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ペナントレース日報 特別編(コラム) 受難の前半戦 奇跡は起きるか -頭のりたま下痢雷電ファイナル未進出-

・目立たぬ『独自路線』

シーズン開幕前、開かれたチーム編成会議で、下痢雷電のオーナーは『独自路線』と言ってもいいであろう指名を行った。

定時ケエリタイガースからナウチカ、魚からおもちゃ箱、アッスの子供が生まれたーズから洗いたてのシャツ。

他3チームが過去の実績や前年度の成績で有名選手を補強する中、その陰に隠れるように選手を指名した。もちろん、この3選手も引き抜かれるに足る実力の選手である。

中でもナウチカは、2020シーズンは"飛翔王"と呼ばれるほど飛び回数が多かった。だが今季、すでに4戦出場して2トップ。特に第4節の7万点近いトップは、まさに「麻雀は爆発だ!」を体現したものだ。

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おもちゃ箱は3着4着と推移しているが、今季初戦の3着はプラス終了。ラスも不運な展開に泣かされてのもので、それほど気にするようなものではないだろう。

洗いたてのシャツはシーズンこそ不調だが、スクランブル戦では決勝卓に進出して勝ち点を持ち帰っている。オーナーが信じた彼らのポテンシャルに、応えられているといっていいだろう。

さらに特筆すべきは、今季初参戦の超獣ぎが。四麻4戦3トップは、もはや下痢雷電の新エースと言っても過言ではない。同様に内川畜一も、四麻では4戦2トップで連対.750。十分な活躍である。

・誤算

チームにとって最大の誤算は、既存戦力の不振だろう。昨季から在籍の選手がとったトップの合計はわずかに2。2着以上を含めても6回。ワイルドカードによる条件戦を考慮に入れるとして、これをどう考えるか。

全連対で注目をかっさらったエースが不調になったら、というたらればは、選手名鑑でもふれたとおりである。

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麻雀は、完璧に打ちまわしても負ける可能性のあるゲームである。頑張りが報われない状況が続くために、単純に不調だと言い切ることは難しい。それでも打てる手はどんどん打つ、という積極性が、"蜘蛛の糸"をつかむことにもなりうるだろう。

オーナーの采配にも注目となる。

・ドラマを起こしたじゃないか

話は2020シーズンに移る。後半戦に快進撃を見せた魚に、2位の下痢雷電は最終節開始前、勝ち点差わずか1ポイントに迫られていた。いざ試合が始まると、3回戦まで魚がトップで推移。それでも最後はオーナー自らの手で、天鳳シリーズ進出を決めた。

天鳳シリーズも、3戦連勝で王手をかけてから連敗。しかし6回戦。亜鉛めっき(トタン屋根)の三倍満で勝負は決まった。シーズンからシリーズに至るまで、彼らはドラマの中の主人公だった。

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追い詰められても勝った。そして駆け上がっていった。それを見ていたからこそ思う。前半戦は雌伏の時間を過ごしていたのだ。なにかきっかけさえあれば、スッと頂点まで行ってしまうかもしれない。それをつかめてなかっただけなのだ。

あえて言わせてもらうが、下痢雷電が優勝する可能性は高くない。だが、ゼロではない。たとえ1パーセントでも可能性があるなら、それにフルゼンツしていくしかない。私に言われるまでもなく、彼らはそう思っているだろう。

奇跡を起こせるんじゃないか。いや、起こせると期待したい。彼ら以外に下痢雷電を応援する人間が、少なくともここに一人いる。後半戦の日報一面が下痢雷電一色になることを楽しみに、用意した見出しと記事を温めておく。


頭のりたま下痢雷電。今季も、ドラマの主人公であれ。

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