2/20スタチン、フィブラート変更薬切り替時期

今日は高脂血症治療薬について教わった。脂質異常の治療薬としして代表的なものにスタチン系やフィブラート系薬剤がある。スタチン系はHMG-CoA還元酵素を阻害することで肝臓でのコレステロールの合成を抑え、フィブラート系はPPAR(ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプター)αに結合して、活性化することで肝臓でのコレステロール合成阻害及び血中のLPL合成促進により、血液中のLDLやTGを低下させ、HDLを増加させることで作用を示す。また、フィブラート系薬剤には腎排泄型と肝排泄型がある。前者の例としてフェノフィブラート(リピディル)は禁忌に肝障害、胆嚢疾患、中等度以上の腎機能障害があり、後者のペマフィブラート(パルモディア)は重篤な肝障害や胆石患者がある。また共通して妊婦・授乳婦は禁忌となっている。パルモディアは他のフィブラート系薬剤と比較してPPARαに対する作用が選択的といった特徴があり、2018年に新規販売が開始された。
今日の患者さんでパルモディアXR 0.4mg 1Tを処方された方がいた。この患者さんは前回までパルモディア0.1mg 1Tが処方されていた。本来パルモディア0.1mgは2Tを分2で服用するが、先生の判断で1Tだけの処方となっている。パルモディアXRは徐放製剤となっており、パルモディア0.1mg 2Tを分2を、パルモディアXR 0.2mg 1T 分1に変更可能である。しかしこの患者さんはパルモディアXR0.4 1Tが処方されており、増量されている。このことから中性脂肪が高くなったと予想されたため、尋ねたところ高くなったとのことだった。また、残薬が2,3日分あったが残りから飲み続けるよう指導した。中性脂肪やコレステロールは高くても緊急性が少ないためすぐに増量しなくても良く、残りから飲んでもらうことで他の薬の残薬と数が揃うため、患者さんが通院する回数を増やさず、負担を減らせるというメリットもあるのでこのように指導していた。同様の事例でも、高血圧患者では緊急性が高いためすぐに切り替えるよう指導すると教わった。その場合、残薬は取っておいてもらうか、次回こちらで数を調整する。
1日を通して学んだこととしては、処方の変更点から患者さんの体調変化を推察し服薬指導を行う際に、先に述べたような知識があることで、患者さんにかける言葉および患者背景(残薬など)を踏まえた服薬方法を適切にできるということである。患者さんとの会話には直接出てこない知識も、適切にコミュニケーションをとる上で必要不可であることを実感した。