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ケエリタイガース短い天下 魚に追われ3位転落危機 -第22節

おんJ天鳳部ペナントレース2022は10月29日に第22節が行われ、首位の定時ケエリタイガースが3戦連続マイナスで2位に転落した。一方の追うとっとこマホメッツは出場3選手がプラスで終了し、盤石の立ち回りで首位を奪還。最終節をもっとも見晴らしのいい位置で迎えることとなった。

3位以下は魚が胡瓜泥棒の大トップでケエリタイガースとの差を縮めた。5位のアイScreamもプラスで黒字終了が視野に入る中、最下位のアッスの子供が生まれたーズは、トップスコアラーのツラゲ薬師が痛恨のラスで再びマイナスに。最終節で自力での最下位脱出には全勝が最低条件となってきそうだ。

次戦はレギュラーシーズン最終戦となるリーグ戦第23節、開催予は11月5日の予定。目が離せない熱戦が繰り広げられそうだ。

第22節のオーダー


・とたん屋根、アッスチームを突き放す勝利 ツラゲは失意の痛恨ラス -1回戦

リードを守り切ったとたん屋根。トップラスでアッスチームを突き放した

点棒の動きが少なかった1回戦、とたん屋根(アイス)が競り合いを制した。

屋根は東1局に積極的に喰い仕掛けて2000-3900をあがると、東2局はセキネコ(魚)から1300、東3局は1000-2000と順調に加点。以降は花澤香菜が2度の和了で追いかけるも、屋根にわずかに及ばず。序盤の3連続和了で作ったリードを守り切り、今季2勝目を挙げた。

アイScreamと順位を争うアッスチームのツラゲ薬師は全くいいところなし。手痛いラスに終わった。


・熱いつばぜり合い、軍配はQ&Aに 要所締めるあがりでトップ手繰り寄せる -2回戦

オーラスの満貫ツモでQ&Aが逆転。ハイレベルな対局を制した

苦しんだシーズン最終盤で2勝目となったQ&A(アイス)。今局も簡単にはいかせてくれなかった。

東1-1にQ&Aの3900和了が号砲となり、あがりの応酬が始まる梅野隆太郎(魚)が銀河に喝(定時)、Q&Aからの3900でリードしたかと思えば、伊達朱里紗の舎弟(点棒)が2000-3900で追撃する。
いつしかラス目に沈んでいたQ&Aも南2局に満貫ツモでトップ目に立つが、舎弟の満貫ツモを親かぶり。それでもオーラスに満貫をツモってトップを獲り返して対局は終了した。

第7節以来となるリーグ戦2勝目は大事な場面での価値あるプラスポイント。プレーオフに弾みをつけて乗り込むことができそうだ。


・ネコアルクがケエリタイガースを蹴散らす チームメイトすぱに並ぶ5勝目 -3回戦

真ん中来いよ!からあがった跳満が決定打だった

空前絶後の5連勝でその名をとどろかせたすぱに並ぶ、最多タイの5勝目。ネコアルク(マホ)が首位・定時ケエリタイガースとの直接対決に勝利した。

起家のネコアルクは東1局にAnneil(点棒)から2000を和了。すると東1-1に白・ダブ東・赤1枚にドラの中単騎待ちで構えていると、真ん中来いよ!(定時)からリーチ。これを真ん中がつかんでしまい跳満となる。

真ん中は東1-2に1000-2000をあがって点棒回復に努めるも、東2局に13面アなる今岡(岡田レイ アッス)にリーチ宣言牌で7700を放銃。最後は東4局にアなる今岡が真ん中から5200を和了。真ん中がハコ下となり、南場が来ることのないまま終局した。

ネコアルクはこれで5度目のトップとなり、チームメイトのすぱと並んで最多勝ではトップタイに。ケエリタイガースとの直接対決という重要な場面で、最高の結果を持ち帰った。


