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ケエリタイガース独走態勢 連勝で2位以下を突き離す -ペナントレース第5節

おんJ天鳳部ペナントレース2022は3月26日に第5節が行われ、首位の定時ケエリタイガースが連勝で独走態勢に入った。今節対局前まで2位だった点棒配りおじさんズはポイントを減らして3位に転落。代わって2位に浮上した魚もポイントを伸ばせず、1強5弱の様相を呈してきた。

次戦は4月2日、スクランブル戦(三人打ち)が行われる予定。

第5節の各チーム先発選手


・耐えに耐えたミルモンヌ(点棒)今季初勝利 南場に見せ場、逆転の2和了 -1回戦

南4局 ミルモンヌが2000-3900を和了した場面。上家のおもちぃな(アイス)をぴったり飛ばしての逆転トップは、まさに会心の一撃だった。

東場に繰り広げられた、スーパーまほっち(マホメッツ)と内川畜一(アッス)の和了の応酬。トップはこの二人のいずれかだと思われた。が、今局の主役はどちらでもなかった。

強烈な先制パンチを繰り出したのは起家スタートのスーパーまほっち。東1局、両面ターツが3つある配牌から順調に手を進めていき、8順目にリーチ。これに負けじとおもちぃなが追っかけるも、まほっちの和了牌をつかまされ満貫の放銃。いきなり大物手が炸裂する。

続く1本場、まほっちの連荘を阻止したい3人は、まずおもちぃながミルモンヌから出た白をポンして二向聴に。さらに6順目にはネックだったペン7筒を引き入れてドラの北待ちで満貫手をテンパイする。対して内川も、同じくミルモンヌから出た6萬をチーして567の三色同順をカン4筒でテンパイ。
そしてこれをあがったのは内川だった。まほっちから出た4筒をロンし、2000点の収入となる。

以降、まほっちと内川の和了合戦が続き、南2-1におもちぃながまほっちから2900をあがるまで、あがりあがられの二人舞台だった。

風向きが変わったのは南2-2。連荘を期す親番のおもちぃなが場風の南をポンして手を進める。これにじわじわと迫っていたミルモンヌが發を暗刻にし、両面ターツ2組の一向聴に。7順目には5-8筒でテンパイしリーチすると、なんとこれを一発でツモ。2000-3900のあがりでトップ争いに参戦する。

南3-1に内川が和了して迎えたオーラス。まほっち、内川、おもちぃなの3人が好配牌の中、ミルモンヌはドラでかつ自風の北が対子もスピードに劣る七対子気味の手。5順目に内川が勝負を決めに行く5-8筒待ちの先制リーチ。ここでミルモンヌはおもちぃなから出た北をポンして無筋の4筒を切り、2-5索待ちの逆転手をテンパイ。そして麻雀の神がほほ笑んだのは、ここまで我慢の麻雀を続けてきたミルモンヌの方だった。

会心の2000-3900和了。トップ目のまほっちをまくり、最後の最後で今対局中初めてトップに立った。前回出場時はハコラスで悔しい思いをしたオーナーが、チームを鼓舞する逆転勝利。これで点棒配りおじさんズは3連勝ボーナスに王手をかけた。

1回戦の対局結果


・エースは俺だ! おはDポテト(定時)、追撃振り切り1勝目 -2回戦

東4局 おはDポテト(定時)が3900オールを和了した場面

トーナメント戦を制し、前節で2着と好調を維持している男が、ケエリタイガースのエースに名乗りを上げた。

2回戦はあっという間の決着となった。
東1局、自風の北と白が対子のおはDポテトは、いきなり北をポン。ドラの7索を引き入れて10順目にテンパイするも、14順目に海木貝気(魚)からリーチ。さらに同巡、ツラゲ薬師(アッス)から高め一気通貫の追っかけが入る。これにおはポは白を切って回り、次巡にはフリテンの2-5索テンパイを入れるも、ていとく(点棒)がツラゲの高め和了牌である1筒を切って満貫を放銃。3連勝ボーナスがかかっている点棒配りおじさんズにとって、痛い放銃となる。

東2局、ドラを2枚抱えるツラゲが鳴いていく中、おはポが8順目に平和・ドラ2枚の6-9索待ちでリーチ。しかし、クイタン・ドラ3枚でテンパっていた海木がツモ。2000-3900でトップ目に立つ。

