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今、どうしてもマリーンズに丸佳浩が欲しい理由

どうも、やまけん(Twitter:@yam_ak_en)です。
マリーンズが正式に広島東洋カープからFA宣言した丸佳浩選手の獲得に名乗りを挙げましたね。現在のNPBでナンバーワンの打者といっても過言ではない選手で、個人的にもシーズン中からFAでの獲得を望んでいました。同じく獲得を検討している読売や宣言残留を認めている古巣広島などとの交渉戦になりそうですが、なんとしてでも獲得していただきたいです。千葉ロッテマリーンズの本気を見せていただきたいですね。

まず、(今はほとんどいないかもしれませんが)丸を知らないという方のために簡単な紹介をさせていただきます。

千葉県勝浦市出身で高校は千葉経済大附属高校。2年夏と3年春の2回甲子園に出場しました。高校3年時には強肩を買われて投手に転向しエースを務めましたが、プロ入り後は野手に専念しています。同世代の千葉の高校生には当時BIG3と騒がれた成田・唐川侑己(ロッテ)や同じく高校生ドラフト1位で指名された市立船橋・岩嵜翔(ソフトバンク)らがいます。
これまでの実績や今季の成績を見ていただいてわかるように、基本的に文句のつけどころがありません。今季はシーズン途中に故障離脱があったのでフル出場とはなりませんでしたが、それでも39本塁打97打点。フル出場していたら40本塁打100打点は固かったでしょうね。

慢性的な外野手不足

次に、現在のマリーンズの外野陣を見てみましょう。

(年齢は来シーズンのもので、表に丸の名前を入れましたが人数にはカウントしておりません)
(これを書いている時点で仮契約は済んでいませんが)来季は現状支配下登録10名での運用となりそうで、特に高校生ルーキーの藤原・山口をカウントしないとなると8名。これから丸の他に外国人補強等があるかもしれませんが、そもそもで選択肢が少なすぎます。ちなみに、昨季最も外野手として出場が多かったのは高校3年目の「ショート」、平沢大河だったようです(@aozora__nico2さんのツイートより)。

ここで、他球団ファンの方向けに簡単に現在のマリーンズの外野手を紹介していきます。

荻野貴司…09年ドラ1。ルーキー時代の脚力には及ばないものの「健康なら」まだまだ盗塁もできるし打撃面でもスタメンで文句のない成績を残す。今季は不運な故障に泣かされシーズン途中離脱。
清田育宏…10年日本Sでの活躍や15年B9などの印象が強いかもしれないが打撃はそれ以来下降線。守備走塁も随所に緩慢なプレーが見られるため、他球団なら正直来季の契約も怪しいレベルである(しかし千葉出身、東洋大-NTT東日本の経歴、入団時にゴネた経緯等を考えるとなかなか切りにくいのが事実)。
角中勝也…12年,16年のパ・リーグ首位打者。しかしながら荻野ほどではないものの故障が多い点、清田ほどではないものの守備での緩慢プレーが多い点、両翼専、調子の波が激しいなど何かと扱いに困る選手。今季はDHでの出場も多かった。FA権取得済(Aランク)だが残留濃厚とのこと。
加藤翔平…身体能力はマリーンズ随一で毎年活躍を期待されているが、一向に固まらない打撃フォームや早打ち凡退を繰り返すアプローチに改善が見られないなど非常にもどかしい選手。昨季終盤に頭角を見せ今季も開幕スタメンの座を掴みいよいよレギュラー獲得か?と思われたが結局成績を残せず、首脳陣(球団)が平沢外野コンバートや後述する岡大海トレード獲得などに動く一因となった。
菅野剛士…鋭いスイングと選球眼に長けた社会人出身選手。1年目の今季は開幕スタメンを掴み序盤は活躍を見せたものの徐々に調子を落とし以降は二軍生活が長くなった。一部では金森コーチの指導が合わなかったとも言われたが、終盤に再昇格してからは鋭い当たりが復活しつつあった。特別足が速かったり守備が上手いわけではない(彼も基本的に両翼)ので打撃でレギュラーを掴み取れるかが鍵。
伊志嶺翔大…10年ドラ1。ルーキーイヤーには規定打席に到達し32盗塁を記録するなど即戦力級の働きを見せたが、それ以降は不調や故障で出場機会が減少中。ちなみに、間違っても「ロッテ 伊志嶺 肩」などとGoogle検索しないでいただきたい。
岡大海…今季途中(荻野の故障後)に藤岡貴裕とのトレードで日本ハムから加入。身体能力やポテンシャルは高いものの、彼も故障癖を持っている模様。加入当初は打撃フォームも手探りのような状態だったがシーズン終盤に3本塁打を記録。マリーンズには少ない熱いファイティングスピリッツを感じる選手で、個人的に好感が持てる。
三家和真…16年オフにトライアウトからのテストを経て入団。広島に入団後一度戦力外になりBCリーグの信濃グランセローズに入団、石川ミリオンスターズへの移籍を経てその後マリーンズへ。一軍での出番は少なく、二軍では外野手登録ながらショートとしての出場機会が多い。
和田康士朗…高校野球未経験ながら独立リーグを経て昨季プロの門を叩いた育成選手。身体がねじ切れんばかりのフルスイングが持ち味だが、今の身体だと本当にねじ切れてしまいそうで心配。まだフィジカル面・技術面ともに支配下登録レベルには至っていないか?
藤原恭大…18年ドラ1。走攻守が高いレベルで揃った外野手で、将来は現在パ・リーグで活躍する秋山翔吾・柳田悠岐に匹敵する外野手になることを期待。本人もプロ入り後の目標にトリプルスリーを掲げている。
山口航輝…18年ドラ4。将来の右の長距離打者候補。高校時代は秋田・明桜高校で吉田輝星のライバルとして奮闘した。元投手だが高2夏に負った肩の故障で以降は野手に専念。

