2020看護師を辞める

まずは看護師になるまで

看護師を目指す理由って色々ある。人を助けたいとか、人のためになりたいとかいう人もいるけど、わたしの周りでは圧倒的に食いっぱぐれないからって理由の人が多かった。

15歳のわたしはなんとなく普通科の高校に通ったけど、国公立大学を目指すほどのガッツも学力もなかったし、私立大学に行くほどの財力もなかった。だからといって奨学金を借りてまで大学に行ってなりたいものもなかった。「お金をかけずにそこそこお金が稼げる職業はなんだろう。」と考え、思いついたものが看護師だったのだ。

学費があんまりかからなくて、学校に入るのにもあまり勉強が必要なくて、お金が稼げる職業は今でも看護師以外思いつかない。他になんかあるんかな?

看護学校は本当にお金がかからなかった。月の学費が2万円なのに、月に5万円就職先の病院から奨学金がもらえた。その奨学金は、3年間お礼奉公すれば返却しなくてもいいものだった。看護学校時代はバイトや実習が忙しくて大学生が羨ましく思えたりしたけど、学校の友達と寮で過ごしたり、みんなで一緒に勉強することは楽しかった。

看護師になって

就職してから、ミスをすることも、年に1回くらいずる休みすることもあったけど楽しく過ごすことができた。年に2回くらい海外旅行をしたり、好き放題お金を使っていたから貯金はたまらなかった。(同僚の中には800万円くらいためている人もいる)

お金の管理はずさんで、脱毛や、エステ、海外旅行にいくら使ったかは覚えてないし、毎月のクレジットカード代はだいたい給料と同じだった。(あんまり考えないようにしていた)

お金をもらって働いている以上、わからないことは勉強し、仕事中は一生懸命がんばった。患者さんに対して元気なって退院できますようにと願うこともあるし、元気になって退院していく姿を見ると嬉しい。そして亡くなったら悲しい。でも病院の指示に従えない患者さんに対しては好きにすればいいと思ってしまうし、基本的に患者さんに熱く訴えかけることもできなかった。患者さんの心を深く知りたくなかったし、寄り添う気持ちにはなれなかった。そんなにわたしの懐は大きくない。他人を受け止めるにはその分大きい心が必要だと思った。

わたしにとったら仕事だけど、患者さんにとったら人生の大事な局面だ。死ぬかもしれない。この先一生動けないかもしれない。わたしはそんな局面に立ちたくない。看護師になって、旅行や外食、服や美容など、好きなことにお金が使えることを喜ぶ反面、そんな状況から逃げ出したい気持ちもあった。

辞めるまで

ちょっとした持病があって、手術するのにやめたほうがちょうどよかった。いい加減な気持ちでいつまで続けるんだろうって思いもあったし、長期で海外旅行に行ってみたい気持ちもあったし、病気がちょうどいい理由になるなって思ったのだ。貯金もないけど、しばらく実家で過ごすし、退職金もあるし、失業手当ももらえばなんとかなるかなって気持ちで退職することになった。辞める半年以上前には管理者に伝えていたし、理由も正当なものなので特に引き止められることはなかった。そして退職を機に、今まで気にせずに動いていた、お金の存在を知ることになった。

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