その後はツラゲ、海木それぞれに和了が出て激しいトップ争いが繰り広げられるが、ターニングポイントとなったのは東4局。絶好の配牌をもらったおはポは赤ドラ1枚を持って4順目にカン8索でリーチ。これをしっかりツモって裏を乗せ3900オールに。これでトップの行方は分からなくなった。

東4-1、おはポがていとくから5800をあがってリードを大きくすると、同2本場。海木が逆転トップをかけてドラ1枚のカン4索を6順目にリーチ。これに押し返したおはポがていとくから出た7萬を鳴くも、それで和了牌が海木のもとへ。しかし逆転には至らず、このあがりでていとくが飛んだことにより対局は南場を迎えることなく終了した。

おはDポテトはリーグ戦今季初勝利で、未だその調子の良さは衰えるところを知らない。この勝利で点棒配りおじさんズの3連勝チャンスを打ち砕くと同時に、定時ケエリタイガースは2位との差をさらに広げた。

2回戦の対局結果


・最後まで読めない熱戦 桜小路才華(定時)が制しチーム連勝 -3回戦

オーラス 桜小路才華が満貫ツモでトップになった場面

流局が1度もなく、絶えずあがりが出まくる大熱戦。オーラス時点で全員にトップの可能性があった対局を制したのは、前局トップのおはDポテトからバトンを受けた桜小路才華だった。

東1局、先制したのは花澤香菜(マホメッツ)。MHaLLNM(アイス)のリーチもなにするものぞ、落ち着いて手を進めて2000オールのあがりを得る。リーチをふいにされたMHaLLNMは同1本場にも果敢にリーチに打って出るが、皐月二十三(アッス)の副露攻勢に屈して5200を放銃する。

報われない展開にもメゲないMHaLLNMは東2局、5順目に早くも平和・赤の手をリーチ。皐月が鳴いて追いかけてくるもこれをツモって2600オール。ようやく報われる。MHaLLNMは東4局にも皐月とのリーチ合戦を制して1000-2000を和了。一時はトップと15000差のラス目だったが、しっかり原点復帰して南場を迎え、南1局には花澤から5200を和了してついに順位が入れ替わる。流れは完全に彼のもの……かと思われた。

南2局。ここまで東3局の1100しか和了がなく、ラス目に沈んでいた桜小路が反転攻勢に出る。ドラの發をポンし、さらに2索もポン。5順目にMHaLLNMからリーチが入るも、直後に4-7索でテンパイ。これに捕まってしまったのはMHaLLNM、7700放銃でせっかくのトップがこぼれ落ちていく。
桜小路はさらに親番の南3局、再びMHaLLNMから2900を和了。ここにきてトップ目に浮上した。

しかし、彼に好き勝手させるほど他家も甘くはない。南3-1、皐月が12順目にカン6索でリーチ。これにMHaLLNMがペン7索で追いかける。これを制したのはMHaLLNM。1300-2600でまたトップ目に立ち、優位な立場でオーラスを迎えた。

配牌でよさそうなのはMHaLLNMと花澤。皐月も悪くはないが、打点は見込めなさそうである。あっという間にトップから転落した3着目の桜小路は、筒子が伸びていき、北が暗刻になりドラの3筒も重なって打点が見込める手になってきた。MHaLLNMの12順目に切られた6筒をチーして3筒・4索のシャンポン待ちでテンパイ。ここで、花澤が皐月が切った7萬をチーして、赤2枚の手を發バックに構えて北を切る。すると、桜小路はこれをカン。そしてツモってきた嶺上牌は、誰も予想していなかったドラの3筒だった。

嶺上開花・北・ドラ3。満貫ツモで文句なしの勝利。最後まで誰がトップになるのかわからない接戦を桜小路才華がモノにしてチームは連勝。エースに負けじと実力を発揮し、定時ケエリタイガースはまたも3連勝ボーナスにリーチをかけた。

3回戦の対局結果


・ヒーローは遅れてやってくる アラフォー賢者(アッス)、円熟味ある麻雀でリーグ戦初戦快勝 -4回戦

南3局 アラフォー賢者が7700を和了した場面

今節のアッスの子供が生まれたーズの着順は3-3-4(な阪関無)。決して内容は悪くないにもかかわらず、ポイントが積みあがらない。そんな悩めるチームの救世主となったのは、円熟味ある麻雀を打つこの人だった。

今局最初のあがりは恵体凡投(魚)。東1局、積極的に鳴いて仕掛けて東バックに構え、求種求牌(点棒)から1300の和了となる。続く東2局、今季リーグ戦で初戦となったアラフォー賢者も果敢に仕掛けていき、たいしらちゃんから2900の和了。低打点で腹の探り合いが続く。

