3/5,SU剤、グリニド、αグルコシダーゼ

今日は、昨日に引き続き糖尿病治療薬について教わった。今回はインスリン分泌促進薬であるSU薬•グリニド薬や糖吸収阻害薬のα-グルコシダーゼ阻害薬を中心に学んだ。本日服薬指導した患者さんで、ルセフィ5mg 1T 分1、エクメットHD 2T 分1、 セイブル50mg 3T 分3(毎食前)の処方があった。これらはSGLT阻害薬、DPP-4阻害薬+ビグアナイド薬、α-グルコシダーゼ阻害薬で、セイブルは食べる前に飲むことで、消化管からの糖の吸収を遅らせて食後高血糖を抑える。それぞれ機序の異なる糖尿病治療薬であり、単剤では効果不十分であった患者さんであること、1日の中で早朝高血糖、食後高血糖などの細かいコントロールが必要なことなどが伺えるが、低血糖のリスク回避の観点からインスリン分泌促進型ではない糖尿病治療薬が組み合わされていると考えた。
また、シュアポスト(レパグリニド)0.5mg 2T 分2、エクメットHD 2T 分2の処方の患者さん、及びグリメピリド0.5mg 0.5T 分1、エクメットHD 2T 分2の処方の患者さんがいた。シュアポスト(グリニド薬)は速効型インスリン分泌促進薬で食前服用の薬、グリメピリド(SU薬)はインスリン分泌促進薬で食後服用の薬である。両者の服用タイミングが違う理由として、グリニド薬は速効型と謳われていることからも分かるように、作用の速さが関係している。グリニド薬は作用発現が速く、作用時間も短いという特徴があり、時間食後に分泌されるインスリン(インスリン追加分泌)を促進させる。故に食直前に服用しないと食後高血糖を抑えることができない。対してSU薬は作用時間が数時間あり、恒常的なインスリン分泌(インスリン基礎分泌)を促進させることで、1日の血糖を全体的に抑えることができる。故に食後に服用し、効果を得る。しかし両者ともインスリン分泌を直接促進させ、血糖値が低くても効果を発現してしまうため低血糖のリスクがある。医療者はこれらを併用できないことに注意する必要があり、患者さんにシックデイや低血糖の症状について明確に説明し理解を得た上で、薬を処方する前に低血糖の症状がないか確認する必要がある。
医療者が患者さんの状態を知るためには、患者さん自身にも病気や薬への理解が必要不可欠であることを学んだ。特に薬やその副作用に関する理解をさせることは、薬剤師が責任を持って行うべきことの1つだと感じた。