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「現実はいつも対話から生まれる 社会構成主義入門」 まとめ

「自分の光を忘れない、みんなを巻き込み激流を流れる小石」のやっくんです。
今回は対話を深める参考図書としておすすめの本「ガーゲン夫妻の著書『現実はいつも対話から生まれる-社会構成主義入門』(2018年)」のふりかえりと内容まとめです。なぜ、ワークショップや地域づくりに対話を取り入れているのか。その答えがしっくりくる本でした。

Amazonで見つけたときにビビビッと来て即購入した本。
見開きにはこんな風に記載されていました。

社会構成主義の基礎的な考えはとてもシンプルなようでいて、非常に奥深くもあります。
私たちが「現実だ」と思っていることはすべて「社会的に構成されたもの」です。
もっとドラマチックに表現するとしたら、そこにいる人たち が、「そうだ」と「合意」して初めて、それは「リアルになる」のです。

むむむ。。。となりますよね。
僕も飲み込むのに時間がかかりましが、まとめてみると。
社会構成主義の基本的な考えが、「私たちが世界を創造している」です。
この「創造」という言葉に本質が詰まっています。
物理的に起こったことが、リアル(現実)ではないと否定しているわけではなありません。
心理学者のケネス・J・ガーゲンは、
「社会構成主義とは一つの観察方法なのであり、社会の全てが幻想であるとか実在は存在しないといった議論ではない」と言っています。
「わたしたちが日常使っている言葉や感情は、所属しているコミュニティの文化そのものである」、
「こういうことは楽しい、こんなことは悲しい、という感情表現も、そのコミュニティの文化と密接にリンクしている」、
「つまり異なる文化のもとでは、言葉の意味する内容、感情、反応までもが全て異なる」としています。
そしてこの考察を踏まえてガーゲンは、
「人々はお互いの言葉のやり取り(対話/ダイアログ)の中で『意味』を作っていくのであり、『意味』とは話し手と聞き手の相互作用の結果である」
と結論づけています。

社会構成主義とは、認識論で、簡単にいえば「世界を、客観的に存在すると捉えるのではなく、人々のあいだのコミュニケーションによって合意された結果として初めて現実となるんだ、というように観察すると、世界の理解が深まる」ということ考え方です。
「意味・価値」は「個人の中」から生まれるのではなく、人々の相互的なコミュニケーションの結果からしか生まれないとする考え方であり、なかなか"しっくりくる"まで時間がかかる概念ではありますが、「なるほど、そういうことか」と理解すると、「対話」がワークショップデザインやファシリテーションに欠かせない概念であることが掴めます。

『人々はお互いの言葉のやり取り(対話/ダイアログ)の中で『意味』を作っていくのであり、『意味』とは話し手と聞き手の相互作用の結果であり、「意味・価値」は「個人の中」から生まれるのではなく、人々の相互的なコミュニケーションの結果からしか生まれない』

僕が教育・地域づくり・組織開発でも「対話」を主軸にする大切にしているのは、コト、モノに答えを出すのではく、プロセスから意味や価値を作っていくことなんだと改めて考えさせてもらえた本でした。

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