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響く叫びは鬨(とき)の声 "かわいい"こそ最強だと知れ -アイScream(おん天スポーツ特別編)

・反旗

これまでペナントレースに参戦してきた各チームには、必ずと言っていいほど1人は"イニングイーター"と呼べる選手がいる。定時ケエリタイガースであれば副オーナーの銀河に喝、昨季までのアッスの子供が生まれたーズならセキネコがそうだろう。頭のりたま下痢雷電(現:点棒配りおじさんズ)はオーナーのミルモンヌと新エース・超獣ぎがが揃って奮戦した。

出場できる選手が少ない時、数をこなしてくれる選手が1人いてくれるだけでどれほど助かることだろう。オーナーとしてはこういう人材を確保しておくことで、長く続くリーグ戦をある程度計算しながら戦うことができる。

昨季までの2季、魚にはイリューシンがいた。「イリュイリュ雨イリュ」と形容された登板数。安定した成績を残す彼が多くの対局で登板してくれることで、元オーナーのゴンゴンダンスは助けられたはずだ。

にもかかわらず、今季の魚のチーム編成に彼の名前はない。それどころか、異なるチームのオーナー欄にその名がある。

『アイScream』

「"魚"ってチーム名がかわいくない!」という言葉を残して、彼は反旗を翻した。

2020シーズンの最多登板選手でもあった。


・自立

とはいえ、オーナー職は3年半前のオータムドラフトが最後。3回経験しているものの、長期戦におけるチーム編成のノウハウがある既存4チームに対し、ゼロからの形づくり。そう簡単なことではない。

ドラフト当日は新規参戦チームの特権を駆使して有力選手を獲得。ラキシス、Q&Aの2人を上位で指名し、以降はイリューシンのお眼鏡にかなった選手たちが選ばれた。新チームの副オーナーには昨季、下痢雷電で活躍したナウチカが就任。同じく下痢雷電の優勝に多大な貢献をしたとたん屋根や、かつて魚でチームメイトだったおもちゃ箱と竹本も入団。実績十分なプニキと、オーナー同様三麻特上民のたいしらちゃんも加入した。

全体的なバランスもよく、四麻も三麻も戦える面子ばかり。にもかかわらず、前評判は低かった。所属選手以外の順位予想では軒並み4位以下ばかりだった。

結局、その予想は序盤においては正解だった。長らくBクラスに沈み、第7節では2位になるもすぐに順位は降下。なかなか勝ち切れない対局も多く、調子を上げてきたアッスチームに追いつかれそうになったこともあった。

しかし、徐々に潮目が変わり始める。

天鳳部員にはおなじみの選手たち。途中から白井一行もここに加わった。


・価値ある"勝ち"

開幕戦であるスクランブル戦で優勝したたいしらちゃん。3回目となるスクランブル戦(トライアスロン)でも優勝し、史上初となる同一シーズンスクランブル戦2勝を達成した。これは弊紙の過去の記事でも取り上げている。

それに触発されたかはわからないが、リーグ戦ではプニキが躍動。第7・9・11節でそれぞれトップを獲り、初の個人3連勝を達成。新規参戦チームにお似合いの初物づくしの記録で、順調にポイントを増やしていった。

第9節では2位のおじさんズから4位のアイScreamまで5.8ポイント差の激戦。第10節で50ポイント近くマイナスしたが、2人の活躍で一気に200ポイント台に。首位をひた走っていたケエリタイガースが第11節で後退し、おじさんズもポイント増加が小幅だったこともあって、ついに2位にまで順位を伸ばした。

もちろん、プニキとたいしらちゃん2人のおかげだけではない。

下痢雷電からやってきたとたん屋根は、四麻では2-1-2着で安定感を示し全連対。特に第6節での62.4ポイントを稼いだトップは大きかった。リーグ戦ではずっと苦しんでいるQ&Aも第7節で汚名返上のトップ。ナウチカも交流戦で貴重な30ポイントを持ち帰った。

好調な選手が勝ち切る麻雀を打つ一方で、堅実にポイントを減らさないように打ちまわす選手の活躍も注目したい。

第11節で今季リーグ戦初登板となった竹本は、アッスチームの岡田レイの"幻惑麻雀"に翻弄され、最後は3着に落ちたものの粘りの麻雀を見せた。オーナーのイリューシンも、ラスを引かない麻雀で収支はプラス圏を維持。強みは生き続けている。

ただし、懸念材料がないわけではない。

チーム全体として四麻は好調だが、対して三麻ではトップがないうえに3ラス。最下位のアッスチームよりも戦績は芳しくない。収支制においてポイントを大幅に増やせる三麻は、後半戦においては天王山となる可能性が高いため、ここの改善は急務だろう。イベント戦に偏った獲得ポイント数も不安の種。リーグ戦では勝てる対局を順当に勝てるようにしていきたい。

それだけではない。ドラフトでは1位指名されたエース級雀士・ラキシスはリーグ戦での登板が0。さらにオーナー・イリューシンの登板回数が今季も増えており、オーダー面に不安は残る。

チーム内での選手間の好不調の差も気になる。各選手の調整力が問われる。

4番DH男プニキはアイScreamのエースと言っていい存在になった。


・味わったことのない勝利の美酒を

話は冒頭の出場試合数に戻る。多くの対局をこなし、かつ成績もオーナーの信頼を得られるほどのものを残したイリューシン。そんな彼も、天鳳シリーズという舞台にはついにありつけなかった。

オーナーになって、自分でチームを作って。前半戦を戦って2位につけた。もし後半戦もこの順位を維持すれば、まだ彼の見たことのない場所で戦うことになる。

熱望しても、活躍しても、たどり着けない場所。

だが、今季はそこに行けそうなチャンスが巡ってきた。自らの手でその可能性を切り拓き、ともに戦ってくれる選手たちと、それを手繰り寄せている。

視界に入っていながら、つかみ取る権利すら得られなかった優勝。

一度味わえば病みつきになる"勝利の美酒"。その味を彼らも知ることになるのか。


"かわいい"と"強い"を両立させる唯一無二のチーム、アイScream。いまこそ叫べ、己を奮い立たせるために。



ペナントレースの詳細はこちらからご覧ください。アイスは爽が1番好きです。


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