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#バチクソにカッコいい女の子を寄こせ杯 感想

 どうも、noteの使い方がイマイチ安定しない八雲 辰毘古です。

 色々書いてみようやってみようと意気込んではみるのですが、長続きしない。これはnoteに限った話ではないのですが、どういう発信がフィットするのか、なかなか模索中です。

 そんななか、本日は「競作企画に参加したよ」のご報告と、その作品たちの感想記事を掲載します。よろしくです。


#バチクソにカッコいい女の子を寄こせ杯

とは、そもそもなんなのか?

神崎 月桂/文詠(@kanzaki_narou)さまが主催する『小説家になろう』における匿名競作企画です。

『バチクソにカッコいい女の子を書こう』というコンセプトの元で
匿名で字数3200~4000字の短編をみんなで書こうという企画です

神崎 月桂『バチクソにカッコいい女の子を寄こせ杯』
企画概要より

遊び方(参加方法)は…

☆参加方法
Google formにて作品投稿フォームを設置し
作品の投稿をもって参加とします
運営上の連絡を行うためにX(旧Twitter)のDMが
使用できるようにしていただけますと幸いです

☆作品について
『小説家になろう』上にて掲載を行います
空白・改行含まないの字数で3200〜4000字
投稿の都合R18制限にひっかかる描写は禁止とします
掲載順は匿名性保持のためシャッフルを行います

☆投票について
投票期間中Google formにて投票フォームを設置します
投票数については作品数によって変動とします
~10作品:1票 11~20作品:2票 21~30作品:3票 以下同様
参加者の方は必ず投票をお願いします
自作品への投票も可です

☆企画用ハッシュタグ
#バチクソにカッコいい女の子を寄こせ杯

同上

投票先はこちら(〜7/14まで)

八雲、感想書きます!

 基本投票、なんですがせっかく参加した以上盛り上げたい! ので!

 以下に感想とか雑感とか色々書いていこうと思ってます。
 せっかくなので八雲にどうブッ刺さったかのかも採点基準と称して載せます。嫌な方はそーっと無視してください。

採点基準(複数・5段階評価)

 今回評価を難しくしているのがなにが「バチクソ」でなにが「カッコいい」のか、てことですね。

 突き詰めると個人の好みじゃん! てなるのをグッとこらえ、あえて採点という形を取ります。

 理由は特にないけど。

 ただ、ひと言で「カッコいい」というのを、あまりに"個人の感想"に集約するようなのはわたし自身好みに合わないのです。

 実は──

 こと小説を初めとするストーリーコンテンツにおける「カッコいい」ていうのは、実はある程度方程式化できると思っております。

 いわく、

・キャラクターが立ってる
・見せ場がある
・生き様や考え方に憧れる要素がある

 と言った感じ。

 わたしが今回作った評価基準はこれだ!

ヒロイン:

・ヒロイン自身に存在感があるか(※名前と行動主体が一致すれば原則加点)
・ヒロインの属性、性質的なものに際立つ特徴があるか(※テンプレでも印象値が高ければ加点)
・ヒロインがきちんと自立してるか(ヒーローや脇役の方が目立ってないか)

演出:

・ヒロインの見せ場があるのか
・見せ場でヒロインのカッコよさを際立たせられているか
・内面独白以外の手法でヒロインのカッコよさを演出できたか(技巧点)

完成度:

・短編としてお話を完結させる意志があるか
・エピソードやストーリーテリングに、(演出を妨げない範囲で)過不足はないか
・結末部分の味わい深さは達成できているか

ヘキ度:

 これは八雲の性癖(好み)にブッ刺さったかどうかの指標です。

 単純指標でいうと、

・行動的かつメンタルが強いこと
・性別に縛られていないこと
・振る舞いやオーラが突出していること
・内面や感情表現を抑えた"脆さ"があること

 ただ、めんどくせーんですが、「自己犠牲」的なのはヘキ度としては減点です。
 あっ、と思った方……ご縁がなかったと思って許して。

 上記の指標をもとに、各作品感想して、総評を書きます。

 それでは、レッツゴー!

