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初めて仕事を辞めた2022年、私を支えた10曲。

去年、仕事を辞めた。

正確には2023年1月31日に退職。しかし使っていない有給がたくさんあったので最後の出勤日は12月28日だった。今はただぼうっとしている。
社会を知らない私を引き取り、長い間育ててくれた会社をやめるのはつらかった。仕事は苦しくても周りにいる人達が大好きでそれだけで働いていた。でもそれも限界がきた。病院のお世話にはなっていないからと笑っていたけど、トイレでゲボを吐き、更衣室で一人泣き、夜の事務所でキャビネットに額を打ち付ける日々が65歳になるまで続くと考えたら、それが人生でいいの?と涙が出た。今まではそこに退職という選択肢は無かった。あるのは「死」だけだった。自殺は怖くてどうしても実行できないから働く。それが今までの私だった。でも去年は違った。会社を辞め、唯一の友人のそばを離れ、自分の人生を探す。そんな投げやりにも似た勇気が不思議と持てた。そんな2022年の私を支えてくれた音楽達を、ここに記録しておくことにした。


1. 侵喰ぴぴぴKLAXON / MOVE ON

"前しか向けない 前しか向かない 今を進んでいたいから  弱音を吐いたあの頃なんて 全部 全部 壊せ"

2021年デビューの大阪をホームに活動するヴィジュアルつよつよのアイドルユニット、侵喰ぴぴぴKLAXONの曲。攻めまくりロックなスタイルと裏腹にめちゃくちゃに優しくて前向きかつ誰にでも響くような言葉がギチギチにつまっている。中学校の音楽の教科書に載せてもいいと思う。王道にかわいいアイドルが歌っていたらそこまで私に響かなかったかもしれないけど、見た目の通り自分の生き方を体当たりで模索しまくってる彼女達が歌っているからこそ心に突き刺さった。良い曲。

関係ないけど侵喰ぴぴぴKLAXONは音源のない曲が多くてライブに行くとびっくりする。音源もっとだしてほしい。好きだから。運営さん、お願いします。

2. 椎名ぴかりん / +゚*。:゚+ (*´∀`*) +゚:。*+ぴかりんFUTURE+゚*。:゚+ (*´∀`*) (+゚:。*)

"ねえねえ あたしとフューチャー 間違ってみようよ 季節限定 へんな味 チョコレート食べながら"

私の敬愛する大森靖子さんが作詞作曲。去年セルフカバーの曲を出していたので知った。椎名ひかりさん本人のことはあまり詳しくないんだけど、めちゃくちゃに可愛い一曲。そして、Vちゅーばーヤケクソうさ子がファンに対して持ってる気持ちと最高に一致している、そんな一曲。

愛してほしい!愛してほしい!自分の全部を愛してほしい!という気持ちと、みんなの全部も愛したい!というファンに対する気持ちがある。歌の中には”イタいキモいクサいもすき” ”流れ星見たら絶対写メ撮って送って” ”きみのダサいそのハートもっとみせてよ”という歌詞がある。私はファンのみんなのなんでもない事、はたから見たら気持ち悪いような事、ありふれた日常の事、なんでも見たい。私のファンの中にはクサいこと言う人もいるけどそんなとこが好き。普段の晩御飯の写真を送ってくれる人もいる。それも好き。私は全部見せるから、みんなの全部も見てみたい。そんな気持ちをかわいく歌ってくれてるのがこの曲。自分の気持ちが他人の歌に乗ってるとなんだか肯定された気持ちになる。自信が持てる。っていうかこの感情、Vtuberとしての感情じゃなくてツイッタラーとしての感情な気もする。まぁいいよね。はははは。はい。


3. Haze / ギャルガル

”ねえねえ お前は飛ばすの 甘い近道なんてないけど 全部どうでも良くなる だって響かせたいから”

夏ーーーー!!って感じの楽しくてカッコイイ曲。MVもめっちゃかわいい。でも歌詞にはじっとり暗い部分がある。それが私の感じるHazeの魅力です。今まで人生についってまわってきた失敗、叩きつけられた悪意、侮蔑、そんなものに対する反骨精神が歌われている。でもそういう物に対して見返してやる!といった復讐心ではなく、そんなくだらない物ほっといて、自分の進みたい方向見てまっすぐ進んでいこう!って気持ち。いやいやそんないきなりつよつよにはなれいないよ!っていう未熟な自分もウブでかわいいでしょ?と、おどけながら私の背中を押してくれる。やりたい事やっていたら、進みたい方向をむいて歩いていたら、気持ちよくて全部どうでもよくなるでしょ!?って教えてくれる。とても心強い、ほんとギャル〜!っていう感じの前向きな一曲です。

あと、”生きてて偉いはネット上だけだし”って歌詞めっちゃ好き。そのとおりだと思ってたけどあんまり大声では言えなかったので聞いた瞬間でしょでしょでしょ!!!となった。良い。

4. saya. / adios

”悲しくなったら 海へ行こう 世界は美しい それを知っている”

この一節でもう完全に「あ、わたしの歌だ」となったsaya.(サヤドット)さんの一曲。海に行くの、好きです。他にも『逃げることからずっと逃げてきた 転んで傷をつくっても痛いと叫べなくなった』などなど私要素満載。やさしい歌声とやさしいギターが晴れの日の散歩にぴったり。まぁそんな爽やかなこと私あんまりしないけど。歌詞の内容はおおまかに言うと引っ越しの歌。うまくいかなかったことがあって、そこから離れ、違う町へいく。そんな歌。細かくは違うけれど、仕事をやめて違う町へ行こうと考えてた頃の私の横に、優しくそっとよりそってくれた、となりを歩いてくれていた。そんな思い入れのある一曲です。


5. 福山芳樹 / キングゲイナー・オーバー!