東3局も凡投は鳴いていき、1000-2000のあがりに。少しずつではあるがリードを作っていき、トップに立つ。

しかし、ここから展開は風雲急を告げる。東3局、アラフォー賢者は好配牌からツモが躍動。ドラが重なっていき、9順目にタンヤオ・ドラ3枚で3-6萬待ちのダマ。少し前から張っていた求種求牌がタンヤオをつけてリーチを打つも、直後にアラフォーが6萬をツモ。満貫が炸裂する。

そして東4局、たいしらちゃんはドラの赤5索を手にした好形の配牌。凡投が鳴いて動いていくもこれで赤5萬も引き入れ、7順目にリーチ。これをツモって跳満とし、凡投と入れ替わって2着目となる。だが南1局、今度はたいしらが鳴いていき、凡投がリーチ。これにたいしらが一発で放銃してしまい、12000の手痛い出費。凡投はトップ目に立つ。

だが、たいしらもここであきらめるわけにはいかない。字牌や対子の多い配牌から迷わず七対子を選択し、4順目にドラの9筒単騎でリーチ。もう一つの選択肢だった9萬を裏目り、山に残った和了牌はあと1枚。それを引き当てたのはたいしらだった。執念の七対子ツモで跳満。まだトップに望みをつないだ。

南3局。アラフォーは筒子の濃い配牌にオタ風の東が対子。早々に萬子索子に見切りをつけ、求種求牌から出た7筒・4筒をチーして一気通貫・混一色・赤が確定し、2-5筒待ち。これに捕まってしまったのはたいしらだった。3万点間近まで戻ってきてからの痛恨の7700放銃。アラフォーはトップ目に、そしてたいしらは3着目となる。

オーラス。比較的早そうなアラフォー・凡投に対してたいしらは厳しめ。それでもツモに恵まれて手を進めていく。8順目に赤1枚でカン7筒リーチ。タンヤオの手をカン3筒でテンパっていた凡投が3萬を暗槓してあがりを待っていたが、たいしらが欲する7筒をツモ切ってこれがロン。5200和了で順位が入れ替わり、これにて終局。土壇場でたいしらが2着に滑り込んだ。

アラフォー賢者は苦しんだチームを救う見事なトップ。解説陣が連呼した"円熟味"ある麻雀で、高打点飛び交う対局を華麗にくぐり抜けた。

4回戦の対局結果


・第5節終了時点のチーム順位とポイント


・Owner's Voice

各対局ごとにチームオーナからの声をお届けする「Owner's Voice」のコーナー。今回はアイScreamのオーナー・イリューシン。


ペナント戦第5節が終了し我々は国内が厳戒態勢の中ではあるが、イリューシンオーナーにインタビューを敢行した。

――先ずは第5節を終えて お疲れさまでした。

中々苦しい展開が続きましたが善戦は出来たかなと思います。

――チームとしてはマイナスの結果

仕方ないですね、アイScreamチーム自体が未だに低迷状態と言われてもおかしくない。 しかしながら選手のやる気、モチベーションは低くありませんよ。 今はまだ我慢の時期と言うです。

――逆転の目は

直近ならスクランブル戦、三麻での開催ですから全力で。

――通常節での三麻は負け越しているが三麻自体には自信が?

もちろん、精鋭が揃ってますから。 すみませんがこの後多少準備があるので私はこの辺りで。

――今日はありがとうございました

こちらこそ。 そう告げて急ぎ足でどこかへ向かうイリューシンオーナーの背はどこか異様な気配を感じさせるものだった。

著:露航空新聞記者



・Play of the Day presented by Ryutarou Umeno

選手として活躍し、観戦記者としてもペナントレースをウォッチする梅野隆太郎氏が選んだ、至極のプレーを紹介するこの企画。第7回目となる今回は、とっとこマホメッツ・花澤香菜(ベック)選手のプレー。



おん天スポーツ観戦記者です。

ペナントレースは第5節まで進み、ほとんどの選手が最初の登板機会を得ています。

そんな中、今節はマホメッツの注目選手・花澤香菜選手が通常節初登板となりました。

オープン戦で開幕投手を務めいきなりトップを奪ったことからもわかる通り、マホメッツが誇るエースです。

結果こそ3着に終わりましたが、節々に実力者の片鱗を見せてくれました。

 