各作品への感想

01 族滅姫は復讐を誓う

感想

 男装の令嬢、用心棒稼業の貴種流離譚、武侠もの……この企画を聞いた時に真っ先に連想した全ての要素を搭載しています。

 中華武侠ものはこの手の「バチクソかっこいい女の子」の宝庫ですね。ええ。わたしも金庸大先生の書く美少年美少女にドキをムネムネさせられましたとも。
 アクションを描く手つきも、こやつ手練か、と思わせるもので、体言止めのリズムの良さや内面に深入りせずにアクションや台詞の行間で心理を読ませるワザマエ、拝手叩頭ものです。

 ただ、唯一の瑕疵は、明らかに壮大な物語の序章である、ということ。
 これほどのストーリーテリングだと、いざ長編となっても耐えられる設定と演出力ではありますが、あいにく今回は短編企画なので減点対象。ここはざんねん。

評価
・ヒロイン:★★★★★
・演出:★★★★★
・完成度:★★☆☆☆
・ヘキ度:★★★★★

02 翼狼騎士の彼女の涙は、僕しか知らない

感想

 翼狼騎士アルバの存在感と強さを見せつけて、目線主人公のほうに寄せてドラマを作る手つきは、なるほど美味しい。
 全編通してアルバの生い立ち、アルバの性格、そしてアルバの生き様を描写し、わたし自身このヒロインのカッコよさは頷ける。

 ただ。

 妙に目線主人公のスイも存在感があって、ヒロインのカッコよさがイマイチ印象に残らない。企画のコンセプトに対して、ギャップ萌えを狙ってるところも少なからずある。なるほど「バチクソにカッコいい"女の子"」なんだな、とアクセントが後ろにつくんだな、という感じがあったのでした。

評価
・ヒロイン:★★★★☆
・演出:★★★☆☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★★☆☆

03 乙女ゲームのヒロインに転生して王子様と将棋で戦ったら求婚されました 〜あなたも転生者でしょ!〜

感想

先に言っておくわ。私は研修会に所属していた女よ!

 この時点で筆者は爆笑した。すでになんでもありなのだが、もうここまでくると突き抜けている。その期待は裏切らず、どこまでも型破り進んでしまい、最後は世界まで救ってしまう……ていうか、それでいいのか?!

 困ったことに、これはヒロインがカッコいいとは、言いにくかった。この手の転生ものの弱点でもあるが、「わたし」とレベッカが別人のように見えてしまい、〝カッコいい〟の対象がブレてしまうのが欠点。相手役の王子もけっこう存在感あって、名前と顔がイマイチ印象に残らない。
 ただ作品が示した態度の型破り加減がバチクソにカッコよかった。

評価
・ヒロイン:★★☆☆☆
・演出:★★☆☆☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★☆☆☆☆
作品のカッコよさ:★★★★★

04 さいごの夜

感想

 生贄。人柱もの。その運命を前に、宿命を知り、受け入れる態度──これを「カッコいい」と言ってしまってよいのかどうか。ここは好みが分かれるポイントです。
 運命に抗う人間のほうが、わたしは「カッコよく」見えてしまうのですけれども、それこそ好みの問題です。ラストで覚悟が決まっている様子はこの企画に相応しい威風があって、そこはプラスでした。

 ただ、話の都合などで気になる点も。

 まず肝心のヒロインの名前が最初に出たっきりなのでイマイチ印象に残らなかった。そして生贄の因習が形骸化してるのがわかっててあえて敢行する村の空気が、どこか冷めてて〝設定〟的に感じたこと(結局生け贄っていうけどこの主人公はほんとうに犠牲になるの? ただ山に放置されるだけなんじゃあ? それもひどいけども、て気がしてしまう)もある。
 テコ入れするなら、儀式や因習にかこつけて口減らしをする、くらいの人間的な描写があってもよかった。でないと主人公のした覚悟が何のためなのか、引き換えにしたものがあまりに軽く乗せられた感じがしてそこが不満だった。

評価
・ヒロイン:★★☆☆☆
・演出:★★☆☆☆
・完成度:★★★★☆
・ヘキ度:★★☆☆☆

05 聖印騎士団長ヴァチアの侵略。

感想

 ヴァチ糞は草。そういえば『バチカンのエクソシスト』もバチクソですね(ヤケクソ)。

 この手の企画で出ると思った女騎士もので、悪人ヅラの商人に育てられた、毒花呼ばわりの女騎士団長、設定は上々です。
 ただ、なんというか毒とかヴァチ糞とか、悪の豪商とかも、設定だけだったのかな、て気もしてます。もちろんこの手の設定はドラマでひっくり返すことに味が出るのですが、短編の都合上、もうちょっと間が足りないという感じです。ヒロインもたたずまいと言葉遣いはカッコいいけど、リーバ義父に肝心の最後のキメを取られた感じもあって、勿体無さを感じました。

 あと、ヴァチ糞の説明も本編に比してテンポが乱れるので、兵士に言わせるだけに留めて行間は読者に委ねたほうがいい。字数の使い方はもう少し検討の余地を感じました。

評価
・ヒロイン:★★★☆☆
・演出:★★★★☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★★☆☆

06 友達とお化け屋敷ではぐれたら、ホラー耐性つよつよギャルとマッチングした話

感想

 お祓いギャル、いいですねぇ。

 なーたんのキャラ付け、視線主人公から見た時にほんらい〝美味しい〟はずの場面をあえてオミットする姿勢はたいへん素晴らしい。全体的にライトノベルの定型を抜け出してはいない(ギャル、というテンプレの踏襲や、?や!の多用と会話基調のストーリー展開、など)ものの、文体は一環した配慮に基づき安定していて、テクニカル点が非常に高いです。

 ただ、ひとつだけ。

 しばらく立ち止まっていると、どこからともなくゾンビの格好をしたお化け役が飛びかかってきた!