”キングキング!!キングゲイナー!!!  キングキング!!キングゲイナー!!!
 キングキング!!キングゲイナー!!!  キングキング!!キングゲイナー!!!”

とにかく目が覚める。


6. さめざめ / 生まれてきた意味なんてなくても

”気付いたらみんな恋人がいて 気付いたら私は大人だった”

は?今年の私のための曲か?って感じの曲。サビでは「これから!これから!これから!私の人生はこれから!」と繰り返され、初めて聴いた時は私の心境をそのまま歌にしてくれたのような気分だった。もちろん車の中でひとり何度も歌った。大声で。今の説明だけだと前向きな気概に満ちた歌に聞こえるかもだけど、本質は「これからこれからこれかられから そう思いたい そう思いたい」という歌詞の通り、自分に言い聞かせるような、嘆きを叫ぶような、そんな曲。

ある程度の期間生きてきて、他人との差が見えてきて、なんだか自分が遅れているような、自分はハズレなのかもと思ってしまうような、そんな夜もあるけど、それもでも生きるのだ。とにかく自分を鼓舞して、自分のために生きる!生まれてきた意味なんてなくても!!自分のために生きる!!!と、思えるようになる、大好きな一曲です。


7. 夢眠ねむ / あるいは夢眠ねむという概念へのサクシード

”わたしの名前をあげる 流れ作業の神様に とくに使命も与えられず この世に生まれたあなたに”

元でんぱ組.incのねむきゅんのソロ曲。曲はド直球にあなたも夢眠ねむになれます。っていうか明日から夢眠ねむです。っていう内容。それは”アイドルのねむきゅん”本人になれるという意味ではなく、人を癒して温める事はあなたにもできるよ!という意味。さっきのさめざめの曲で『生まれた来た意味なんてなくても』という歌詞に大共感していた通り、私はいつも自分の存在意義が見つけられず虚無感を感じている。そんな私に対して、生きる意味なんていつかわかるよ!ではなくて、具体的に「わたしの名前をあげる。それが生きる意味だよ。」って言ってくれる。それは私がVちゅーばーとして活動していること、おどけた事を言って友人達を笑顔にすること、それら自体が私の素晴らしい存在意義だと教えてくれているように感じられた。

この曲の中には人を癒す方法について説くような歌詞がある。『癒されるってどういうこと? 心をほどいてくれる誰かがいること それには技術が必要? ううん、いるだけでいいの』この一節を聴いて私はなんだか自分の中の憑き物が落ちたように感じた。私は人と接する時つい、ちゃんと共感しなくちゃ!いいアドバイスしなくちゃ!考えを広げるような質問をしなくちゃ!とか考えて、結果それができない自分に落ち込むんだけど、そうじゃないんだ、って。実際にリアルでもSNSでも、自分自身は他人に対して特別なカウンセリング能力は求めていない。ただ笑ってくれてるだけで、ながら聞きしてくれるだけで、意味わかんない奇行に走ってるの見るだけで、それだけでも心は癒される。私も誰かにとってそういう存在でありたい!そう思った。現実でもバーチャルでも、一人のヤケクソうさ子として人々を癒したい。そんな使命を私に与えてくれた、大好きであったかい1曲です。

8. おかありな / 百年

”百年たったら全部 全部終わりさ
 だからと言ってはなんだけど となりで
 となりで となりで いつまでも 笑ってくれ”

祈りみたいな一曲。おかありなさんは活動休止してるみたい。一人で働いてごはん食べて洗濯して、思い描いたようなキラキラした日々は過ごせなくて、心が擦り切れて、でも素敵な事や大切な人もいて。どうせみんな死ぬんだからって言って時間を盾にするわけじゃないけど、生きてるんだったらせめてそういう大切なものに触れる時間を大切にしたいねって思う。勇気を出して他人に触れたいって思う。そんな感じです。はい。ふふふ。

9. 大森靖子 / 前説ADvance

”前説アドバンス 聞き慣れちまったハードな溜息を ハートフルな話題に変えて つくれ ストーリー 本編はこれから”

