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劇団文机と熊『茱萸(しゅゆ)の酒』稽古見学

先日は劇団文机と熊さんの『茱萸(しゅゆ)の酒』の稽古を見学してきました。

稽古中の風景。魚水幸之助さん(右)と和氣音和さん(左)

劇団文机と熊『茱萸(しゅゆ)の酒』
2024年2月23日~25日
劇場 大阪市立芸術創造館 大練習室

あらすじ
物の怪退治を生業にする三人組。今日も今日とて仕事道具のはずの魔除けの酒で酒盛りの彼らの元に思わぬ来客が現れる。1人の少女が親の仇を討って欲しいと頼み込んできたのである。

天下国家は置いといて、劇団文机と熊第4回公演は少し渋めに物の怪退治をお届けいたします。

劇団公式Xより

詳しくは公式X(旧 Twitter)をご覧ください

主宰の木下航さんのことは大学生の頃から知っており、前進劇団の熊の宅急便企画の時から「面白い作品を作られるなぁ!」と思っておりました。演劇だけでなく、映画などの作品を見る目も鋭く、お話ししては勉強になっております。

今回の稽古は冒頭、主役と思しき2名の出会いのシーンと、中盤、そしてラストシーンの稽古をされていました。

文机と熊 主宰であり今作の作演出を担当される木下航さん(手前)

一番試行錯誤できる時期

今はまだ稽古も始まったばかりでもあり、木下さんの中に役に対する明確なイメージがありながらも、出演者の方々発信の演技も検討しつつ、イメージのすり合わせを行われていました。言葉が早いので、かなり充実した時間が流れています。時には例として映画の作品名も挙がり、映画好きの筆者としても興味がノッてきます。

時間配分にも気を使いながらも、「時間をおいて頭の中を整理してからもう一度このシーンをやってみるか、とにかくやってみるか、どちらがいいですか?」と出演者のやりやすいように稽古の進め方をゆだねるなど、さすが作品作りの経験が豊富な方だな、と感じました。

余白を重視した渋めの妖怪エンタメ

今回はかなり台詞も間を開けて話すように指示されていた木下さん。普段他の、往々にして芝居のテンポは速めのエンタメ作品に出演されている役者さんが多いようで、かなり戸惑われているようでした。でも木下さんが試みられていることのすり合わせがよりよく進めば、とても見ごたえのある作品になると思いました。
2月23日~25日の本番、今から楽しみです!

以下印象に残った言葉のメモより
・わらかんことは試す
・ダメ出しを一々書いてても、自分のビジョン以上のものは出来上がらない
・台本に演劇プランを書くなら「ここでフックがあってそれが次のこの台詞でこう作用して……」と全部逐一書くべき
・演技に「(話し相手への)押し」があったほうが「やりとり」してる感が出る
・旨の前に桶があり、そこに声を響かせるイメージで(話してみてください)。それで十分聞こえる。
・または、顔の前に板があり、それを(声)全体で(ゆっくりと)押すイメージで(話してみる)
・状況が変わる⇒心拍が変わる/(雰囲気が)ぴりつく⇒(言葉の)テンポが変わる
・集中:(物語上の)背景(周囲の環境)を思い浮かべる⇒ともにいる役のことを、自分の役がどう思っているか、を思い浮かべる⇒できたら手を挙げて演出に知らせる
・台詞の大切なことは「それを言ってどうしたいのか?」
・「感情を表現しようとしているなら、しなくていい。心を「置いておく」
・音楽に乗らなくていい。音楽に乗る、というのは、「拍をとりすぎる」こと

以下稽古場でのお写真


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