃力不足という課題は依然解決していません。
それでも勝ちに繋がる試合が増えており、ここ2年の優勝争いを経験したチームとしての成熟を感じます。ヒットが出なくともエラーや四死球を起点にチャンスを拡大し、必要な場面で必要な得点を奪取する試合展開が徐々に増えてきたため、チーム打撃成績以上に勝てる試合が増えてきた印象です。特に78盗塁は12球団最多、個人でも髙部瑛斗が25盗塁で現在リーグ最多盗塁と、機動力には目を見張るものがあります。
とはいえ中長期的に見て得点力不足という課題には手を打たなければいけません。せっかくの機動力を活かすためにも、長打力を見込める選手は積極的に狙っていただきたいです。
二軍も好調が続いており、現在イースタンリーグの2位に位置しています。藤岡裕大、井上晴哉ら故障者組が次第に実戦復帰し、トミージョン手術からの復帰を目指す種市篤暉も徐々に投球回数、投球数を増やすなど明るいニュースが増えてきました。彼らが後半戦に向けてのキーマンといえるでしょう。
若手選手に目を向けると、高卒2年目の西川僚祐が打率.229、4本塁打(7月3日終了時点)と成績を伸ばしてきており、徐々にプロの投手のボールや木製バットに対応してきた印象です。一軍昇格までにはまだ時間はかかりそうですが、昨年イースタン216打席で打率.155と苦しんだことを考えると大きな成長とも言えるでしょう。同じ高卒2年目の山本大斗や大卒ルーキーの池田来翔らとともに現在チームが抱える得点力不足という課題を補ってくれる可能性のある選手ですので、今後も期待したいです。
投手では高卒ルーキーの秋山正雲に注目。登板機会は決して多くはないものの、4/30のイースタンリーグ初登板以降、ここまで7試合に登板し通算9回10奪三振3四球無失点(7月3日終了時点)と圧巻の投球、早くも次期左腕エースの香りが漂いつつあります。
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ドラフト1位予想12人、ロッテのドラフト展望などに出演させていただいておりますので、是非このnoteと併せてお楽しみいただけると幸いです😊
※あと3本公開予定ですのでそちらもお楽しみに!
今月のおすすめドラフト候補紹介
1.菊地吏玖(右投手・専修大)
開幕前に支配下登録された佐藤奨真が5月14日のプロ初先発以降一軍の舞台で好投を続けております。専修大のエースとして馬車馬のごとく登板していた投手ですが、当時プロからの評価は決して高くなく、調査書もロッテからしか届かなかったというエピソードも。担当した福澤洋一スカウトの慧眼に唸らされます。
さて、今回紹介する菊地投手はそんな佐藤の大学の後輩。とはいえ、タイプはガラリと異なります。
絶対的なボールはないものの緩急やコンビネーションなどで打者を幻惑する佐藤に対し、菊地投手は対戦した打者から「あれは打てない…」と声が漏れるほど質の良い最速152キロのストレートと落差のあるフォークを軸にする「本格派右腕」。
6月18日から20日にかけて行われた侍ジャパン大学日本代表合宿でも全国区の打者陣に圧倒的な投球を披露し、見事大学日本代表入りを果たしました。
大学は東都2部にいるもののれっきとした上位候補であることに変わりはなく、1位の可能性も十分に考えられる投手でしょう。
2.才木海翔(右投手・大阪経済大)
2人目も同じく大学生右腕、大阪経済大の才木海翔投手です。
最速153キロ、回転軸が地面と平行に近い綺麗なストレートを投げ込む右腕で、関西の大学生の中ではトップクラス。
今春のリーグ戦では8試合に登板し1勝4敗と勝ちに恵まれなかったものの、31回を投げて防御率1.16を記録しました。6月24日から行われた大学野球関西オールスター5リーグ対抗戦の選抜メンバーにも選ばれ、3回無失点の好投を披露しました。この日の投球については、ロッテの三家和真スカウトもコメントを残しています。
また、この選抜チームでの交流を経て、来年のドラフト候補である大阪商業大の上田大河投手からフォークを教わるなど探究心が豊かな一面も。
秋までに変化球の精度がもう一段階向上すれば、プロ側からの評価もさらに高まりそうな予感です。
