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僕の1番好きな映画「オールドボーイ」※ガッツリネタバレあり

クソガッツリネタバレありまくりなので見てない人はあらすじを調べないで今すぐオールドボーイを見てください。最高の映画なので。
Filmarksのネタバレ有りレビュー(Filmarksのアカウントは下に貼ります)をちょいちょい弄っただけなのでちょっと語り口が変かも知れない上、
ネタバレ有りな事もあって"見た前提"で話を進めます。
さらには大好きな映画の大好きな所を語るだけです。
お手柔らかに!

アメリカポスター。
カナヅチ振り上げも良いけどコレが
1番格好良い!


アメリカでの再上映の際のポスター。
これまたイカス!

さてと、
タイトル通り1番好きな映画。
初めて見た時はあらすじを一切見ずに見たのが良かった。
最初っからぐんぐん引き込まれた。
デスはなぜ監禁されたのか、一体誰がやったのか、復讐映画であることすら知らなかったからこそ、これから如何なるのかゾワゾワしながら見た記憶。

ミステリー、サスペンス、スリラーがメインジャンルだと思うが廊下でのアクションシーンや1種ブラックコメディ的なシーンまで本当に秀逸。
格ゲーの横スクロールみたいなカメラワークや、敵がチンピラなのもあって仕草などに絶妙にコミカルな所があるのが良い。
デス自身がジジイだから無双とまでは行かず肉体の衰えを感じるチェ・ミンシクの演技も素晴らしい。

ただやはり1番見ていて楽しいのは謎が明けていくワクワク感、ゾワゾワ感。
そして何よりやり過ぎる位にやり過ぎる韓国映画、いやパク・チャヌク クオリティーの高さに圧倒される!
決してミステリーだけでは終わらず復讐映画としてのドラマの魅力も大きなポイント。

監禁の犯人であるウジンの復讐の動機としては"デスが自分と自分の姉が性行為をしている姿を目撃し、噂を広げた為に姉が自殺した"というモノ。

そして復讐の内容はデスを15年間監禁、そして開放。
復讐に走らせ、ミドと出会わせて催眠術で愛し合わせる。
だが、そのミドはデスの実の娘だった…

このウジンの動機、それに対する復讐をやり過ぎだ、と捉える人が結構居たけれど、"恋人としても家族としても愛していた人を自殺に追い込んだ噂を広げた奴がいた"としたら…
そう考えれば僕はやり過ぎとは一概に言い切れない気もする。(まぁ、学校でセックスするなよ…とは思うし、噂を広げたのはデスだけじゃ無くね?とも)

後はリアル志向な世界観の中、催眠術というファンタジーなモノが物語で重要な役割を持つのが気に入らない人も居るだろうけど、
この設定はウジンは姉と"肉親であると互いに自覚しながらも本当に愛しあった"のに対し
デス、娘のミドは催眠術という瞞しとも言えるもので
"肉親であると互いに知らずに愛しあった"
これは美しい対比で惨い復讐であると同時に
"自分たちは正しかった"と証明したいウジンの気持ちが現れているし"お前達は如何なんだ?"とデスに問いかける素晴らしい復讐であると思う。

だがウジンの復讐はそこで終わりでは無い。
デスは真実を知った。
きっと死にたくなる程に辛いことだろう。だから最後は催眠術師の所まで行って"記憶を消してくれ"と言った。
だが、何で催眠術師の所まで行ったんだろう?死んでしまえば手っ取り早いのに。
デスが死ねなかったのはミドが居たからだ。
きっとあの状態でデスが居なくなってしまったらミドは生きていけない。
つまり、デスはミドの為に死にたい程の真実を知っても生きていかなくてはなら無い。
その真実の核である"娘のミド"と共に。
それは目を背けたい真実を間近で直視しながら生きていかなければならないと言う事だ。
ウジンの復讐はデスが死ぬまでずっと続く。

だからこそデスは死ねず、記憶を消してもらう事を選択したのだ。
でも、デスは本当に記憶を消せたのか?
それはラストシーンを各々解釈すれば良い。
まぁ、きっと…

ストーリーが本当に衝撃的で前述した通り、ミステリーだけじゃなく"復讐"というテーマを見事なドラマに昇華している。
デス、ウジン、共に復讐に取り憑かれ、最後までその苦しみの中から抜け出す事ができなかった悲しみ。
結局、ウジンはデスへの復讐を完璧に果たしても、復讐を生きがいに生きてきた為、もう生きる意味はない。なくなってしまった。だからこそあの最後なのだ。


ウジンの"復讐"のデスを苦しめ続ける惨さ。
よく取り沙汰される暴力シーンは苛烈であるけれど見たくない所は見せない程度なので"暴力"はあまり尾を引かない。
だからこそウジンの精神的にズシンと響く"復讐"がより鮮烈に際立つ。

決して正攻法とは言えない描き方だけれど、この映画は間違いなくラブストーリーでもある。(パク・チャヌク監督自身もそう言ってる)
"近親との愛"はウジンを復讐者にした大きな理由であり、デスを苦しめる為の大きな罪でもある。
これもまた一つ、愛の描き方だろう。

そうすると最新作の"別れる決心"は本当に正攻法なラブストーリー

チェ・ミンシクをはじめとした役者陣の演技もクオリティが高い。少しオーバーな演技にも感じるがこの映画にはあっているし引き込まれる。
更に映画全編に渡ってサントラが素晴らしい。
展開にマッチしワクワク感、ゾワゾワ感を最大限に増幅する。



長々と書いたけれど本当に大大大傑作だと思う。
こんなにも惨い内容、結末なのにラストカットの自然の景色は本当に広大で美しい所も涙を誘う。

俺は獣にも劣る人間だが
生きる権利はあるんじゃないか?

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