「ヴァァァー!」
「イヤー! ごめんなさいごめんなさい! みんなといっしょなら楽勝とか調子乗ってごめんなさいぃぃぃー!!!」

「ちょっとぉ」

 パコン、とゾンビ役の人が後ろから殴られた。

 ここだけ視点主人公の目線なのか、ゾンビ役の人なのかで読みがブレたので、もっと主人公寄りの目で、「ギャー! ゾンビ!」とか地の文で言わせたほうがよかったかも、て思ってます。急に客観(冷静)になったので緊迫感が弱くなっていましたね。
 全体的に好印象である点は変わりないです。

評価
・ヒロイン:★★★★★
・演出:★★★★☆
・完成度:★★★★☆
・ヘキ度:★★★☆☆

07 女王様を追いかけて

感想

 ヒロインは演劇部ガールです。本企画、全体的に異世界ものが多く(それだけバチクソヒロインが〝ファンタジー〟であることの裏返しなのでしょうか)、本作は企画全体を見たとき珍しい現代物にあたります。

 演技に没頭する女子がカッコいい。姫川亜弓ネキを始め、みなさんよくご存知ですよね! そんなのオセアニアじゃ常識なんだよ!

 目線主人公の「俺」くんがカメラに徹してくれたおかげでちゃんと氷川さんが立っていることも高評価ポイントです。
 唯一の瑕疵は、続きが気になるから短編に見えないことでしょうか。

評価
・ヒロイン:★★★★☆
・演出:★★★★☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★☆☆☆

08 メイドは硝煙のドレスを纏う

感想

 戦闘メイド(ガンアクション付き)は、誰かがやるだろうと思ってました。期待通りでした。

 アタッシュケースから、メイド服から飛び出す武器の数々は、あえてヘキに振り切る作者のガン決まりの姿勢も垣間見え、カッコいいですねえ。
 唯一、ガーターベルトに仕込み刃は……アッハイ、失礼いたしました……

 設定とか世界観とかはもう少し掘り下げがあってもいいかなとは思いました。アクションに振り切りすぎて、少しお話としては物足りなかったかも、というのは正直あります。

評価
・ヒロイン:★★★★★
・演出:★★★☆☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★★★★

09 不遇な皇帝とお飾り妻の物語

感想

 可愛いってなんだっけ……てなる作品でした。

 これよくよく読み込んでみると(人形みたいな)少女なのに、豊満なんですね。おまけにバチクソカッコいいんですね……作者の性癖エゴイストぶりが炸裂していますね。
 お話はまさにここに落着するために作られているので、それ以上もそれ以下もないんですが、話を盛り上げるために出てくる反乱だったり処刑(未遂)シーンだったりが、少し段取り臭かったのは惜しかったです。この手の進行はもうちょい粛々やれよと思うわたしは、起爆装置を押してから種明かしをする悪役です。

 この作品オリジナルなのかは分かりませんが、最高に《バチクソ》とルビを振るセンスは天才ですね。広辞苑に載せてください。

評価
・ヒロイン:★★★★★
・演出:★★☆☆☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★☆☆☆☆

10 憧憬の音

感想

 ドラムガール! 企画では珍しい現代物です。

 ドラムを打つからバチ……アッハイすみませんでした。
 お話そのものも早川冬美を際立たせるための段取りになっている都合上、過不足は特に感じません。ただ、連載第1話かも? てところは正直あって今後(文化祭とかコンクールとか)もっとバチクソかっこいいを味わい尽くす場面が、展開上ありえるのではという予感もありました。

 書かれたものの範囲で言うと、ひと通りは不可ではないという感じでした。

(自転車で15分はけっこう遠くない? ていうのと、10kmランニングはやりすぎてない? ていう二つはややツッコミどころ)

評価
・ヒロイン:★★★☆☆
・演出:★★★☆☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★☆☆☆

11 サイレント・リリィに口づけを。

感想

 アダルト雰囲気をまとったミステリアス・ガール……わたしのヘキに刺さります。
 アイドルはそこまで好きじゃないんですが、欅坂46で平手友梨奈が踊ってるのはマジで良いなと思ってます。そんなビジュが思い浮かぶようでした。

 数少ない現代物。夏の情景はひたすら美しい。クライマックスはほとんどポエムですね。わたしは嫌いじゃないですよ。
 ただまあ、冒頭のフレーズと最後のフレーズがうまくくっつけてるようでチグハグな感じを受けました。もうちょい長くなる予定があったんだろうか。短編としてはツメツメな感じもありますね。

 ヘキだけどな!!

