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箸置きの一枚

撮った!初めて。

その頃は、なかったんだもの。スマホも。デジカメさえ。

自作箸置き。もっさりした、ザ・手ひねり。


その時作った器もどきは、もう全部手放した。捨てたのか、こわれたのかも、忘れた。

大学院の2年目だった。学生センターで、陶芸教室があったので、参加した。週に一回、何回か通った。

何にもうまくいかなくて、底まで落ちた気がした自信が、ちょっとずつ戻っていた頃。自分をいたわる、ということを意識しだした。陶芸教室も、その一つ。

その頃に心がけていたことは、ほかにもある。落ちこんだ時は、値段にかかわらず、好きな本を1冊買っていい。普段の食事は、いいかげんにせず、きちんと料理する。元気も食欲もない時は、あえて食材をはりこむ。

そして、箸置きを使うようになった。育った家ではなかった習慣だった。でも、一人でも、いただきますと手を合わせる時間や空間に似合っていた。一人だからこそ、必要な気もした。



落ちこんだ時のルールは、いつのまにか意識しなくなっていた。残っているのは箸置きを使う習慣だけだ。

でも、自作手ひねりの出番は、もう、めったにない。


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この企画に参加しています。

思いがけないテーマに、思いがけない記憶をたどりました。あこはるかさん、転がしてくれた球、ありがとう。


追伸

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