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薬学部個人ノート「機能形態学・前半2」

こんにちは。ここでは、薬学部の主要科目の私個人のノートを載せています。今回は前回の機能形態学1の続きです。友達のノートを借りる感覚で見て頂ければと思います。

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<5>循環器系(心臓・血管・血液・リンパ管)


ガス交換・栄養分の運搬・代謝廃物(老廃物)の運搬・ホルモンを臓器に運ぶ。
*血液:5L、全体重の8%。心拍出量は5L/minなので、全血液量が1分間で心臓から出される。体循環と肺循環があり、常に全身を循環

*血液の流れは、下記の通り。
<静脈血:CO2多い>全身→大静脈→右心房→三尖弁→右心室→肺動脈弁→肺動脈→肺
<動脈血:O2多い>肺→肺静脈→左心房→僧帽弁→左心室→大動脈弁→全身

*リンパ管:毛細血管から漏れ出た組織液を、静脈に戻す


「心臓」
*場所と大きさ:縦隔にある。中央よりやや左。大きさは握りこぶし。
上部(血管出入り口)は心底、左下部は心尖。

*4つの「弁」:心房と心室の間は、左に僧帽弁、右に三尖弁。大動脈の出口は大動脈弁、肺動脈の出口は肺動脈弁。動脈弁は3つの半月状の弁膜で出来ていて、血液の逆流を防ぐ。

*壁:三層から成る(心外膜・心筋層・心内膜)。心房より心室の壁のほうが厚い。特に左心室の壁は厚い。

*刺激伝達系:心臓の収縮を起こす電気シグナルの仕組みのこと。

左右の心房・心室は、ほぼ同時に収縮する。
心臓壁に存在する「特殊心筋細胞」が、電気シグナルを心筋全体に伝える。

*電気シグナルの伝導順
洞房結節(ペースメーカー)→心房の心筋→房室結節→ヒス束→プルキンエ線維→心室の心筋

*電気シグナルの生成と伝搬:
細胞内は負電荷で静止膜電位状態。刺激により、膜のイオン透過性が変化しNa+が入ってくると、脱分極を起こし、活動電位発生。これがシグナルとなり、心筋収縮を起こす。

「血管」
*血液の流れは、動脈→細動脈→毛細血管→細静脈→静脈。
*血管の機能は:動脈(血圧の調整)、静脈(容量血管)、毛細血管(物質交換)
<動脈>
*構造:3層(内膜・中膜・外膜)からなり、その間は弾性板でわけられる。
*内膜:内皮細胞・内膜化組織・基底膜からなる。
*中膜:平滑筋細胞・膠原繊維のマトリックスからなる。太い弾性動脈の中膜は弾性繊維を多量に含み、心拍出力のエネルギーを蓄える
*外膜:血管・神経・線維芽細胞などからなる。
*機能:小動脈と細動脈は、1~数層の平滑筋細胞を持ち、平滑筋の収縮・弛緩により血圧の調節を行う。(平滑筋収縮→血圧上昇、平滑筋弛緩→血圧下降)。血圧調節をするこの細動脈は、毛細血管になる前の血管で、抵抗血管とも呼ばれる。

<毛細血管>
*構造:壁は1層の内皮細胞から成り、薄く、内径は変化しない。枝分かれがあり、細胞間に広範な毛細血管網を作っている。
*機能:様々な物質やガスが通り抜けるところ。物質交換の場。

<静脈>
*構造:筋組織や弾性線維の発達が悪く、内膜中膜外膜の区別が不明瞭。
    逆流を防ぐ為、四肢や太目の静脈には、弁がある。
    血圧が低く血流がゆったりである為、血栓ができやすい。
    表在性(体の表面)の静脈には、静脈瘤ができやすい。
*機能:容量血管として働く。静脈の壁は薄く伸びやすいので、血液を大量にためることができるから。全血液量の70%は、静脈内にある。

<門脈>
血液が心臓に戻らず、肝臓に行く事。その通り道の事。肝門脈ともいう。*胃・小腸・大腸・脾臓・膵臓の血液は、門脈に入る。
*肝臓に入った門脈は、小葉間静脈→洞様毛細血管→中心静脈→肝静脈→下大静脈、と流れていく。


「血圧」
*収縮期血圧と拡張期血圧の2つがある。
*血圧=心拍出量×総末梢血管抵抗
*心拍出量=一回拍出量×心拍数(脈拍数)
*心拍出量を規定する因子:心拍数・心収縮力・静脈還流量(前負荷)・末梢血管抵抗(後負荷)
*血管抵抗は、(血液の)粘性に比例し、(血管の)半径の4乗に反比例する。
*血圧の調整には2種類ある:神経性調整因子と液性調整因子。

神経性調整」=「自律神経系と圧受容器反射」
*自律神経(交感神経と副交感神経)による、拮抗的二重支配。
 交感神経は、心拍数を増加し、心収縮力を増大させ、血管を収縮させる。
 副交感神経は、心拍数を減少させる。
*圧受容器反射は、以下の流れ:受容器(頸動脈洞・大動脈弓)→求心路(舌喉神経・迷走神経)→中枢(孤束核・血管運動中枢と迷走神経運動核)→遠心路(交感神経・迷走神経)→効果器(心臓・血管)
*血圧が下降した場合と、上昇した場合の、圧受容器反射について、別紙表で確認。

「液性調節」
*昇圧因子(血管を収縮させるもの):カテコールアミン・アンジオテンシンⅡ・エンドセリン・パソプレッシン・セロトニン・トロンボキサンA2
*降圧因子(血管を拡張させるもの):一酸化炭素・ブラジキニン・心房性ナトリウム利尿ペプチド・プロスタグランジンI2・アドレノメデュリン*レニン・アンジオテンシン系の働き

「高血圧」
*血圧値は連続性の分布を示すので、どの血圧値から高血圧とするかは、人為的に決められている。我が国では、2009年のガイドラインに基づく。
*高血圧の病態:高血圧には、多くの要因が関係している。(遺伝的要因・環境要因(生活習慣))
*環境要因(生活習慣):食塩の摂取、過剰飲酒、肥満、運動不足、ストレス
*高血圧の治療:生活習慣の修正(食事、体重、運動、アルコール制限、禁煙)
*降圧剤:カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、利尿薬、B遮断薬
*自律神経による血圧調整:
 副交感神経:アセチルコリン
 交感神経:カテコラミン(ノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミン)

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