ピックアップするシーンは東1-0、親番で迎えた花澤選手が先制した局面です。

見事にリーチ者を追い越し先制の2000オールを決めました。

今回はその局面を見てみましょう。

リーチをかけたプニキ選手の宣言牌は赤5s、一方花澤選手はリーチを受けた時点で三向聴(七対子は二向聴)です。

宣言牌の5sを安全牌として使うこともできますが、花澤選手はこの5sをポンしていきました。

牌姿を見ると、一発が消せることに加え

・9s二枚の安全牌に加え、6s8sのターツが比較的落としやすく降りるのに困る可能性が低い

・ドラ表示牌であり急所の3mがリーチ者の現物であり、鳴かせてもらえる可能性がある

といったメリットがあるように見えます。

しかし親番とはいえ三向聴からリーチに立ち向かっていくのは、決して簡単ではありません。

私はプニキ選手のリーチがかかった時点で、花澤選手がこの局を制するとは全く思っていませんでした。

 

ここから花澤選手は無筋を切る必要なく欲しい牌を引き入れ、2p・7sと引いて聴牌。

5800の両面は十分勝負になるとドラ跨ぎの5mを一枚勝負、見事このめくり合いに勝ちます。

これは先制パンチとしては十分な和了、ペナント通常節初登板で鮮烈なデビューを飾りました。

 

私のイメージするV天時代の花澤選手のイメージを一言で表現するなら、「現麻(現代麻雀技術論)チルドレン」です。

いわゆる「ゲンマ」や「ウザク本」といった本に掲載されている「何切る」を回答してもらった時、おんJ天鳳部で最も正解率が高くなるのは花澤選手ではと思っています。

しかし「何切る」の強さが活かされるのは、先制できそうな門前手でしょう。

今節は残念ながら、私のイメージしていた花澤選手の「真骨頂」らしさが前面に出た戦いとはなりませんでした。

 

それでも狙える手をしっかりゴールに結びつけるのが実力者。

2度の中打点チャンスをしっかり和了につなげ、放銃も立直後のどうしようもないケース1回に留めています。

花澤選手が調子に乗ると怖い選手であることは間違いなく、今後マホメッツ浮上のカギを握る選手でしょう。


【記者紹介】梅野隆太郎

アッスチームに2年間在籍し、今季から魚に入団した現役選手。ンゴンゴ杯では6度の優勝を誇り、ヨンマ・サンマそれぞれで連覇も記録している。ペナントレースでは2021シーズンにおいて最多ポイント、個人最高得点、天鳳シリーズMVPの三冠を受賞した。今季はここまでスクランブル戦予選首位・決勝2位、リーグ戦2戦1勝1ラス。



・Man of the Match -週間MVP

今季から創設された週間MVP。今回はリーグ戦第4節。選出されたのは果たしてどの選手だろうか。


第4節4回戦、主役はどんえ~んだった。南1局まで4和了、無放銃。圧倒的というよりほかなかった。1シーズンのブランクは欠点でもなにもない。自信をつけて戻ってきた舞台で、躍動し続けていた。

誰もが彼のトップで対局が終わると思っていた中、まだあきらめていない雀士が一人、そこにいた。

イリューシン。今季から参戦したアイScreamのオーナーである。

耐え忍ぶ展開が続く中、ここまで真ん中来いよ!からあがった7700を守り切って2着につけていた。点棒は29300、トップとは16000差。上家の真ん中来いよ!はすでに飛び寸前。トップのために取れる手はあまりにも少ない。

西、發が暗刻の配牌で、ドラが1枚。逆転手につながりそうな雰囲気はあるが、実際に実るかどうかはわからない。とにかくやるしかないのだ。

萬子に狙いを定め、やがて対々形に。

ドラをたたき切り、蜘蛛の糸より細い逆転の可能性を作る。「もしかしたらなんてあるのか…?」と、皆が疑っていた。

最後のツモ番はイリューシン。ツモってきた海底牌は9萬。誰もが見る目を疑った。一つしかないといっても過言ではなかった可能性を、彼は引き寄せて見せた。"運命"は最後まであきらめなかったイリューシンに、その身を預けることを選んだのだ。

最多得票でのMVP選出、文句など出るはずもない。

第4節のMVPに輝いたのはイリューシン。あきらめを知らないヒーローに、惜しみない称賛を送りたい。




ペナントレースの詳細やおんJ天鳳部については、以下のリンクからご覧ください。


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