見出し画像

【指名選手紹介編】Marines Monthly Draft Report #6.1

どうも、やまけんです。
今年のドラフトが終了し、千葉ロッテマリーンズは支配下5選手育成4選手の交渉権を獲得しました。
今回はまず指名選手の紹介をさせていただきたいと思います。後編もあるのでお楽しみに!

※ヘッダー画像は「専大スポーツ」様よりお借りしました。ありがとうございました!

1位 菊地 吏玖(右投手・専修大)

担当スカウトコメント
ストレートの威力と右腕を上手くコンパクトに使うことで、スピード以上に速さを感じさせる投手。打者に対しての闘争心(腕の振り)も持ち合せており、変化球の精度のレベルアップ、さらにウイニングショットを確立することができれば、一軍の戦力として期待できる。
福澤洋一スカウト

先発時のストレートの球速は140キロ台前半から中盤ですが、それ以上に速さを感じさせ、打者から空振りや振り遅れのファールを奪える投手です。高い制球力、試合終盤でも球威の衰えないスタミナ、フィールディングの巧さなど即戦力性は非常に高く、1年目からの稼働が見込めます。
カーブ、スライダー、カットボール、フォークなど、多彩な変化球を操り、ストレートとのコンビネーションで高低、内外、緩急と勝負の引き出しが多い点も魅力的。自身の調子やマウンドとの相性が悪い日でも大崩れしない安心感があります。
要所ではギアを一段階上げ、140キロ台後半から150キロ台を計測することも。相手打者を抑えた時の熱い咆哮も含め、見ていて非常に楽しい投手です。

 担当の福澤スカウトのコメントの通り、多彩な変化球の中でプロの水準で見てもウイニングショットと呼べるボールを習得することができれば投手陣の柱としてチームを支えてくれる存在になりそうです。1年目は一軍で10試合から15試合、70~90イニング程度を目途に先発として経験を積み、3年後には規定投球回到達、2桁勝利を目指していただきたいと思います。

2位 友杉 篤輝(内野手・天理大)

担当スカウトコメント
スピード感があり、足を使えて、内野ならどこでも守れる俊足巧打の選手。彼の最大の武器が足の速さで盗塁でも3.0秒台を記録する。仕掛ける勇気、雰囲気を読むセンス、走塁の勘がある。プロでも十分に勝負でき、盗塁王も狙える脚力の持ち主でもある。
三家和真スカウト

担当の三家スカウトが絶賛するように、抜群の脚力と走塁センスが武器の内野手。2年連続で全日本大学野球選手権に出場し、今年は大学日本代表のメンバーにも選出されるなど実力は折り紙付きです。
4年秋のリーグ戦では開幕前の体調不良が響き打率1割台という不本意な成績に終わってしまったものの、3年秋、4年春の2季連続で打率.440台をマークした好打者でもあります。非力な点は否めないものの、コンタクト能力は高いため、今後の成長次第ではレギュラー定着も狙える素材です。本職のショートを含め、内野複数ポジションを守れる器用さがあり、起用法に幅を持たせられる選手です。

1年目から脚力を武器に一軍の舞台で勝負するか、それとも二軍を中心に出場機会を確保した上で攻守両面の更なるレベルアップを図り、数年後のレギュラー定着を目指すか、判断の分かれるところだと思います。いずれにせよ、5年後にはチームに不可欠な内野手となっていただきたいです。

3位 田中 晴也(右投手・日本文理高)

担当スカウトコメント
186cmの長身から投げ下ろす、MAX150キロの本格派右腕。将来のローテーションピッチャー候補。スケールの大きな選手になってくれる予感。
小林敦スカウト

当初は1位候補とも呼ばれていた高校生投手の一人です。今夏の甲子園ではマメの影響で6回7失点と不完全燃焼に終わりましたが、新潟県大会では最速150キロを計測するなど能力的には世代トップクラス。186cm92kgと大柄な体格ながら柔らかさ、しなやかさを兼ね備えており、素材として非常に魅力的です。現状ではスライダーやカーブ、チェンジアップなどの変化球を操りますが、武器と呼べるボールを習得したいところ。