評価
・ヒロイン:★★★★★
・演出:★★★★★
・完成度:★★☆☆☆
・ヘキ度:★★★★★

12 時戻りの悪女は戦場を行く 〜全てを滅ぼして、嘲笑って、救ってあげましょう〜

感想

振るうのは淑女の嗜みとして持つ鉄扇。

 そうですね! 鉄扇は淑女の嗜みですね!

 実はこの手の「悪女(魔女)」、「聖女」と言う肩書きでキャラを作る話はあまり得意ではありません。
 おっとオマエ何言ってんだ? て言われるかもですが、なんつうか「わたし魔女だから幸せにはなれませんわ」的なのって、ほんとにー? てちょっと思うところがあって。

 思えばこちらのほうがまどマギっぽいところがありますね。ほむほむ的な、運命に抗うための自己犠牲モード。ヘキがうかがえます。
 最後の時戻りのギミックが話にエモさを足していて、そこはたいへん美味です。

評価
・ヒロイン:★★★☆☆
・演出:★★★★☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★☆☆☆

13 僕と殺戮の魔女

感想

 タイトルに反して、今回のヒロインは頭脳派です。意外なことにこの手のやり手ヒロインはこの企画内では珍しい部類に入ります(詳細は後ほど)。おまけに強い。文武両道!

 一見頭脳派に見せて、どんどん尻上がり的にヒロインの凄さを見せていく手際は、こなれてらっしゃる。改行のセンスも独特のものが見えます。
 このヒロインに惚れ込む主人公──おまえ、ひょっとしてヒモの才能が……?

 で、やっぱりというか、悪い癖なんですが、補助金とか学園の長期休暇とかいうワードになんか引っ掛かりを覚えてしまう。まあそれは今回の作品の評価には関係ないのですが……

評価
・ヒロイン:★★★★☆
・演出:★★★★☆
・完成度:★★☆☆☆
・ヘキ度:★☆☆☆☆

14 Nameless squad

感想

 アンドロイドもの。遠未来SF、いいですねえ。かつてSF警察だった記憶が蘇ります。

 まあ、その観点で見るとけっこう論点がずれてしまうので適当にしておきたいんですが、どうしても。どうしても言いたい。
 そのお、あのお。
 ほんとうに、ほんとうに言いにくいんですが、現今大量のデータを保管するのはサーバールームではなくてデータセンターです……別物なんです……いまはクラウドの時代なので……その……金融の顧客情報扱う基幹システムとかでない限り、外部のネットから電子遮断したサーバールームはないと思います……ましてやサーバールームを爆破しちゃったらアウトです。もうシステム動かなくなっちゃいます……

 ほか、インフラ設備がほんとにそれでいいの?(冷却装置の近くに発電プラント?)ってところがあり、これを構築した責任者呼び出したくなります。人類、宇宙生命ではなくITリテラシーのなさで滅んだんや。

 ヒロインの属性はめちゃくちゃ良いと思うんですが、キャラクターとしての厚みが足りなかったり、絵面もアンドロイドだから似たり寄ったりになったりすることも、お話として物足りなさが目立ちます。せっかく良い題材なんだからもっとちゃんと火を通して料理して欲しい!

評価
・ヒロイン:★★☆☆☆
・演出:★☆☆☆☆
・完成度:★☆☆☆☆
・ヘキ度:★★★★☆

15 勝手なあの娘と勝てないわたし

感想

 性格悪いしわがままだし、なかなかなヒロインですが、キャラとしてはとても良いですね。

 ただ、このキャラを際立たせるための演出が少し遠回りな感じがありました。主人公(目線)の心理描写としてはすごくていねいですてきなのですが、肝心の瑞希ちゃんの傍若無人さがバチクソにカッコいい、といかなかったのは演出の問題かなと言う気がします。

 ヘキ? ああ、ヘキですね。

評価
・ヒロイン:★★★★☆
・演出:★★☆☆☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★★★☆

16 弱き者の戦い

感想

 女騎士×尼僧の百合ファンタジー。なんだよお、オマエらそんなに百合が好きなのかよー。

 邪教のネーミングセンスが光る一方、魔道語や魔物など、あるあるな用語が並んで、転生・転移でない以上ハイファンタジーというべきなのでしょうが、世界の構築度はちょっと低めに感じました。
 主眼はあくまで戦うヒロイン、それも強く戦うヒロインと弱いなりの戦いをするヒロインです。演出としてはカッコよいものがあったのですが、キャラクター付けはもう少しあっても良かった。アクションに気を取られすぎ。

評価
・ヒロイン:★★★☆☆
・演出:★★★★☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★☆☆☆

17 夜空の星は遥か遠く

感想

 タイトルと詠唱が抜群にカッコいい。乙女心と厨二心は鷲掴みよ!