3.野口泰司(捕手・名城大)
#1で、長打を期待できる選手として桐蔭横浜大の吉田賢吾選手を紹介しました。捕手としての能力もさることながら、昨秋・今春のリーグ戦で各5本塁打を放っている長打力が魅力の選手です。
その吉田選手と同等か、あるいはそれ以上の打力を持つ強打の捕手として注目されているのがこの名城大の野口選手です。
昨年の大学選手権では打率.727という高打率を記録し一躍有名に。今年の大学選手権でも、優勝した亜細亜大学のエース青山美夏人投手から本塁打を放つなど全国の舞台でも結果を残している選手です。大学野球日本代表にも選出され、海外の投手との対峙に注目が集まります。
捕手としても強肩が魅力で、その他の守備能力も及第点レベルにあるためプロの世界でも捕手として十分勝負のできる選手であると思います。一方で、入団するチームによっては他のポジションやDHでの出場機会も探りながら、チームの打撃を救える存在になるかもしれません。
4.森下翔太(外野手・中央大)
4人目に紹介するのが、東海大相模高時代から右のスラッガーとして評価されていた森下翔太選手です。
中央大学入学後、1年春からリーグ戦で2本塁打を放ちベストナインを受賞。さらには日本代表メンバーに選出されるなど鮮烈なデビューを果たしました。その後は各大学の厳しいマークもありなかなか満足のいく成績を残せないシーズンが続きましたが、今春のリーグ戦では打率.311、3本塁打を記録し、再び大学日本代表メンバーに選出されました。
打撃だけでなく、東海大相模仕込みの緻密かつ積極的な走塁、強肩を生かした守備なども非常に魅力的な選手。この点においては、今のロッテのチームカラーとの親和性も高いと感じます。
「大学日本代表の4番は成功する」という都市伝説を一度は聞いたことがある方も少なくはないと思います。過去には中村奨吾(早稲田大→ロッテ)や吉田正尚(青山学院大→オリックス)、大山悠輔(白鷗大→阪神)、牧秀悟(中央大→DeNA)ら錚々たるメンバーが担い、プロ入り後も各球団の主軸打者として活躍しています。
7月2日、3日に行われた大学日本代表の壮行試合では2試合とも4番を務めるなど、首脳陣からの評価・期待値も高い様子…でしたが、3日の試合で右手首に死球を受け骨折、全治3か月を要するとのニュースが…。
高い打撃能力に偽りはないので、骨折による悪影響が出ないことを祈るばかりです。
5.伊藤千浩(外野手・東北高)
個人的に、この夏一番注目の高校生右打者です。
チームでは今春から投手を任されているものの、打者として非凡な才能を秘めている選手。188cm87kgという恵まれた体格で、シンプルかつ豪快なスイング、さらに投手も務めるフィジカルの強さはまるで鈴木誠也(カブス)に近い雰囲気を感じます。
高校生スラッガーでは他にも浅野翔吾(高松商業高)選手や内藤鵬(日本航空石川高)選手らの評価も高いですが、この夏の活躍次第ではドラフト当日に彼らを上回る評価をされている可能性も十分に考えられる…それだけのポテンシャルを秘めた選手であると言えます。
この夏はライバル校である仙台育英高など県内の有力投手を打ち崩し、全国の舞台での大暴れに期待したいです。
〈知ってもらいたい!隠れた逸材〉澤田寛太(右投手・大師高)
東海大相模高や横浜高、桐光学園高などがしのぎを削り、全国トップレベルの高校野球激戦区とも呼べる神奈川県。その中で秘かに注目を集めているのが、県立の大師高でエースを務める澤田寛太投手です。
186cm83kgの体格から最速147キロをマークする右投手で、スライダーやフォーク、シンカーなどの変化球を武器に空振りを奪える点が魅力。昨秋の練習試合では4試合27回で57奪三振を記録する離れ業を成し遂げ、プロのスカウトからも注目の存在となりました。また、スカウトからは同時に打撃も注目されており、底知れない潜在能力を秘めています。
仮に大学や社会人に進むという選択肢をとったとしても、数年後のドラフトで人気株になっていてもおかしくないレベルの投手ではないかと思います。
夏の神奈川大会は非常にハードな展開が予想されますが、その中で澤田投手がどれだけのパフォーマンスを発揮できるか、楽しみで仕方がありません。