小噺
不動産賃貸初めてという方が、この物件を買う資金を貸して欲しいといきなり店頭へやってきた。期間も取れず収支回らないから預かるだけ預かってシミュレーションしてみて翌日にお祈りかな、と思って見たら凄くお値打ちな良い物件だった。
思わず「この物件をこのお値段なら私も欲しいくらいです」と言ってしまうくらい。
当然審査もすんなり通り、金消契約や担保の契約も済ませ、先生にも事前に書類を渡した。複合取引もその場で色々とやっていただき、万年副係長の私は本当に助かった。あとは決済を待つばかり。
そして迎えた決済当日。私は不動産決済の立会いがとても苦手だけど(どれだけ準備してても何が起こるかわからないから)、今回はイレギュラーなこともなく30分程度で全て終わり。不動産屋さんにも「早いねぇ!やっぱり早いのが一番だねえ!」と某メガで引くほど時間掛かった話を聞かされ、和気藹々で終わった。
決済終わった後、上司と駐車場までお見送りに行き、腰を90度に曲げ、頭を垂れて皆さんが出ていくのを待ってた。
あれ…何か違和感が。よく見ると買主さんと不動産屋さんは別の車で来てるのに、色違いのピカピカの外車だった。しかも全く同じナンバー。
「悪いなぁ」「悪いですねぇ」と上司と言い合いながら、無性に腹が空いてくるのを感じた。久し振りに厚切りチャーシュー乗ったラーメン食べに行こう。
※この話はフィクションです。私が不動産決済が苦手な事は本当ですが。。
私なんかで良いんですか…?