 ライトな感じがあるが、ハイファンタジーを作る手つきは本作すばらしく、「当たり屋」など、現代にも通じる言葉で主人公の生い立ちを描写するあたりは、そのディティールが馬車になっていることで妙に説得力が増す。
 そこに魔導工学とこられると、頷くしかないわけですよ。

 まあちょっと義務教育制度とか帝王学っぽいものを学科で教えるところは「ん?」て思ったけど今回は大目に見てます。
 ヒロインのアクションと意気地はバチクソカッコいいに相応しい味わいでした。唯一敵役が小物だった(のわりにビジュが出来すぎてて)のがちょっと残念。個人的には本企画一押しかな。

評価
・ヒロイン:★★★★★
・演出:★★★★☆
・完成度:★★★★☆
・ヘキ度:★★★★★

18 怪盗夜梟《シュエット》は夜に舞う

感想

 いやー、いいですね。こういうバロックめいた世界観って実は好きなんですよー。

 怪盗紳士ルパンの頃を思わせるレトロな舞台に、神出鬼没の女王陛下(?!)、もちろん怪盗シュエットのたたずまい、いと鮮やか也。
 最初から最後まで舞台調の時代がかった表現なのが、むしろレトロな空気になってしまった以外にこの作品の文句はありません。魔法が出るとか新聞がどうとかはそう言う世界観、違和感なく読めます。

 ただ、もう少しシュエットのキャラが知りたかった。アルセーヌ・ルパンだってへまはするし女性には優しいのだ!

評価
・ヒロイン:★★★★☆
・演出:★★★★★
・完成度:★★★★★
・ヘキ度:★★★☆☆

19 ライジング・ヒーローガール!

感想

 路地裏にするりと身を隠し、カバンからスマートフォンをいくつも取り出す。なれた手つきでそのうちの一つを操作していく。

「はーい、報道ドローンの制御権いただきぃ。りぃちゃんは……と。あ、見つけた! ひゅー、間に合った。まだ変身してない!」

 何この子こわい。

 ヒーローものの、しかもベタなほう。ロボットアニメで言うならガンダムではなくマジンガーやゲッターの仲間。君は完璧で究極の「「「「ゲッター」」」」。

 なんかこの手の役割もの、て電車やWeb広告でよく見るんですがこれもまた一種のジャンル化してるんですかね? 戦隊モノや変身ヒーローの女幹部が主人公を推してくる(好き)的な外しの王道というか、そんな感じがします。

 お話自体がそういう傾向なので、そういうものと思って読むモードを定めて読みます。面白くはあったし、必殺技叫ぶ女子ヒーローは、おそらくこの手の企画では王道の面白さだと思うんです。

 ただ、ヘキではなかった。
 話は面白かったし、文章も良かったです。

評価
・ヒロイン:★★★★☆
・演出:★★★★☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★☆☆☆

20 愛しの貴女に贈る愛

感想

 漠然と思うのだけど、これは百合なのかしら。

 作者が百合と思えば百合なのかもですが、わたしがこれを読んで感じたのは「シスターフッド」という別の用語でした。
 いきなり大上段に構えてしまいましたが、お話は非常によく、わたしの好みにも合致します。不本意な婚姻に対する身代わりとその救出劇というメロドラマを支えるのは、カルミラという圧倒的な存在とエリーナの内側で育まれていく強さ、この二つでしょう。女の武器、という言葉の濫用が妙に引っ掛からなくもないですが、これは世界観が持ってるジェンダー的なもので、それ以上に女性同士の強い絆、他性を寄せ付けない輝きは、本企画の中では随一です。

評価
・ヒロイン:★★★★★
・演出:★★★☆☆
・完成度:★★★★☆
・ヘキ度:★★★★☆

21 この美しい空の下で

感想

 生徒会長と下僕主人公、この典型っていつどこで生まれたんでしょうかね。わたし、このテキスト読んだ時に『生徒会の一存』とか『生徒会役員ども』とか思い出して脳がパニックを起こしてました。
 学園ラブコメとしては及第点、ただ生徒会長美空のキャラを掘り下げるためのエピソードが三角関係の下地になっていて、ロマンティックよりは今後の修羅場トライアングルの予感をも覚えてしまいます。おれは修羅場に詳しいんだ。

 作品としては好きです。が、バチクソカッコいいヒロインというていだと、やや弱め。

評価
・ヒロイン:★★★☆☆
・演出:★★☆☆☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★★☆☆