・嵐のような胡瓜泥棒の独擅場 今季最多8和了で他家を圧倒する -4回戦

締めくくりとなる胡瓜泥棒の8和了目。今節ここまでのチームマイナスを清算した

誰も彼を止められなかった。7連続を含む計8和了は今季最多の1対局中の和了数。悲願の天鳳シリーズ進出に前進する大勝利だった。

東1局は荒木比奈(定時)の1000-2000、東2局にホモ(マホ)の3900オールと和了が出たものの、東2-1に胡瓜泥棒(魚)が白井一行(アイス)から満貫をあがってからは、泥棒の独擅場だった。

怒涛の7連続和了中、7700以上の和了は3回。南4局に荒木が胡瓜から7700をあがって止めにかかるも、同1本場に7700を返してしまい、結局胡瓜の点棒を削れぬまま終局。すべてのあがりが他家からの出あがりという、珍しいトップだった。

今節ここまで40ポイント超をマイナスしていたチームは、胡瓜泥棒の勝利で一気に34.1ポイントのプラスにまで持ってきた。さらに2位のケエリタイガースとの差も18.5ポイントに。最終節での2位浮上も見えてきた。


・第22節終了時点のチームポイントと順位


・Owner's Voice

久しぶりに帰ってきたオーナーズ・ヴォイスのコーナー。今回はアイScreamのオーナー・イリューシンさんからのコメント。


○月○日
アイScreamの現状を打破すべく
チャン・タイシラ統括Pは一同を集め会議を始めた。
「正直上位との点数が離れすぎているのでCSに本腰を向けた体制を-」
若いスタッフが意見を言い終える前に窓が開き彼の姿は消えた
ペットのヤモリに食われたのだ。
今日の勝利を目指さない者に未来は無い。

○月×日
チャン・タイシラ統括Pの同志、ヤ・ネン選手が奮闘する
長きにわたり同盟を組んできた二人だ。
ヤ・ネンが勝利をもたらし帰ってきた時 統括は満面の笑みを浮かべ選手を迎える。
「またドライブにでも行こうか」 チャン・タイシラ統括Pの車は今日も青い。

○月△日
ヤ・ネンの勝利に続くようにファン・クー選手も勝利を手にする
今季悔しい思いをしていた選手だ、勝利もひとしおの喜びがあるだろう。
チャン・タイシラ統括Pは手を叩き喜ぶ。
「アイScreamはまだまだ終わらない、最後まで足掻き続ける」
チームの未来は透き通っている。

○月□日
チームに流れが来ている中、突如として嵐が吹き荒れる
途中加入の助っ人シライ選手が懸命に戦うが玄界灘のピラニアは飢えている。
どうにか点数を守ろうとするがピラニアは容赦が無かった
命からがら生き延びたシライにチャン・タイシラ統括Pは労いの言葉をかける。
「時には受け入れる事も必要だ、切り替えて行け」
だがアイScreamはまだ諦める事を受け入れてはいない。


