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罪悪感たっぷり!パイナップルのざくざくケーキ


砂糖抜き生活から一転して…

「毎日かかさず」食べていたおやつを見直して砂糖の摂取についてもっと意識するようにした、という前回の記事。

その一方で、焼き菓子についての興味は尽きず・・・。
なかなか一気にストイックにはなれません。

今回は出盛りの甘くてジューシーなパインをケーキに焼き込めないかな、と作ったケーキが失敗して、結果的に「砂糖の摂取を控えめに」と言ってるわりには、あまりにも対極のレシピが出来てしまいました。

まず、、、パインをキャラメリゼする時にグラニュー糖を使い、生地にも、トッピングのクランブルにもそれぞれ砂糖を使用。
トータルできび砂糖70g、グラニュー糖50g、都合120gもの砂糖を使ってしまいました!

最初は生のパインをそのまま生地に焼き込んで、生地自体の砂糖が35g、クランブルには20gだから全部で55g。半分以下の配合で作ったのでしたがそれがなぜ、キャラメリゼする事になってしまったのかというと…。

くだもの,砂糖で「加工」すると素材が生きる


パインを生でそのまま使ったため、水分が出て繊維質だけが残りせっかくのみずみずしいパインが生かされない結果になりました。

そのケーキが↓です。

パインケーキ試作2

パイン(黄色の部分)の水分が抜けてぱさぱさしてしまっているのがわかります。

くだものを生のままケーキに焼き込むのは水分が出てしまうので失敗しやすいです。そこでそれを防ぐのと、おいしさを閉じ込めるような、何らかの加工が必要です。

砂糖で加工することで素材の水分が保たれ、そのくだものの美味しさが濃縮されて個性が引き出されます。くだもののコンポートやジャムなどもそれですが、今回はカラメルソースでキャラメリゼする事にしました。

砂糖でカラメルソースを作り、そこへバターを少し入れて濃厚なソースを作ったら、パインを投入、少し煮絡めることで香ばしく、コクが出てパインの味わいが深まります。

これなら水分は保持され、ケーキ生地の中で個性を発揮してくれるはず。

アップサイドダウンケーキも「砂糖で加工」パターン



アメリカのケーキで、「アップサイドダウンケーキ」というのがあり、まず型の底に砂糖とバター、パインや桃、ネクタリンなど水分多めの果物を敷き詰めて生地を流して焼き、最後お皿にひっくり返してケーキを取り出すというものがあります。

型の底で砂糖とバターで煮詰められたフルーツが最終的にケーキの上になる形。ケーキ生地に果汁とカラメルソースが浸みてフルーツの美味しさを堪能できるケーキです。合理的でラフで、誰でも失敗なく作れ、いかにもアメリカン。
これもフルーツを砂糖で加工するパターン。

今回は別鍋でカラメルソースを作り、バターを投入してパインを少し煮詰めます。砂糖とバターをそこそこ使ってパインの個性を引き出せたと思います。

パインケーキ7

↑キャラメリゼしたパインを耐熱ガラスに並べ、生地を流し込みます。


ざくざくのクランブルで食感に変化を



クランブルは「そぼろ状」のトッピング。

上から生地を流し、さらにトッピングとしてザクザクのクランブルをたっぷりとのせました。

クランブル無しで焼いてアップサイドダウン(上下ひっくり返し)してもいいけれど、ザクザクした香ばしいクランブルをたっぷりとのせるともっと美味しいはず。

クランブルの配合は無限です。今回はざくざくした食感がキャラメリゼされたパインケーキの生地とよく合うはず。大きく刻んだローストアーモンド、レーズン、ベースの小麦粉は全粒粉で作りました。クルミや、オーツを入れてもいいかも。

写真を見るとわかりますが、ちょっとワイルドなくらいザクザク感。普段の食生活で不足しがちな食物繊維やその他微量栄養素を摂取するチャンス、ぜひ、全粒粉100%&ナッツで作ってみてください。

香りとコクのためにバターを使う

パインケーキ3

↑パインがキャラメルソースの中でぐつぐつ…

焼いている時、砂糖の焦げるにおいとバターの香りが部屋中に満ちてたまりません。この香りのためにバターを使いたい・・・。
植物性の液体油脂でもかまわないですが、油脂をバターにすると香りだけでなく、ケーキ全体にコクが出て、これがまたカラメルソースとよく合うんです。どんどんヘルシーじゃなくなっていきます。罪悪感たっぷりに‥‥。

(飽和脂肪を摂りたくない人はバターをすべて植物油脂に替えても出来上がりの状態に違いはないのでヘルシーに仕上げたい人はぜひ)


パインまるごと1個買いがオススメ


ケーキの底はこんな感じ↓

パインケーキ9


キャラメリゼされたパインがこんな感じに↑。
でも、もっとたくさんパインを敷き詰めたほうがよかったと思います。型の直径は25㎝(底部分は約20㎝)で、台湾パイナップルをまるごと半分つかったのですが少し足りなかったかな。

