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人生はチャレンジだ!「好きな事を仕事にする」編②全力で駆け抜けた青春。

シグナルGPで、小柄な女性が跨がるSUZUKI GSX1100S刀にブチ抜かれた衝撃があまりにも大きくて、その場で「限定解除」を決意。でも当時は、今のように自動車教習所で手取り足取り親切に教えてくれるような教習と実技試験免除の「制度」が無く、大型自動二輪免許に於いては運転免許試験場で、いきなり試験コースを走らされる「1発試験」しかありませんでした。私の持っていたバイクの免許が「中型自動二輪免許」だったので、「中型」の限定を解除し、大型自動二輪免許を取得する事を当時世間では「限定解除」と呼んでいました。
合格率10%前後という大変厳しい1発試験、先ずは試験を受けるための下調べと準備に取り掛かると、私が受験する免許試験場は、東京都府中市にある府中運転免許試験場という事と、その周辺に、大型自動二輪免許取得の為の「練習所」があるという事が判明しました。でもその「練習所」は自動車教習所のような親切な指導は無く、あくまでも練習所。S字、クランク、急制動、一本橋、スラローム、乗車前後の安全確認等の練習を重ねて、いざ府中運転免許試験場で1発試験に挑戦、という感じ。練習中、実際に叩かれた事は無かったが、何故か教官は竹刀を持って睨みを効かせて仁王立ち。半端ない威圧感の中での練習…重いナナハンを自由に操るようになるまでは、相当な訓練が必要でした。
でも当然ですが、私は「寿司職人」見習いの修行中の身。大型バイク免許取得ばかりに気を取られる暇はありません。日々の忙しい毎日の中で、ひとつでも自分の物にしなければ、東京に出てきた意味がありません。なので、練習所に通える日は、月に1~2回と決めて、限定解除を目指す事にしました。
練習所に行かない日は、私の給料で食べられそうな、比較的安くて美味しいお寿司屋さんを探して、そこのお寿司を食べて「目」と「舌」と「感性」の経験値を、自分なりに身につけようとしていた時期でもあります。
お店は旦那さん、女将さん、見習いの私の3人で営業の為、出前や洗い物、掃除は勿論、ネタの仕込み、米の扱い方、シャリ切り、焼き方、煮方、接客、衛生面に至るまで、入店当初から、毎日かなりの種類と量をこなすように教えていただきました。特にネタの仕込みに関しては、お店で扱うほとんどのネタの仕込みを、約一年という非常に短い期間で習得出来た事は、凄く大変だった分、他店同期の職人見習いと違い非常に恵まれた環境だったのかなぁと思います。
そんな厳しくも充実した寿司職人見習いを日々送りながら、「限定解除」も目指すという、何とも忙し過ぎる19歳は、最初の試練を迎えます。

限定解除1発試験一回目。

緊張しすぎてあまり覚えていませんが、スタートして直ぐに減点されたらしく、あっけなく試験中止。

試験は減点方式で、合格ラインを割るとその場で試験中止。拡声器で試験中止を知らされます。そして、この試験の難しさを見にしみて感じました。

合格までの道のりは、険しく遠い。

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