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私の友人①

私はあまり友人に執着していない方だと思う。私が親身になって寄り添える、良い子の私を保った状態で振る舞える人数のキャパが狭いのか。私は性格が良くない、というよりかは不機嫌な自分をうまくコントロールができないし、それで誰かを傷つけるわけにはいかないから距離を置くしか無くなってしまう様な。ともかく、私には気心の知れた友人が2人程いてくれれば十分だ。それは強がりでも何でもなく本心で思っていたはずだったのに、今の私は思いのほか傷ついている。

大学で同じ授業を取っているクラスメート達でホームパーティーをする話があがった。彼らとは見かければ話すほどの仲で、休日にわざわざ誘い合うほど仲良くは無い。まあでも、幹事の1人が私に参加の有無を聞いてきた時には人様のお宅にお邪魔することを少々億劫に思いながらも参加しようかな、と控えめに答えた。

前日になりホームパーティーの詳細が決まると、私は内心かなり楽しみになっていた。どんな服装で行こうか、とか持っていく食べ物を買いにスーパーに行く予定を立てたりした。遠足の日の前日のような、そんな高揚感だった。

だけど私は呼ばれなかった。翌日の昼過ぎ、パジャマにも似た格好でスーパーにて持っていくお菓子などを買っていた私に一通のメッセージが届いた。「ごめん言い忘れてた。もう始まってるよ。」聞けば、私以外のクラスメートは全員その日の朝から集まっていたらしい。私はそれに呼ばれていなかった。幹事の彼女が本当に私にだけ連絡し忘れたのか真相はわからないが、私は途中参加できるはずもなかった。それはパジャマを着ていたからではなく、あまりにも傷ついている自分に私自身が耐えられなかったからだ。クラスメートのことは知り合いに毛が生えた程度の友人だと思っていたが、そんな彼らにでも、故意ではなかったとしてもハブられるのは悲しかった。

もっと仲良くしていたら呼んでくれただろうか、それとも仲良くしていたって呼ばれなかったかも知れない。私はまるでこの世でひとりぼっちになってしまったかの様な気持ちでスーパーを後にした。買ったお菓子はひとりで食べるには多過ぎた。

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