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異次元

 「こんなこといいな、できたらいいな」で始まるドラえもんの歌。この歌詞の中にある「ふしぎなポッケ」が、どんな夢もかなえてくれる「四次元ポケット」。幼きときに「次元」という言葉を知ったのはドラえもんからだった

 その頃に読んだ子ども向け雑誌では1~4次元の世界のアリがいる仮定で、1次元のアリは一直線しか歩けないが、2次元のアリは縦横移動ができ、3次元のアリは垂直に壁を登れ、4次元は壁をすり抜けられる-と各次元の特徴を解説していた。次元が異なると、同じアリでもものの見方や考え方、発想が違ってくる

 「次元」という語は、文脈によって「レベル」や「度合い」などの意味でも使う

 岸田文雄首相が年頭会見で「異次元の少子化対策」に挑戦すると表明した。詳細は今後のようだが、従来とレベルの違う対策を取る決意は示した

 ただ「異次元」ほどレベルが違うというのなら、これまでは低レベルだったと認めたことになる。そして先進的な諸外国と比べ対策が遅れているとされる日本は、異次元に飛ぶ前にまずはこの次元で学び追いつく必要があるのでは、とも思う。首相のポッケ(予算)は3次元。無限ではないから財源も気になる。
 
 もう一つの課題「インフレ率を超える賃上げ」が「異次元の賃上げ」の実現だったら、「できたらいいな」と注目の次元も段違いだっただろうに。

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