3/26 ステロイド 、体部位

今日は、昨日に引き続きステロイドについて教わった。
ステロイドは、身体部位ごとに吸収率が異なるため、患部ごとに様々な調整がされている。例えば、前腕内側を基準とすると頬は13倍、陰嚢は42倍、反対に掌は0.83倍、足底は0.14倍となっているため、同じステロイドを処方しても患部により効き方や副作用のリスクが異なることが分かる。先日記載したように近隣の内科では基本的にマイザー(very strong)が処方されるが、顔に塗る場合はロコイド(medium)が処方される事がある。
患者①: アンテベートローション0.05%(頭皮)、マイザー軟膏0.05%+ヒルドイドクリーム0.3%(1:1、体)の処方。頭皮は体に比べるとわずかに吸収率が悪いが、ここでは頭皮、体ともにvery strongのステロイドを用いている。頭の場合、軟膏やクリームでは髪の毛がベタついてしまったり、頭皮まで薬剤が届かなかったりするため、ローションが用いられる。
患者②: 小学生、オロパタジン内服、ヒルドイド(顔、体)、リドメックス+ヒルドイド(1:1、体)、マイザー(体、頓服)の処方。風呂上がりなどに、ヒルドイド単体で顔、体を保湿し、かゆいところにリドメックス+ヒルドイド混合を塗り、それでもかゆい箇所にマイザー単体を塗るといった使い方で服薬指導した。子供では成人よりもステロイドが強く効いてしまうこともある、特に顔は吸収率が高いため、非ステロイドであるヒルドイド単体がベースとなっている事が推察できる。また、同様の理由からマイザーより弱いリドメックス(strong)が処方され、マイザーは頓服になっていると考えられる。
患者③: リンデロンVG軟膏+アズノール軟膏(1:1)の処方。リンデロンVGは、ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド)とゲンタマイシン硫酸塩(抗生物質)の合剤で、ステロイドとしてはstrongに相当する。リンデロンVGは二次感染を併発しているかぶれなどに用いられる。
このようにステロイドは、症状の他に、患者の年齢、使用部位等によって、ステロイドの強さ、剤形、種類などを変えて処方される。特に患者②のように、部位や経過、順番によってステロイドを使い分ける場合には十分な説明が必要であることを学んだ。