・Play of the Day -Presented by Ryutarou Umeno

今季、弊紙で観戦記者としてペナントレースをウォッチし、選手としても活躍する魚・梅野隆太郎氏が送るこのコーナー。

第31回目となる今回は、魚の胡瓜泥棒選手のプレー。



おん天スポーツ観戦記者です。

チーム順位3位のチーム魚は、今節セキネコ・梅野隆太郎両選手が3着とスコアを伸ばすことができませんでした。

優勝のためにこれ以上落とせない状況の中、胡瓜泥棒選手が躍動を見せます。
 
今節の胡瓜泥棒選手はかなりのデカトップとなりましたが、和了していない局も非常に良い選択が目立ちました。

東1局の親番、上家・荒木比奈選手からリーチを受けた後の判断からも調子の良さが伺えます。

一発目に引いてきたのは2pで一向聴、唯一のカンチャンターツは13sですがここで打3p。

魚・胡瓜泥棒視点。上家が定時・荒木比奈

14pがフリテンで1pが三枚見えていること、123の三色が見えること、1s切りのコースは最悪フリテン聴牌で3sを切らないと和了に向かえないことが理由でしょうか。
 
次巡は1p引き、ここでほんの少しだけリスクをとって2pを勝負します。

3pが自身の目から全見え、当たるならモチモチのシャンポンか単騎しかない牌です。

123の三色が残りイーシャンテンキープ、聴牌時に4p勝負となっても勝負できそうに見えます。
 
しかし次の巡目で3m引き、ここで3m4p二枚勝負は厳しいと見たか三色を捨てて1pを切りました。

最後は通さなければいけない牌が2枚となった終盤で完オリ、粘り方・撤退のタイミングどちらも非常に見事だったと言えるでしょう。
 
いよいよペナントレースは次が最後の通常節、2位ケエリタイガース・3位魚が最も点差が詰まっており2チームの直接対決が見られそうです。

優勝の行方とともに、この大一番を見守りましょう。


【記者紹介】梅野隆太郎

アッスチームに2年間在籍し、今季から魚に入団した現役選手。ンゴンゴ杯では6度の優勝を誇り、ヨンマ・サンマそれぞれで連覇も記録している。ペナントレースでは2021シーズンにおいて最多ポイント、個人最高得点、天鳳シリーズMVPの三冠を受賞した。
また、雀魂の大会にも多く出場。天鳳部のみならず活躍の場を広げている。


・Man of the Match -週間MVP

第21節のMVPとなったのは魚・セキネコ。理由は言うまでもなく、幻になりかけた"あの記録"の達成である。


その場にいた全ての人が、固唾を飲んで見守っていたことだろう。セキネコの334ボーナス達成のそのときを。

シーズン開幕前、公表されたレギュレーションの中で目を惹くものがあった。

「対局終了時に保持している点棒が33400点(あるいは-33400点)の場合、1回につき33.4ポイントのボーナスを付与する」

いまだからはっきり言えるが、これほど天鳳部らしく、またばかばかしいルールはない。普段段位戦を打っている人ならわかるだろうが、33400点というのは狙ってなくてもなかなかならない点数である。

ルール考案者のごり押しによる採用と公式に発表があったものの、ほとんどの人は意識して打つことはあまりなかったのではないか。

ところが、ふたを開けてみれば惜しい場面はそれなりにあった。やがて「334の専門家」なる解説者も登場し、徐々にではあるがこのルールに脚光が当たり始める。

しかしリーグ戦も残り3節。もう達成者を見ることはないまま、ポストシーズンに入っていくのだろうと、みなが思っていた。失礼ながら、記者も例に漏れずその中の一人だった。

第21節4回戦。ここまでの魚は4着、3着と苦戦し、マイナスは60ポイントに迫っていた。悲願である天鳳シリーズ進出を確実なものとするために、ここでマイナスを積み上げるわけにはいかない。

セキネコは苦しかった。彼のリーグ戦でのこれまでの対局同様、我慢が続く麻雀だった。それでも、他家の攻撃のわずかな間隙を突いて2000-3900ツモ、そらまる(定時)から3900和了でトップ目に立った。オーラス突入時点での点棒は33400。

そして、ついにその時は訪れた。

着順浮上をかけたていとく☆(点棒)のリーチに放銃したのはスーパーまほっち(マホ)。この満貫でていとく☆が2着に浮上。同時にセキネコのトップが確定した。もちろん、点棒は増えも減りもせず、33400点のままだ。

セキネコが"幻"を”現実"に引き戻した瞬間だった。

ボーナスもさることながら、このトップは魚にとっても価値の高い1勝だった。第21節はプラス18.0ポイントで終了。点棒配りおじさんズと接近し、プレーオフ回避のプレッシャーを受けながら残り2節を戦わなければいけないリスクを考えれば、これほど助かるトップはなかったのだ。

記事を執筆時点で、リーグ戦は最終節を終えたばかり。この勝利が魚になにをもたらしたのか。それを知る読者諸賢には、ぜひ当該対局を大っぴらに語っていただきたい。唯一にして無二になりうる、伝説がここに生まれたのだ。

第21節MVPはセキネコ選手。彼の活躍に惜しみない称賛を送りたい。


ペナントレースの詳細やおんJ天鳳部については、以下のリンクからご覧ください。


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