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魚が最高の出だし ノーラス2トップでマホメッツをとらえる -天鳳シリーズ初日

リーグ戦Aクラスの3チームに、プレーオフを勝ち上がったアイScreamを加えて、第3回目の優勝チームを決める「天鳳シリーズ」が11月26日から始まった。

初日となった今回は、魚が2トップかつラス無しの3連対で一挙100ポイント以上をプラス。他3チームがポイントを減らす中で独り勝ちし、首位に立って最高のスタートを切った。

一方でとっとこマホメッツはトップこそあったものの、痛恨の2連ラスで王座を明け渡すことに。17.7ポイントと差は小さいものの、前回記事でも書いたようにネコアルク以外の状態が懸念材料である。

次回は12月3日に開催される予定。

各チームオーダー


・攻守に実力光った桜小路才華のトップ イリューシンまさかの3着でガックリ -1回戦

わずか2度の和了でトップに。攻めも守りも抜群の戦いぶりだった

1回戦は桜小路才華(定時)が勝利。東1局に原爆(かにぱん マホメッツ)に放銃するも、東2局の5800、南1-1の7700で復活し2着目に。
トップ目だったイリューシン(アイス)が南2-1に満貫、南3局に2600と立て続けの放銃で2着に転落。彼と入れ替わりでトップ目に立つと、そのまま対局は終了した。

梅野隆太郎(魚)は桜小路への7700放銃で窮地に陥るも、イリューシンからの連続和了で再び2着争いに舞い戻り、最後は1000-2000ツモで逆転に成功。原爆をラスに落とし、ベストではないものの理想的な形で対局を終えた。


・リーグ戦の勢いそのままに 胡瓜泥棒が南場に猛チャージでトップを勝ち取る -2回戦

決定打となった南3-2のあがり。オーラスも自身のあがりで勝負を決めた

各家から和了が飛び出すも、胡瓜泥棒が火力で圧倒。対局開始早々に連続放銃などで点棒を減らすも、東2-1にとたん屋根(アイス)から満貫を和了して復活。南場からは満貫、7700と和了を重ねてついにトップ目に。オーラスの自身のあがりで逃げ切った。

序盤に3連続和了でトップ目で推移していたそろいれ(マホ)は以降和了に恵まれず、親かぶりやノーテン罰符での支出が多く我慢の時間続いていたが、南場に泥棒への2放銃でラス落ち。おはDポテト(定時)に2着を献上するなど、チームとして2戦続けてライバルを利するラスを引いてしまった。


・副オーナーが意地を見せる ネコアルクが強烈な一撃で他家を打ち砕いた -3回戦

激闘も拮抗した展開。底に割って入ったのがネコアルクだった

対局が始まってすぐから白井一行(アイス)、どんえ~ん(魚)、銀河に喝(定時)の和了合戦。東4局に銀河が白井から7700をあがって抜け出たように思われたが、直後に親番となった白井が満貫ツモで再逆転する。

大きく点差のつくことのない展開で、ここまで沈黙していたネコアルクは南3局の親番で唯一となる満貫ツモで一躍トップに。以降は点棒の動きはわずかでそのまま終了し、ネコアルクが連ラスのチームに貴重なポイントを持ち帰った。


・攻撃的麻雀マニア歓喜の1戦 制した恵体凡投は倍満が決め手に -4回戦

親番での倍満は強烈。これが最後まで効いた

そらまる(定時)、ナウチカ(アイス)が見せた激闘。攻撃に振り切った麻雀はかくもおもしろい。それを抑え込んだのは恵体凡投(魚)の冷静さだった。

東場からナウチカが3和了とエンジン全開。そらまるが3放銃で沈んでいく中であがりを重ねてトップ目に立つが、そらまるも東3-1に2000-3900で復活。しかし東4-1、親番の恵体凡投がそらまるの2度のカンも味方につけた倍満ツモで大差のトップに浮上。そこからも他家の和了合戦に落ち着いた対応を見せ、最後まで逃げ切りに成功した。

