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ムスメの思い

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ザ•昭和の父と母をもち、フェミニズミという言葉が広まる前に思春期を過ごした、もと若いムスメ。  詩、エッセイ。
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#思い出

【詩】 髪を伸ばす

髪を伸ばす 年頃のきれいな娘に なりたくて 髪を伸ばした 反抗的な強い女と 思われたくて 髪…

昭和育ちなのに浮かばない #あのころ駄菓子屋で

ひもつき飴、フーセンガム、ジューC、ベビーラーメン。 駄菓子の思い出を掘っても、出て来る…

今は昔の悔い #100文字の世界

おばあちゃんが ぼけ出したころ 「ぼけ」はまだ新しいことで 私はただ気味悪かった やすこも…

父を迎えに #100文字の世界

毎月のはじめ 雑誌の出る日は待ちきれなくて 仕事帰りの父を迎えに お兄ちゃんと駅へ行く 学…

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【詩】 骨拾い #ブラックポエムフライデー

不謹慎な表現あり、です。ブラックポエムフライデーに参加しています。 🥢 🥢 …

フェミニストをきどるおばさんへ

先に「あと書き」 これは、アラサーのわたしが書いていたものです。当時、詩を書いていたノー…

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小さかった兄の一番古い記憶 (100文字ノスタルジア)

ヤスコと呼ばれる生きものが うちに来るのを待ちわびた メロンパンをわけてやろう 妹をかわいがろう でも のぞいた部屋には あかんぼ十人 ぜんぶがヤスコと思った彼は 小さい頭をなやませた メロンパンをどうやって分けよう

「友達に差をつけろ」

「友達に差をつけろ。」 中学生の時に見たコマーシャル。通信講座かなにか、成績や受験に関わ…

思い出のムック本「ワタシズム宣言」

「ワタシズム宣言」という本があった。 もっと自分にわがままになれ、という、当時の若い女た…

ローリングストーンズを追う兄を追って

スピンドクターズが演奏するのを、私は一度だけ、兄と一緒に見たことがある。二人とも、結婚や…

【詩】 雇用均等法未明 結婚しても働けるところなんてどこにあるんですか

雇用均等法未明 大学3年時のリクルート社主催の座談会 バイト代のような謝礼と引き換えに …

備中神楽の季節

神楽を毎年見ていた頃、最後まで起きていられたことがない。 日がとっぷりと暮れてから始まる…

性別の違うきょうだい

ある時の帰省のおり、兄が、パンクだのカウンターカルチャーにまったく興味を示さない、自分の…

【ショート•エッセイ】 ふとした思い出 天ぷら鍋

まだ学校に上がる前、天ぷらをあげるしたくをする母を見ていた。油を火にかけて、母は野菜を切りだす。そばで鍋に見入っている私に母が言う。 「熱いから、手を入れたらいけんよ。」 5歳の私はうなずく。すぐにぎゃーっとさけび声。私は小指を鍋にちょっとつっこんでみたのだ。 小学校2年生の時、初めて銭湯に行った。蛇口が2つずつあるのが珍しかった。母は、両方から洗面器に湯をためながら、 「気をつけんとやけどするよ。」と私に言う。 わかった、とこたえる。でも、すぐに、蛇口から出る湯の下に、手