22 親の顔より見た婚約破棄〜ざまぁを添えて〜

感想

「グウェンドリン・ハスラー侯爵令嬢! 貴殿との婚約を破棄させてもらう!」

 わたし、婚約破棄ものには詳しくないのですが、この手の作品はクイックスタートを目指していつもこういう感じのセリフから始まる三題噺のように見えてしまう……推理小説でいう最初に死体を転がせ、的な(開始1行目で婚約破棄しろ?)。
 タイトルもそれを茶化してるので、たぶんこの始まりの無駄のなさは自覚的でしょう。

 主人公(ヒロイン)の怒涛の論破ぶりは「ざまぁ」の名に恥じぬ勢いなのですが、それはそれとして婚約破棄するほうもしょーもな、という感じがなんかすごい。婚約破棄されるまでもない。ていうか、婚約自体願い下げというか。
 ご苦労様です、という感じが。

 ただ、この怒涛のセリフ劇、中身を無視するとレイアウト構成が素晴らしく良くて、最終弁論を終えて立ち去る最後の一文のそっけなさが、シンプルに演出としてカッコいい。逆転裁判とか古畑任三郎の各回ラスト「参りましょう」と同じイメージなんですが、バチクソカッコいいの名に恥じないなら、まさにラスト一文に至るセリフのレイアウト構成です。

評価
・ヒロイン:★☆☆☆☆
・演出:★★★★★
・完成度:★☆☆☆☆
・ヘキ度:★☆☆☆☆

23 女傑アザレアの婿取り騒動

感想

「ああ、思い出したわ。私の強さと凛々しさが良い、とか夜会で口説かれたけれど、あの国の男は女と見れば全員口説くのが礼儀らしいから」
「それは多分社交辞令では無いですよ! いい加減自分の魅力に気づいてくださいお嬢様!!」

 ここすき。

 いつぞやweb漫画広告で、完璧なサレ妻が夫と不倫相手を訴えてボコボコにするやつありましたけど、あれを思い出しました。
 アザレアのキャラは、さきほど引用したセリフのやりとりでうまく立っていて、ヘキというよりシンプルにキャラクターとして生きてる感じがしました。

「うーん、ボアレス卿の剣の腕は素晴らしいから、毎日手合わせをして貰えるかもと思うと、断るのは惜しいのよね……」
「そこですか。てっきりあの筋肉美が惜しいのかと」
 私は軽く笑った。
「まあそれも無くはないけど……でも、侯爵夫人の役目は少々荷が重いわ。ロック領の経営を数年前から任されてやっと成果が出そうなのに、こちらよりも婚家の事を優先しなければならなそうだし。女伯爵の方が私の性に合ってると思う。やはり婿を取る方向で考えましょう」
「かしこまりました」

 ちなみにこのフレーズも大好きですね。男勝りうんぬんと言われても、異性に対する関心・セクシャリティにブレがないあたりは好印象です。
 バチクソカッコいいというと、何をカッコいいというかによりますが、守るべき筋は通した上で我欲を貫くという姿勢がシンプルにわたしは好きなんですよね。アザレアはその要件を満たしているので、企画全体を見た時の評価はバチクソ高いです。

評価
・ヒロイン:★★★★★
・演出:★★★☆☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★★★★+1

24 静謐メイドと呪われ騎士~秘密のお茶会は真夜中に~

感想

 人を愛する姿勢、そのカッコよさ──本作が表現しているものは、企画の中では群を抜いて独特でそれゆえに独自の地位を築いております。

 結論すごくいい出来なんですが、ヘキ的にあんまり刺さってこなかったのと(なぜだろう。うまく説明できない)、まだなんとなくキャラクターに付いている名前に名札感を覚えます。
 シチュエーションありき、といいますか。思えばロワイとセリーヌに肩書きやルーチン、属性はあっても、人間の臭みがちょっと薄い気がします。だからこそシチュが映えるのでこの点表裏一体なのですが、なんかこう、少なくとももう一個踏み込んでキャラクターの掘り下げが欲しかったような気もします。

 ロワイとセリーヌの初めての出会いも、この世界(が何を参考にしてるのかわからないけど)の基準でいえば本来身分差なので、もっとドラマチックでないといけないはず。それが、さらっと回想で流されてしまうのは物語の種を見落としている気がしてもったいなさを覚えます。

 やや厳しめですが、そういう感想でした。

評価
・ヒロイン:★★★☆☆
・演出:★★★★☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★☆☆☆

25 婚約破棄される予知夢を見たけど、望むところよ!