ホモ(マホ)は出遅れたものの、南場最後の4局で25000点を稼ぎ出して2着で終了。最悪の事態を回避して2日目につなげた。


・天鳳シリーズ初日終了時点のチーム順位とポイント


・Play of the Day -Presented by Ryutarou Umeno

弊紙で観戦記者としてペナントレースをウォッチし、選手としても活躍する魚・梅野隆太郎氏が送るこのコーナー。

第34回目となる今回から天鳳シリーズ編に突入。取り上げたのは魚の恵体凡投選手のプレー。


おん天スポーツ観戦記者です。

レギュラーシーズンのうちに記事にしていたと思っていたのですが、なんとおんJ天鳳部屈指の人気選手・恵体凡投選手を記事にしていないことに気付きました。

シリーズ初日、見事なトップを飾った恵体凡投選手に注目してみましょう。

 
恵体凡投選手がこのゲームで目立ったのは8000オールの和了でしたが、その他の局面では「他家の仕掛けに対して危険な牌を早めに逃がす」プレイが光りました。

対戦相手のナウチカ選手・そらまる選手が派手に仕掛ける展開になっていたため、なおさらその重要さが際立ちます。

 
まずは東4-2、すでに対面のそらまる選手が発・中を仕掛けています。

1sを引いてきたところで、恵体凡投選手は456の三色を見切りペンチャンを採用。

ここでそらまる選手に危険な6pを切ってしまいます。

この後白を引いてきて白単騎リーチをするのですが、この6pを切り遅れていると6p・白2枚を切り切れず聴牌を取れなかったのではないでしょうか。

 
南1-0も、仕掛けに対して危険度の高い牌を先に逃がしました。
白・9sとポンしたナウチカ選手の仕掛けは9sポンで7s手出し、次に4mが出てきます。

ホンイツなら7sと4mの切り順は逆の可能性が高く、これで放銃時に高くなりそうな牌は赤5sよりも中になるでしょう。

そのため234mチーの時点で先に中切り。

もちろん、自分が赤5sを使いたいという意図もあるでしょう。

次巡も赤5sより先にドラそば3mをツモ切り、これが結果的に5s縦引きの5200和了につながりました。

 
南3-0は対面・そらまる選手が、筒子の中張牌から切り始める強烈な仕掛けを入れます。

それに呼応するかのように、上家の親・ナウチカ選手や下家・ホモ選手も仕掛けていきました。

そらまる選手が裸単騎となり、親のナウチカ選手もタンヤオに見えるチー。

ここで安牌の1pではなく2pを切ったのが見事でした。

瞬間2pは親のナウチカ選手や下家・ホモ選手に当たりうる牌、1pはナウチカ選手が中暗刻でない限りまず刺さらない牌です。

対面・そらまる選手への1p放銃なら1300点、むしろ大歓迎でしょう。

しかしここでぎりぎり2pを逃がすことにより、もっと危険なナウチカ選手の2副露後に2pを切らず七対子の聴牌をとることができました。

自身がすでに2pを切っており七対子ならフリテンになってしまう事情もありますが、この1巡で2pを切れていなければ聴牌をとれていたか怪しいところです。

 
コロッケ選手の活躍により、シリーズ初日は魚が首位奪取という形で終わりました。

しかし残り8戦、上位3チームの順位がまためまぐるしく入れ替わる可能性もあります。

最後に頂上に立っているのは、一体どこのチームになるのでしょうか。


【記者紹介】梅野隆太郎

アッスチームに2年間在籍し、今季から魚に入団した現役選手。ンゴンゴ杯では6度の優勝を誇り、ヨンマ・サンマそれぞれで連覇も記録している。ペナントレースでは2021シーズンにおいて最多ポイント、個人最高得点、天鳳シリーズMVPの三冠を受賞した。
また、雀魂の大会にも多く出場。天鳳部のみならず活躍の場を広げている。


・Man of the Match -週間MVP

前回からポストシーズンに突入したおんJ天鳳部ペナントレース。最初の週間MVPを獲得したのは、プレーオフのアイScreamを引っ張った"お祭り男"たいしらちゃんだった。


圧巻圧倒圧勝。7回のあがりのうち、5回が8000点以上。天鳳シリーズに向けて強烈なインパクトを残した。

リーグ戦は四麻で好成績をあげたものの、主戦場としている三麻ではトップがなく2回のラス。それでもスクランブル戦で2勝し、チームへの貢献度は高かった。

しかし、プレーオフは三麻戦。いくらイベント戦好調とはいえ、ずべてマイナスで終えているリーグ戦の戦績を見て、勝つのは簡単ではないと誰もが思っていただろう。

加えて、アイScreamが置かれた状況は厳しいものだった。リーグ戦4位の点棒配りおじさんズとの差は決して小さくないうえ、おじさんズはここまで初戦でラスを引いているものの、1回でもトップを獲れれば勝ち抜けはほぼ確実な情勢だった。

そんな状況で、ラキシスからトップでバトンをもらい受けたたいしらちゃん。文句なしの結果で応えてくれた。

後がなくなっていたアッスチーム・アラフォー賢者からの倍満和了
倍満に続いての三倍満ツモで勝負はほぼ決まったようなものだった

見どころはどこかと聞かれれば、すべてだと言えるだろう。たいしらちゃんの活躍もさることながら、トップに全力な邪神ニキ、奇跡を最後まで信じて戦うアラフォー賢者の闘牌があったからこそ、このトップがより際立つ。

敗北が許されない対局。段位戦やほかの大会とも異なり、ひとつひとつの結果が大きな意味を持つ。

だからこそ、たいしらちゃんの10万点を超えるトップ、100ポイント超をアイScreamにもたらしたことは大きな出来事だった。

天鳳シリーズへの切符をつかむために。奇跡を巻き起こした戦士たちの中でもひときわ輝くトップを獲ったたいしらちゃん。彼の活躍に惜しみない称賛を送らせていただきたい。


ペナントレースの詳細やおんJ天鳳部については、以下のリンクからご覧ください。


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