学業成績も良く、インタビュー記事などからは自己分析能力の高さ、野球頭の良さを感じ取ることができます。このあたりは吉井新監督の指導とも相性が良さそうで、将来的には自律した選手に成長してくれるのではないかという期待感があります。1年目は基礎体力づくりを中心に数試合イースタンリーグで登板する程度かもしれませんが、5年後には一軍のローテーション争いに割って入れるレベルに成長していることを願います。

4位 高野 脩汰(左投手・日本通運)

担当スカウトコメント
真上から投げ下ろす、ダイナミックなフォームが持ち味の中継ぎタイプの左腕。MAX147キロの空振り率の高いストレートに加え、鋭く沈むフォークボールで三振を奪うパワーピッチが最大の武器で1年目からリリーフの軸になってくれそう。
中川隆治スカウト

大学時代から評価の高かった左投手でしたが、2年前のドラフトでは指名漏れ。その後進んだ日本通運ではトレーニングを重ね体重が10kg以上アップ、平均球速や球威が増しました。最速149キロのストレートを軸に、スライダー、フォークなどの変化球を操ります。左投手ですが良い意味で左右を問わず、どちらの打者にもストレートと縦の変化球のコンビネーションで勝負するスタイルです。

近年は左投手のドラフト指名が増えているロッテですが、その中でも現有戦力とはまた違った差別化を図れるタイプと言えそうで、早期から現場で重宝されるのではないかと期待しています。1年目から一軍で登板機会を得つつ、数年後にはブルペンに欠かせない切り札になっていてもおかしくありません。

5位 金田 優太(内野手・浦和学院高)

担当スカウトコメント
軽快なフットワークと柔らかいハンドリング、投手としても140キロを超えるストレートを投げ込む、地肩の強さを持ち、スローイングの正確性の高さを武器にする遊撃手。コンパクトなスイングから広角に打ち分ける、バットコントロールのうまさに長けた打撃も魅力の一つ。近い将来遊撃手のレギュラー争いをできる好素材。
中川隆治スカウト

183cmと大柄な体格ですが、それを感じさせない軽快なフットワークでショートを守る姿が印象的な選手です。今春出場した選抜高校野球大会では準決勝までの4試合で打率.647、そのほかの大会でもコンスタントにヒットを量産しており、打撃能力は高校生の中でも上位と言えるだけのものがあります。今はコンパクトなスイングで逆方向を意識した打球が多いですが、パワーが身についてきたら2桁ホームランも夢ではありません。

ロッテとしては2015年の平沢大河以来の高校生ショートのドラフト指名となりました。既存の選手に加え、2位の友杉選手、後述する育成3位の勝又選手、育成4位の黒川選手と競争相手は多いですが、その中で金田選手がどのように成長し、存在感を示していくのか非常に楽しみです。下位指名ですが能力は高く、25歳を迎える頃までには一軍でレギュラー争いに食い込んでほしい選手の一人です。

育成1位 吉川 悠斗(左投手・浦和麗明高)

担当スカウトコメント
185cm長身のスリークォーター左腕。しなやかな腕の振りが持ち味で、リーチが長く、球持ちの良さが特徴。現状では球速も142キロ止まりではあるが、球速表示以上の伸びのあるストレートは魅力で、精度の高いチェンジアップも武器になる投手。まずは育成からしっかり鍛え上げ支配下登録を勝ち取りたい。
中川隆治スカウト

中川スカウトのコメントにもあるように現時点での球速は142キロとそこまで速くありませんが、それを気にさせない体感速度の速さはある意味他の選手にはなかなかない「一芸」とも言えます。そこに決め球のチェンジアップなど変化球を交え、打者を翻弄します。今夏の埼玉県大会では1試合20奪三振を記録しました。ロッテでは昨年の秋山正雲に続く高校生左腕の指名となり、秋山が1年目からイースタンリーグで登板機会を重ねたこと、奇しくもその秋山と同じ中川スカウトの担当選手ということで、期待が高まります。