このケーキを作る際、パインまるごと1個購入がおすすめです。
すべて使うということではなく、可能な限り使って、残りはフレッシュなパインを楽しんでください。

まず1.5㎝厚さにカットしたパインを焼き皿に「ぎっしり」敷き詰めてみます。小さくしない方が美味しいです。ラフな感じで大丈夫。

びっしり敷き詰めて必要量をまず割り出してから、カラメルソースを作ってそこへそのパインを投入、キャラメリゼします。
それを焼き皿にぎっしりと敷き詰めて生地を流して焼くという手順。
これで必要十分量のパインが過不足なく割り出せます。
残りのパインは食後のデザートや、朝食のヨーグルトに入れたり。フレッシュなパインを楽しみます。

丸ごと1個買いでフレッシュ・パインも、ケーキ用にも使えます。

罪悪感たっぷりケーキ、ひと工夫で軽減して


さてさて、こんな風に、素材の美味しさを引き出すのに砂糖は必要量使ったほうがいい時もある、というお話でした。

よくやってしまうのが、砂糖の量を減らして作ったらなんとなく物足りなくなってしまったという事があります。
甘みが足りない時は後付けで甘みを足すこともできます。アガベシロップ、メープルシロップなど…。

甘さの基準はひとそれぞれで、足りないな、もっと甘くしたいな、と思ったら後付け法で対処したり、次回作る時、もう気持ち甘くしてみてもいいでしょう。

けれどその前にいい素材を選んで丁寧に作ったお菓子なら、素材の味をじっくりと探りながら食べてみてください。
すると砂糖の甘さに隠れてわからなかった素材の味わいが感じられてきます。

ヒント:今回のケーキで砂糖を削るとしたら、、、

①キャラメリゼしたパインを型に並べたら、ソースは流し込まずにとっておいて食べる時に好みでケーキにかける分として取りわけておく。
→余計な砂糖とバターをセーブ。

②生地に入れる砂糖を30g程度にセーブ。パインやクランブルが甘いのでそれで十分美味しくいただけます。

③クランブルとケーキ生地の砂糖をラカントSに代替する。
これはずるいやり方!血糖値もセーブできるし、カロリー摂り過ぎもふせげます。ただしカラメルソース用の砂糖はグラニュー糖が断然作りやすいです。(泡立てる工程がない場合は砂糖をラカントSに代用可能。ラカントSを入れると泡立ちません。

自分で作っておいて言うのもなんですが、こんな感じでレシピを少しアレンジすると罪悪感も軽減するし、なにより、ヘルシーになるのでおすすめです。引き算レシピです。



<材料> 直径25cm(底の直径20cm)の耐熱ガラス皿

●カラメルソース
・グラニュー糖    50g
・水         10g
・さし水       20g
・バター       20g

●パイナップル    300gくらい(台湾パイナップル半身分でした)

●ケーキ生地
・卵         2個
・全粒粉       90g
・アーモンド粉    20g
・ベーキングパウダー    3g
・きび砂糖      50g
・溶かしバター    30g
・牛乳        30g

●クランブル
・全粒粉       60g
・ローストアーモンド 40g(粗く刻む)
・レーズン      30g
・きび砂糖      20g
・バター       30g

<工程>
①カラメルソースを作ってパインをキャラメリゼ。
②クランブル作り→冷蔵庫へ。
③生地を作り①に流し②をのせて焼く。

<作り方>

まずパインをキャラメリゼ。イメージできない場合はこちらの動画を参考にしてみてください。

①フライパンに分量のグラニュー糖と水10gを入れて砂糖に沁み込ませておきます。
②中火で加熱、フライパンを傾けつつ全体を溶かしながら色づけていきます。
③大きな泡が出来ますが次第に茶色になってきます。
④強めの中火で全体にこげ茶にします。
⑤ここで色止めにさし水を10g。飛び散るので気を付けて。
⑥さらにバターを入れて溶け切るあたりでパインを入れてグツグツします。ヘラであまり触り過ぎない程度に上下を返して煮絡めていきます。
形が崩れる前に火を止めてガラス皿に敷き詰めます。
⑦ソースも全部入れてしまってもいいし、残りを取りのけておいて食べる時にソースにするのもオススメです!

あとはもう、簡単、クランブルを作ります。

⑧バター以外の材料全てをボールに入れ、ざっと混ぜたらバターを小さくちぎり入れ、カードで切り混ぜます。
⑨だいたい混ざったら手で少し握るようにして大き目のそぼろにします。
こんな感じです。

パインケーキ2

冷蔵庫に入れておきます。

ケーキ生地作りと仕上げ。

⑩卵を割って、砂糖を加えて泡立て器でよく溶かし混ぜます。泡立てなくて大丈夫。
⑪そこへ全粒粉、アーモンド粉、ベーキングパウダーをいっしょに振るい入れて切り混ぜます。
⑫溶かしバターと牛乳も加え、生地を先ほどのキャラメルパインの上から流し入れます。
⑬180℃のオーブンで10分、いったん取り出してクランブルを全体に散らします。
⑭さらに20分焼き、取り出して竹串を刺して生地が付いてこなければ大丈夫。好みでしっかり焼き色を付けてもいいと思います。
「よく焼き」がおいしいのです。

さあ、切り分けて!

パインケーキ6

素朴だけど、ホームメードならではのおいしさ。冷めても美味しいですし、冷凍もできます。

底部分がまた、おいしいのです。パインましましがおいしいですよ。

このケーキにバニラのアイスクリームを添え、取り分けておいたキャラメルソースをかけるとさらに満足感(罪悪感)のあるおやつに!笑


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