感想

 婚約破棄ってよく知らないんですが(以下略・デジャヴ)

 舞台が西洋風から中華風、かつ獣人国家へ変わっただけで、やってることは婚約破棄もののフォーマットに乗っ取ったお約束に次ぐお約束(いわゆるざまあというやつなのかな)。なんでだよ、婚姻文化や(それを暗黙の了解にして成り立つ)家父長制は東西でもっとディティールあるだろー、てちょっと辛口なコメントをしたくなる。

 怪魚だったり獣人部族(種族かもしれないけど、実質部族)だったりとオリジナル世界観を出そうとしたところは良かったものの、ちょっとドラマの緩急が弱く、特に怪魚に襲われるシーンがスキップ気味だったのも申し訳ないが、減点。尺ミスった感がありました。

 題材は良いんですよ。この企画の中ではそれなりにオリジナルの世界観なり、キャラクターを出そうとしているのはわかります。言葉の使い方、ネーミングセンスはかなり好きの部類に入ります。でも、だからこそ、オリジナルの設定は丁寧に料理しましょう。要素要素で生煮え感を覚えたのでここはあえてそう書いておきたい。

評価
・ヒロイン:★★★☆☆
・演出:★☆☆☆☆
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★★☆☆
・オリジナル世界観を作る努力:★★★★☆

26 奢宵国弓腰伝 〜嚆矢、異界の知恵の実に至る事〜

感想

 異世界ものではあまりやらない組み合わせ、中華風異世界と現代兵器(鉄の鳥ってセントーキですよね?)。でも、それを大胆にミクスチャーし、文体で料理する。すごい。
 なによりこれが読ませるから、すごい。

 尚香は奢宵帝が悪いと思わない。思わないけれど、国運を決することができないほど耄碌したのなら、さっさと太子に玉座を譲るべきだとは思っている。

 こういう内面でスパッと切るところは素晴らしい。このキャラに愛着が湧きました。ところで、バチクソ企画、紳士淑女の嗜みとして武器を開示するところはなんですか、アレですか、アレなのでますか、みなさんキングスマンお好き??

 全編通じて読み応えがありました。怪力が凄すぎて今後どうなるか気になりますが、唯一の瑕疵はやっぱり短編じゃなかったというか、第二章冒頭みたいになっちゃってるところですかねえ。

評価
・ヒロイン:★★★★★
・演出:★★★★★
・完成度:★★★☆☆
・ヘキ度:★★★★☆

27 剣の女神と才能ゼロの陽気な押しかけ弟子

感想

 設定とキャラクターは大好き。

 ただ、文章というか、これを味にして良いのか、「余計」としていいのか悩む描写が没入感を妨げている。

 エリザは頭を抱えた。
 なぜなら、エリザの誠実さは度を越していて、他人と交わした約束は絶対に反故にしないからだ。
 行き過ぎた清廉潔白さは俗世で生きていく上での枷となる。経験から彼女はそれを痛感していて、こんな辺境の地の森の中に1人静かに暮らしていたのだ。
 その枷がまた自分の首を締めるのをひしひしと感じていた。

 ここで「なぜなら……」と書く根拠が、ちょっとわたしにはピンとこない。
 もちろんこのあとに続く文章が、エリザのキャラクターを描写し、ドラマを作る。それはわかってるけど、地の文でキャラクターを説明している(距離を突き離して作者が語っている)ように見えてしまうので、これは没入感を妨げてしまう。同じ題材を書くならわたしはそうしない。なんてことを考えて、二度読みしてました。

 辛口に書いたけど、お話は大好き。

評価
・ヒロイン:★★★★☆
・演出:★★☆☆☆
・完成度:★★★★☆
・ヘキ度:★★★★☆

28 戦う聖女 〜異世界からきたゾンビにお国がピンチです〜

感想

 あちゃ、ゾンビ呼んじゃいましたか。

 ファンタジーワールドにバイオハザードってこう持ち込むんだ、と変に感心する冒頭。

 もうラスト一文に収斂する話だと思ってるので細かいことに水は差したくないのですが(そこに対して違和感も不整合も感じません。ここは作者のワザマエ)、バチクソカッコいいヒロインの目線でひとつだけ言わせてほしい。
 だれが複数用意しろって言ったよ!!!!

 善きにしろ悪きにせよ、三人いるから三倍良いのかというとそうでもなく、ちょっとひとりひとりが口癖とセリフだけでキャラが先行しちゃった感じがもったいなかったです。

評価
・ヒロイン:★★★☆☆
・演出:★★★☆☆
・完成度:★★☆☆☆
・ヘキ度:★★★☆☆

おまけ.あの頃はお嬢さんと呼ばれたんだけどね ーバチクソ杯乗り遅れ作品ー

URL: https://ncode.syosetu.com/n5118jg/

感想

 企画に間に合わなかったことが勿体無い。というかもはや欠点はそこしかないのではないか。

 バチクソカッコいい最年長の女の子の登場です。ナナハンライダー。すんません、ヘキというかそういう話を書いてたというか、色々ツボりました。栞姐さん! わたしゃどこまでもついていきますぅ!!