去年の私が一番リピートした曲。尊敬する大森靖子ちゃんの凄い凄いまっすぐな転職ソング。いや、転職ソングっていうのは私の勝手な受け取り方の問題なんだけど。一時期この曲を聴くたびにめちゃくちゃに泣いていた。ボロボロになって、会社に退職願を出したばかり頃、私にとっての退職は全く前向きなものではなかった。完全に逃げの行為だった。苦しみからの逃避、諦め、弱さの象徴、そんな感じだった。でもちょうどその頃にこの曲が発表されて、考えが変わった。退職は後ろ向きな逃げではなく前向きな行動に変わった。わたしはこれを機に幸せになるんだ!わたしは幸せになりたいんだ!人生諦めてないんだ!そう思った。凡庸な表現だけど暗闇に光が差したような感覚だった。折角生きてるんだから、幸せになるんだ!という当たり前なのに忘れていた感情を思い出せた。『つくれストーリー 本編はこれから』という歌詞、私はこの言葉をずっと握りしめて生きていくと思う。私はつくっていく。自分の人生をつくっていく。これからが、本編だ。

あとこの曲はMVがめっちゃいいのでほんと見てほしい。めっちゃすき。初めて見た時は心がひねくれてたので「なんかきれいごと言ってる…」ってなったけど4:00のとこの靖子ちゃんの優しい表情を見て、気が付くとめちゃくちゃに泣いていた。二回目を見たらずっと泣いていた。この曲が収録されてるアルバム超天獄もおすすめ。靖子ちゃんの作家としての強いスタンスみたいなものをひしひしと感じれて良き。強い。はい。

10. 片山さゆ里 / 帰り道

”誰にも弱さ見せずに 今日まで生きてきたこと
 そういう誰かを演じて 今日まで生きてきたこと
 誰もいない夜の底で ぽろぽろ泣いたこと
 歌になったら 聴かせてね”

大好きな片山さゆ里さん(以下さゆゆ)から年末いきなり届いたラブレターみたいなEPこと片山さゆ里作品集③の中の一曲。全四曲の他の曲もめちゃめちゃ良いんよ!『ねぇ生きていくことは砂漠を歩くみたいだ』という歌詞にめっちゃ共感する”砂漠”、やさしい歌声で刹那的な人生を歌う”晴眼者”、めちゃくちゃエモくてかっこよくて最高最高な”星を撒いた街”、そしてこの”帰り道”。どれもめっちゃすき。

でも今回そんな4曲の中でこの曲を記事のトリに選んだのは最初に書いた一節が自分のための言葉みたいに感じられたからかもしれない。素朴でシンプルなギターの音とさゆゆの優しい歌声。それらが私の心を解きほぐす。今までたくさんつらかった。苦しんだ。泣いた。そのくせ考えるの放棄してぼけーっとしてたりした。怠惰の日々。そんな感じの人生をほぼ全部ツイッターに晒したりして、みんなに見せている。youtubeの配信で醜態を晒したり、嬉しかったことを報告したり、今こうやって苦い部分も含めて自分の内臓を晒すような記事を書いている。これら全部、私なりの歌なのかもしれない。そんな風に思った。

さゆゆは”歴史”という曲の中で『同じ星を眺めるあなたと話がしたくて歌ってきた』と、歌っている。私にも似た思いがあって、youtubeの私の最初の動画では「友達がほしい」と話をした。それは、言葉の通りの意味でもあるけど、とにかく自分を晒して晒して晒して、共感者に出会いたかった。好きなもの、悩み、思想、そういったものの共感者に。地味なりに4年も活動を続けていると多くの人と出会うことができた。それはただ愚痴垢に言葉を垂れ流すのではなく、Vちゅーばーヤケクソうさ子というフォーマットを通して、コンテンツとして自分の気持ちを形にしてきたおかげだと思う。私はいつも歌手に憧れていた。売れる売れないの話ではなく、自分の気持ちを音楽に乗せて発信するその姿に憧れていたのだ。でも、形は違うけれど私も同じことをしてたのかもしれない。私の歌、それはVちゅーばーヤケクソうさ子。わたしの人生から切り出した私自身という作品。本質的には憧れはすでに実現していたんだ。そう気付くことができた。これからも、色んな気持ち、喜び、苦しみ、全部みんなに伝えられるように、もっとうまく伝えられるように、がんばって生きていこう。明日も。明後日も来年も。そう思った。片山さゆ里作品集③、大好きな一枚です。


今年をどう生きるか、まだ何も考えていない。

今住んでいるアパートは引き払い、私を保護してくれる家に引っ越すことになった。しばらくはそこで家事手伝いだ。貯蓄は全然ないけど、数か月は生きていける退職金ももらえた。初めての長期休暇が唐突に始まった。友人も少なく、いままで勤めていた会社のこと以外の全く知らない私にとって社会は広大な砂漠とそこに浮かぶ蜃気楼の街のようなものだ。でも時間は少し余裕がある。少しずつどう動くか考えていこうと思う。Vちゅーばー活動についても、今が何かにチャレンジするチャンスだし、色んなことに手をつけてみたいな。なんて思う。

とにかく、なにも焦ることは無い。
いままでは苦しみが先行して見えていなかったけど、わたしは本当に恵まれた境遇にいて、友人やファンのみんななど、支えてくれる人も多くいる。
わたしはわたしらしく、ただそれだけを大切にして、これからの人生をつくっていこうとおもいます。
がんばるね。ふぁいぴ。よろしくお願いします。はい。



おわり。ヤケクソうさ子。

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