3/21 前立腺肥大、種類

今日は前立腺肥大症治療薬について教わった。
患者①: ハルナールD錠0.2mg/1T/分1/就寝前の処方。この患者さんはR5.10.5に膀胱炎の症状及び頻尿を訴え、クラビット250とハルナールDが処方された。同月19日に、膀胱炎の症状が良くなったが年齢(90半ば)も考慮すると前立腺肥大による頻尿が考えられるためハルナールDを継続することとなり、現在までハルナールDの処方が続いている。ハルナール(タムスロシン)はα1受容体遮断薬で、交感神経のα1受容体を遮断し尿道の緊張を和らげることで、前立腺肥大による排尿障害を改善する。α1受容体遮断薬は血管拡張により血圧低下を引き起こす可能性があるが、ハルナールや、同じく前立腺肥大症治療薬のユリーフ、フリバスは、前立腺や尿道のα1受容体に高い選択性を持つため、直接的なめまいや立ちくらみの副作用は少ないとされる。またα1受容体遮断薬は頻尿の第一選択薬であるが、薬情には[尿を出やすくする薬]と記載されているため、頻尿なのに尿を出やすくするという文言に混乱する患者さんもいる。1回に出る尿量を増やすことで、頻尿を改善する薬であるということを説明すると教わった。
患者②: デュタステリドカプセル0.5mgAV 1C/分1/夕食後の処方。デュタステリドは5α還元酵素阻害薬と呼ばれる前立腺肥大症治療薬で、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α還元酵素を阻害することで、男性ホルモンの作用を弱めて前立腺肥大を改善する。性中枢への作用で性欲の低下や男性機能の低下を起こす可能性や、前立腺がんの検査値に影響して自覚しにくくなるといった注意点がある。また経皮吸収のリスクがあり、女性や小児が触れないよう注意が必要となる。
薬品情報に書いてあるから説明は最小限、ではなく薬情の文言に疑問を持つ患者さんもいるため、薬に対して正しい理解を持ち、服薬指導することで患者さんの疑問を解消し、安心して治療を進められるようサポートする必要があると学んだ。また患者さん本人だけでなく、家族や周囲にも注意が必要な薬もあり、注意及び対処法も含め理解が必要だと感じた。