 企画に載ってたら間違いなく投票してましたよ。でもおかげで他の作品にも票が出せそうで、(それはそれで)よかったです。

評価
・ヒロイン:★★★★★(+1)
・演出:★★★★☆
・完成度:★★★★★
・ヘキ度:★★★★★

総評

「バチクソにカッコいい」って、結局なんだろうか

 はい。答えが出ましたね。
 答えは最強のおばあちゃんです。
 人生経験豊富で、知恵と行動力を持ち、ヒトを諭す影響力もある。最高じゃないですか。

 嘘、嘘、ウソ
 いや、ほんとなんだけど、リテイクさせて。

 企画を通じてみなさんの思う「バチクソカッコいい」をたくさん味わったので、ここで改めて振り返ってどうだったの? て話をしようとしていました(汗)

 総じて思ったのは、「カッコよさ≒強さ」なんですよね。

 筋肉、パワー、行動力、メンタル、心意気、したたかさも含めて、みんななんやかんやそうした属性・性質を「カッコいい」と思っている。
 それに「バチクソ」なんて言葉を重ねがけするわけですから、少なくともカッコいいの要素を二つ以上持っているか、二乗三乗するかして、それがいかに群を抜いているかを描くことでようやく「バチクソカッコよい」に到達するわけです。

 わたしの定義する「バチクソカッコよい」はまた違う次元で考えているのですが、ただ、まずこのカッコよいの定義というか暗黙の了解はみなさん違和感なく受け入れてもらえると思うんです。

 では、カッコいい、と一言でいってもいろんな次元に展開できるはずなんですよねー。

 肉体派/頭脳派、行動派/心意気派、アツいカッコよさ/クールなカッコよさ、などなど。

 あと今回色々参照して思ったのは、「男の子のカッコいい」を女の子に搭載してるのか、それとも「女の子なりのカッコよさ」を演出するのか、でも結構ちがう。
 いま二つの性別で言いましたけど、ジェンダー的には無性別的なカッコよさもあれば、両性具有的なカッコよさも、もっと複雑なクィアなカッコよさもあったはずなんです(だから、あの作品とこの作品とを、一括りに百合だこれ、てまとめるのは勿体無いと思います)。カッコいいを考えることは、それも「バチクソにカッコいい」を考えることは、そうした次元にもタッチするのでとても読みがいがありました。

 あと、結果的に現代物が少なかったこともこの企画の共通概念を示しているみたいで興味深かったです。バチクソカッコいい女の子はファンタジーにすぎない、とわりと割り切っていた方が多かったのではないかと邪推します。

 後日作者バレすると思うので、その後書きついでにわたしの思う「バチクソカッコいい」がなんだったのかもあわせて書こうと思います。本日は企画に沿って何考えていたのかを書きたくてここまでやりました。
 あとは投票して、と。週末がたのしみです。

 ちなみに、要所要所辛口というか、読んで傷つくかもしれない感想だったことはあらためてお詫び申し上げますが、偽りのない感想であることと、それ以前にまず楽しんで拝読したことは明記しておきます。

 それでは、また週末お会いしましょう!

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 八雲 辰毘古はウェブでこんな作品書いてます。

『聖剣と魔女のミュトロジア』

 これは、失われたものを取り戻そうとする者たちの物語──

 叙事詩圏の辺境、メリッサ村に住むふたごの姉弟アデリナ(リナ)とルート(ルゥ)。男勝りな少女アデリナは騎士になることを志し、内気な美少年であるルートは教導会の程よい地位での隠居生活を目指しそつなく暮らしていた。
 そんなある日ふたごは、突然自分たちの父親がいなくなっていたことに気づく。父親だけではない。父親と過ごした記憶も一緒に失くしていたのだ。父親の失踪の理由は? そして思い出から父親が消えたのはなぜなのか? 背後に見え隠れする魔女結社と星室庁の陰謀に立ち向かいつつ、ふたごの冒険は始まる……

『草食系オオカミくんは抜け目ない』

羽鳥渚は28歳OLである。ある日飲んだくれて帰ったら親から電話があった。「小さい頃面倒見ていた夏樹くんを住まわせてやってほしい」。本人不在、親同士の同棲契約が成立していたのである。文句を言っても始まらない。もはや事後承諾のかたちで、九つ年下の青年と化した香田夏樹との、同居生活が切り出されてしまうが、どうも夏樹くんは渚さんに気があるようで……?

※本作は6/2まで開催されていた南雲皐月様の「匿名短文胸キュン企画」に投稿していた作品を、長編化したものです。毎週月曜日18時を目指して連載中!

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