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テレビドラマ『親バカ青春白書』感想

テレビドラマ『親バカ青春白書』(2020年)、本放送および hulu の未公開シーン復活版を視聴。

親バカ青春白書 公式サイト
https://www.ntv.co.jp/oyabaka/

ガッキーにとってはテレビドラマ『獣になれない私たち』以降、1年10ヶ月ぶりの連続ドラマ出演。CMには出ていたもののほんとに待望の出演ドラマ新作。

以下、話数順不同でネタバレ満載です。これから視聴される方はお気をつけください。

さあ面白くなってきたよ!てとこで終わった感じ。

観始める前には、永野芽郁、中川大志、今田美桜、新垣結衣等々の豪華なメンバーが、あの福田調の演出を受けた時どんな化学反応を起こすのだろうというワクワクがあった。

しかしながら蓋を開けてみれば今回はスラップスティックな感じは抑えめで、そこがまず予想と違った。ガハハと笑うつもりで観始めたのだから最初はどうしても物足りなく思ってしまうよね。

また、これも勝手な予想だったのだけれど、ドラマの方向性としてムロツヨシ演じるガタローが大学生のノリに巻き込まれていくと予想していたのだが、実際には逆で、ガタローが大学の友人達の保護者になっていた。

ガタローがなにかええ感じのことを言えばみんなそれを素直に聞くし、大きな声を出してその場をまとめてしまったりもする。主役である気迫が演技ににじみ出ていると思って観ていたが、その結果大学生たちの勢いを削いでしまっているように感じて仕方がなかった。

特に永野芽郁演じるガタローの娘さくらはシリーズ前半は物語を動かすような活躍の場がなくてもったいなかった。後半に中川大志演じるハタケと付き合い始めてからようやく活き活きし始めた感じだった。

他のメンバーも恋心の矢印がはっきりしてきてしかもシェアハウス状態に突入、いよいよ盛り上がってきた感じだったので、7話で終わりは本当に残念。楽しそうだったなあ、シェアハウス。

ではドラマとしての見どころはなかったのかというとそうではない。女性陣がとにかく魅力的だった。

永野芽郁演じるさくらは『鬼滅の刃』の禰豆子(ねずこ)のコスプレしたシーンと、体調を崩して成人式に行けなくなったことを謝るシーンが印象深い。あとは最終話で美咲に対し闘争心を燃やしているところで魅力が発揮されたと思うんやけど、これは私が『ミックス。』の印象に引っ張られ過ぎだろうか。

今田美桜は全編よかった。今田演じる寛子は登場人物の中では他にいないチャキチャキっぷりが爽快で、時々出る広島弁がまた良かった。3話のダンスシーンは冴えていたし、5話でさくらとハタケをくっつけるべく図って話し合った中でとりあえず突っ込んだ「武士か!」は絶妙だった。

小野花梨演じる美咲は、序盤の頃のお金にこだわるだけの頃の雰囲気と終盤のガタローに想いを寄せる頃で雰囲気がかなり変わっていて、役者さんはすごいなあと感心させられた。あとつまずいた時に細かく「あぶね!」とか言うの好き。

男性陣、中川大志演じるハタケや戸塚純貴演じる根来は純朴だったり素直だったりの人物で頼りなさも感じてしまうけども、一方で個性の強いキャラクターで登場するとにぎやかであった。ちな、根来は和歌山出身とのこと、私和歌山大好きなのでこれからも YouTube 頑張っていただきたい。

そして、我らがガッキー。ガッキーのシーンは確かに短かったが、あくまで大学生の物語だし、ドラマ全体の観点からいうならそれでよかった。それよりも残念だったのは、回想の中の幸子の言動があまり現在に影響を及ぼさなかったことだ。

例えば2話の回想シーン。幸子はさくらが選ぶ彼氏なら大丈夫とあれだけ言っているのに、現在のガタローは行動を改めなかった。ここで幸子の言葉を信じてさっさとハタケと付き合うことを許していれば、早くから活き活きとしたさくらが見られたのではなかろうか。

幸子が出てくる回想シーンは毎回あったから、仲の良い家族やったんやなあと実感を持って受け取れたけど、ドラマとしてはもっと幸子も込みで物語が動いていく一体感があればなあと思った。回想の部分と現在の部分が完全に分かれちゃってて寂しさを感じてしまうの。

しかしながらガッキー、ほんといいよね。

私は特に4話や5話での食卓で3人で話しているシーンが好き。子どもと一緒にいてるときの夫のいじり方が(やや元ヤン要素はあるものの)とても微笑ましかった。

そして6話。今回だけ特別な、ガタローと幸子の思い出を綴ったエンディング。登場シーンが少ないのは、それで良いと思ってもやはりフラストレーション。それを一気に解消させる爆発力があった。

そして最終話!元ヤンであることが判明して当時の写真が出てきたり、元ヤン気質が出て道路に飛び出したさくらやさくらをひきかけた自動車のドライバーに怒鳴りつけたり。最高だ。めちゃくちゃ怒鳴ってるんやけどやっぱりどこか優しいのよ。演技としては迫力不足なのかもしれないけど、なにしろスタッフ曰く「太陽のような」幸子さんだし、そもそもガッキーだもの、そんなあなたでいいじゃない(inspired by 十六茶)

さらに最終話からもう一点、幸子とガタローはともに東大生だったのだが、元ヤンの幸子がなぜ東大に行けたのかの理由が、幸子の通っていた高校に元暴走族の弁護士の先生がやってきて皆を煽りたて、それから猛勉強したからという、まんま『ドラゴン桜』なのにはさすがに笑った。

いや、ガッキーで東大といえば『ドラゴン桜』か『全開ガール』なのは承知している。『全開ガール』では繋がらないからやっぱり『ドラゴン桜』やな、なんて考えていたのも確か。娘もさくらだし。でもそれを本当にドラマに組み込んでいるとはさすがに思わなかった。

物語は大学3年に進級する直前で終わる。続編ありそう感はかなりあるけどどうかな? 続編を作るならいっそ幸子さん幽霊で現在に出てこないかしら、なんて。

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