紹介文を読んでくださった方、ありがとうございます。読んでいただけたらわかると思いますが、現在のところ来季のレギュラーが確約されている外野手はいないと言っても過言ではありません。それどころか、外野の3枠が正常に埋まるのかも怪しいのが現状です。
このように質・量ともに他球団の外野陣に大きく遅れをとっているマリーンズの外野陣に、丸佳浩という球界屈指の選手が1人加わるだけで大きく変わってくると私は思っています。

パ・リーグ2強外野手に太刀打ちできる唯一の存在

埼玉西武・秋山翔吾福岡ソフトバンク・柳田悠岐。今季のリーグ優勝チーム、日本一チームのセンターで、両者ともシーズン中の戦いに大きく貢献したのは皆様ご存知かと思います。
こちらのページによると、主に秋山が務めた西武のセンターのwRAAは+27、柳田が務めたソフトバンクのwRAAは+46となっております。wRAAという指標の詳細な説明や計算式はここでは一旦置いておきますが、簡単に言うと「平均的なそのポジション(今回であればセンター)の選手と比較して何点分多く(少なく)得点を生み出したか」を示す指標で、西武のセンターは27点分、ソフトバンクのセンターは46点分多く得点を生み出しているしているということになります。プラスに数値が大きくなるほど他社と比較して高いオフェンス力を持ったセンターとなり、マイナスに数値が大きくなるほど他者に劣ったオフェンス力のセンターであると言ってよいでしょう。では、マリーンズのセンターのwRAAはというと、-23。マイナス23です。平均的なセンターが生み出せる得点より23点分少ないということになります。柳田・秋山のせいで数値がインフレしている感はありますが、いずれにせよパ・リーグワースト2位と他球団に遅れをとっているのは明白です。

では、丸はどうでしょう?こちらで見てみたところ、広島のセンターのwRAAは驚異の+58。リーグが違うため秋山や柳田と同じものさしでは比較できませんが、それでも彼らに匹敵するオフェンスを持ったセンターであることはお分かりいただけるかと思います。少なくとも、現在のNPBにおいて彼らに対抗できるオフェンスを持った唯一の外野手(センター)であることは確かだと思います(MLBからマイク・トラウトレベルの選手を連れてこれる資金力やパイプがあれば話は別ですが)。丸を補強することで、リーグワースト2位のオフェンスのセンターが一気にプラスになるかもしれないのです。期待せずにはいられないでしょう。

藤原にとっての“教科書”

セ・リーグのセンターでダントツのオフェンス力を誇る丸が欲しいのには、もちろん外野手不足・打線の軸不足という現状を改善するためという理由があります。丸が千葉県出身で、近年の球団の地元密着戦略等の側面からも、勝浦市(毎年秋季キャンプを行なっている鴨川市の隣)出身の丸が来ることでさらなる効果が見込めるかもしれませんし、そういった側面からも欲しい選手です。しかし、私が最も丸獲得に動いてほしい理由は、今年のドラフトで外野手のトッププロスペクト・藤原恭大(大阪桐蔭高)を獲得できたからです。

藤原はドラフト前からアマチュア野球・高校野球ファンのみならず多くのプロ野球ファンが知る存在で、それこそ秋山や柳田、丸クラスの突き抜けたオフェンス能力を持つ外野手になり得るポテンシャルを秘めています。これについては、マリーンズ含む3球団が1巡目の入札で彼に入れていることからもその期待値の高さを伺うことができるかと思います。本人が掲げたプロ入り後の目標である「トリプルスリー」も達成できると思っていますし、1度と言わず複数回でも達成していただきたいです。

そんな藤原にとって、丸佳浩という「目指すべき像」、言ってしまえば教科書のような選手が加入することで、藤原が将来彼のような存在になる可能性はグッと上がると考えています。

丸がどのような練習をして、試合に向けてどのように準備をして、どのような心構えで試合に臨んで、打席ではどんなことに注意して、試合後はどのように心身のケアをするのか…等々、藤原にとって参考にすべき点はたくさんあるはずです。そしてそれを藤原が身近で学ぶことによって、丸と並ぶ、あるいは丸を超える球界のスーパースターになってくれるのではないでしょうか?少なくとも、その可能性を僕は信じています。

年齢面で見ても来季の丸が30歳。マリーンズが(今のところ報じられている)4年契約を提示すれば、丸が33歳になる頃に藤原が22歳になります。丸を両翼において藤原をセンターに据えると考えれば丁度良い世代交代が図れるのではないでしょうか?そのような側面も全て含めて考慮すると、「藤原を獲ったから丸はいらない」ではなく、「藤原を獲ったからこそ丸が欲しい」のです。

冒頭にも書かせていただきましたが、丸を獲得できるかでマリーンズの来季が、そしてそれ以上にマリーンズと藤原恭大の未来が大きく変わってくるため、球団には何としても丸の獲得に全力を注いでいただきたいところです。本気の千葉ロッテマリーンズを見ることができるのでしょうか?今後とも丸選手の動向、マリーンズの動向、そしてストーブリーグ全体の動向から目が離せませんね。

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