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暮らしの薬学【消臭・芳香・防臭剤編】~③消臭芳香剤の選び方と使用上の注意

消臭芳香剤はいろいろなものがありますね。置き型でも液体やゲル状など。スプレータイプもあります。居間、トイレ、玄関などそれぞれの場所に併せて商品がありますので、正しく選んで使いましょう。

使用する場所に応じて消臭芳香剤を選びましょう!

トイレ、玄関、そしてリビングなど、それぞれの空間のにおいは違いますよね。現在市販されている消臭芳香剤は、薬機法等法的規制の対象外ですが、各社製造メーカーが自主基準を作り、消費者に分かりやすく“名称”や“用途”そして使用上の注意を記載しています。使用する場所(用途:下表参照)はどこか、どの商品を選べばいいか悩んだら、商品の容器に書かれていることを確認するのも一つの方法です(容器の表示例参照)。また、その使用上の注意には「用途以外に使用しないこと」と書かれています。


消臭スプレーの表示例
消臭芳香剤の区分と用途




代表的な家庭用消臭芳香剤の成分は、界面活性剤(【家庭用洗剤・洗浄編】~③洗剤の成分、分類参照)、香料、消臭の働きを持つ直物抽出物、ゲル、液、スプレー剤の剤形を形成する成分が配合されています。
それぞれの成分についてその働きについて解説します。

① 非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤
主に香料などの香り成分を水性成分になじませる役割で用いられています。香料が配合されている消臭芳香剤に使われています。
② 両性界面活性剤
におい成分をとりこんで香料でマスキングする役割があります。
③ 吸水性樹脂(吸水ポリマー)
この樹脂に消臭成分を入れて、徐々に消臭成分を蒸散します。透明のビーズ状で、子どもや高齢者の誤飲に注意が必要です(【消臭剤】~④悪臭防止にできることQ&A参照)。また、この樹脂は、水を含むと膨張するため、トイレや排水口に流さないようにします(詰まる恐れがあります)。
④ アミノ酸系化合物
においの成分がアミノ酸と接触反応を起こし、中和されることで消臭します。消臭剤の成分表には「アミノ酸系消臭成分」と記載されています。

Q.ペットを室内で飼っていますが、ペット用と室内用とどちらがいいですか。

室内の臭いは細菌やカビが原因であることが多いので、抗菌、防カビ剤も入っています。ペット用は、ペットの体臭、糞、尿などの排泄物の消臭を目的とする成分が配合されています。また、香りの面で、ペットのストレスにならないようにする必要もあり、さらにスプレー直後の場所をペットがなめても害がない成分になっているので、ペットのために、ペット用を選ぶとよいと思われます。

もっと勉強したい人に ~ 参考リンク


●お部屋に漂うペットのニオイには、ペット用消臭剤がおすすめ(ライオン)
https://lidea.today/articles/002623

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<この記事を書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。

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