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【詩とショート・エッセイ】 捨てる


私がnote に投稿を始めたのは、今年の6月のはじめです 。詩を書くことを日常にしたいと願っていました。そして、自分が以前に書いた「おとうさん」という詩を、人に読んでほしくて。その時、以前に書いた詩から、1ダースくらいの作品を選び、ストックとして持っていました。全部、投稿し、これが最後の詩です。

     *     *     *


  捨てる

全部 はきだす
全部 声にし
全部 くだいて
全部 捨てよう

きのうを捨てよう
さっきを捨てよう
しみついたもの
においや記憶
泣いたことなど
そんなもの

書くことがある
はきだし 声にし
くだいて 捨てて
全部なくして
そして そのあと
わたしに きっと
書くことがある


     *     *     *

これだけ残っていたのは、自分があまり満足してなくて、躊躇したからです。この詩を投稿することになるのは、書けなくて、note  への参加をあきらめる時なのかもと、思っていました。

私は、20代の終わりに詩を書き始めました。何年かして、書かなくなり、また書き始めたのは、つい何年か前です。

note を始めたばかりの月、ストックの詩を中心に投稿しました。書くことを自分の日常にしたいという願いと裏腹に、毎日不安でした。私は書けない、と思っていた長い間。note を始めても、書くことが日常にはならないのではという思いが、拭えませんでした。

そして、最後の詩(今日の投稿)を次の日にあげたら、ストックはなくなるという日。

その日に、理昭さん提唱の、3行短文詩を書こうという、しめじさんのお誘いを見ました。渡りに舟。しめじさんの企画に、一度参加したことがあり、その時、お題を出されて書くのは、なんと気軽に楽しく書けるのかということを経験していました。私はすぐ書いてみました。

私は、3行短文詩に、それ以来ずっとはまり、その定型詩の世界で遊んでいます。3行短文に出会ってから、気がつくと、書くことに我を忘れていました。言葉が湧き上がって、頭がいっぱいになるということを体感しました。

稚拙な、と自分でも思う「捨てる」という詩ですが、ある意味、その中に書いてあることが、実体験と重なった気がします。ストックがなくなった。全部捨てた。その後、私に書くことがあった。書くことができた。思ってもみなかった形で。

体感と書きましたが、実は、3行短文に夢中になり始めた7月に、言葉が浮かんで、書くのが追いつかないような気持ちになった時がありました。ある日私は、立っていられなくなり、1日半、半病人のような状態になりました。子供の知恵熱みたいなものだったのでしょう。刺激で、頭が始終興奮状態だったので、夜もきちんと休めてなかったのだろうと思います。

毎日投稿できたらと、祈るような気持ちで始めました。気がつくと、毎日投稿できていました。ある時、一日飛ばしてしまいましたが、今日で連続投稿100日になるようです。そこまで課しても意識もしてなかったつもりでも、区切りの数字をうれしくも思います。

ただ、感謝。

読んでくれた方たち。励ましや感想をわざわざくれた方たち。サポートやら、言われたことのないほめ言葉をかけて、奮いたたせてくれた方たち。その作品や記事で、刺激や気づきをくれる方たち。note というプラットフォームをあたりまえのことのように思わせてくれる、運営の方たち。

ありがとう。

恩は返せませんが、これからも私は、この中のコミュニティを楽しみます。
あらためて、どうぞよろしく。

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これが、「おとうさん」の詩です。これを書いて、詩人と名乗るようになりました。(すっげー前です。聞かないで。😌)


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