出身の浦和麗明高校は2018年に共学化された元女子高で、吉川投手が同校初のドラフト指名選手という形になりました。進学校の同校で難関国公立大や早慶志願者等が集まるクラスに属しており、学業も優秀とのこと。3位の田中投手のところでも書いたように、吉井新監督の求める「自律した選手」の要素を備えているのではないでしょうか。育成契約からのスタートにはなりますが、常に自分の現状・課題と向き合い、近い将来大きく成長して一軍の戦力になってくれることを願っています。

育成2位 白濱 快起(右投手・飯塚高)

担当スカウトコメント
身長192cmから投げ下ろす、ストレートが魅力の投手。まだまだ未熟な部分も多いが専門体力の筋肉量を上げることで、スピードが上がることに期待したい。変化球も多彩だが縦の変化を磨くことで、投手としてさらに輝いてくれるだろう。
福澤洋一スカウト

192cmの身長からもわかるように、縦の角度が武器の右投手。まだまだ発展途上ですが、大柄な割に動作にクセがなくフォームのバランスが良い点は同じロッテの河村説人に近い雰囲気を感じます。現時点では最速145キロですが、数年かければ球速は大きく伸ばすことができるのではないかと見ています。夏の福岡大会では18打数10安打1本塁打で打率.556、長打率.833を記録するなど打撃センスも高い選手です。

現段階では全てにおいて素材の域を脱しませんが、この身体にパワーが備わってきたら一気に世代トップクラスの球威を誇る投手に成長してくれるのではないかという期待が強いです。1年目は身体作りを重点的に行い、2年目から実戦登板、同年代の選手が入団してくる4年目から5年目頃を目途に支配下登録され、一軍で居場所を争ってくれるような未来図を描いています。

育成3位 勝又 琉偉(内野手・富士宮東高)

担当スカウトコメント
身長188cm78kgの大型内野手。長身のわりに身のこなしが良く三拍子そろった選手。まずは体作りを行い、支配下登録を目指す。
小林敦スカウト

本人が「このサイズでスピードがあるのが武器」と語るように、50m走のタイプは5.9秒と俊足で、素材の良さは今年の高校生でもかなり上位の部類に入ります。大柄な選手ですが打撃面においても守備面においても動きにクセがなく、担当の小林スカウトのコメントの通り身のこなしの良い選手です。昨冬から今春にかけてフィジカルを強化したことで長打力が身についたとのことですが、まだまだ成長の余地は残されており、それだけロマン、楽しみも残っています。

まずはイースタンリーグでの試合出場よりも更なる肉体強化に比重を置くことになりそうですが、身体が本格化してくる2年目中盤~3年目頃から二軍出場数を増やし、4年目頃の支配下昇格を目標としていただきたいです。俊足・強肩で器用さもあるため、コンバートも考えられる選手ですが、あくまでショートでのレギュラー奪取を目標に掲げてほしいと思います。

育成4位 黒川凱星(内野手・学法石川高)

担当スカウトコメント
走攻守三拍子そろったユーティリティープレーヤー。育成でしっかり体を鍛えていけば、将来はマリーンズジュニア第2号としてチームの顔になれる選手と期待している。
柳沼強スカウト

今年のドラフトでマリーンズが最後に指名したのがこの黒川選手。昨年2位の池田来翔に続く、マリーンズジュニア出身選手です。中学時代に所属した京葉ボーイズ、そして学法石川高ではキャプテンを任されました。ジュニア時代から一貫して内野を守っており、高い守備力が持ち味。高校では下位打線を打つことが多かったものの、決して打力がないわけではなく、恐怖の8番打者としてチームを支えていました。

今年のドラフトで指名した高校生はスケールの大きい素材型タイプの選手が多く、その中でも甲子園に出場したことがあったり、部員十数人の公立校出身だったり、あるいは高校初の指名選手だったりと、個性の強さを感じる世代となりました。黒川選手はジュニア時代から高校までの経験をもとにそういった同世代をまとめつつ、将来的にはプレーはもちろん、そのほかの面でもチームの「根幹」を担える存在となってくれるのではないかと期待しています。

この記事が参加している募集

野球が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?