人間になれなくてごめんなさい
わたしを産んだ人は
わたしをバケモノと呼んだ
おともだちは
わたしを人間じゃないと言って
便器のなかに突き落とした
糞尿にまみれたわたしは
誰もいない暗い森を歩き続けた
そこで少女を見つけた
でも、息絶えていた
わたしはその子にごめんねと言って
皮を剥いだ
剥いだ皮を大事にかぶって
わたしは今度こそ人間になった
でも、ダメだった
見た目は人間でも
にじみ出る腐臭は隠せなかった
人間たちはわたしに石を投げつけた
わたしは泣きながら
暗い森に帰っていった
そこに少女はもういなかった
そこには人間になれなかった
一匹の獣だけ
人間になれなくてごめんなさい
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