Re:Re: シン・ゴジラを絶賛しないといけない、こんな世の中じゃ

「シン・ゴジラを絶賛しないといけない、こんな世の中じゃ」というnoteの記事があり、結構批判されていた。元記事は消えてしまったので、はてぶを貼っておく。

シン・ゴジラを絶賛しないといけない、こんな世の中じゃ|りなてぃ|note http://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.mu/rinatie/n/n98b34be1db04

スターの多いコメントを見ると、シン・ゴジラを批判する人に対する風当たりの強さを感じざるをえない。出版社がどうこう、などは批判への批判となっておらず人身攻撃に近い。名もない人の意見をそこまでして叩かなくてもいいのではないか。この人はあの良さが分からないなんてもったいないな、とスルーすればいいものを、見つけたらよってたかって攻撃していて、それが結果的に彼女のブログのタイトルを裏付けているようにも思える。

一応言っておくと、私はりなていさん?とは何の関係もない。消える前にその記事も読んだが、「え、そんなところが引っかかって批判してるの?ちょっと批判材料としては浅くないか?」と思った。でも、ブコメを見て軽くひいてしまった。ちょっと異常じゃないか?

で、その上で、私もシン・ゴジラが楽しめなかった一人である。せっかくなので、意見を書いておく。

まず、前提を書いておくと、私は過去のゴジラは見たが、エヴァはほとんど見ていない。twitterなどで評判がいいので、純粋に楽しみたい気持ちで一人で見にいった。しかたなく、とか批判したくて、とかで見に行ったわけではない。

見はじめてから、少しずつ、自分の気持ちが冷めていった。ゴジラが何か分からない時点での、矢口がなぜか答えを知ってるかのような言動を始めとして、石原さとみのこんなやついるわけねーだろというキャラと発言など、細かいリアリティのなさが積み重なっていった感じだと思う。

一番ひっかかったのは科学者たちが解き明かしていくゴジラのコアの部分の解析の話。研究をやったことある人なら分かると思うが、自身に近い分野の話であればある程度理解したり議論したりできるが、そうでなければ説明してもらわないことには理解できない。ゴジラの解析においてはなぜか違う分野の専門家たちが、そして官僚の人までも、その解析結果について説明なしに理解しており、そんなわけねーだろ、研究者なめんな、と感じました。たとえば生物の生態系研究してる人が、あんな化学構造すぐ理解できるわけないんですよ。

そんな感じで、あの専門家集団の言動には変な部分が多く、まったく共感できないままじわじわと冷めていってしまった。これは細かいことを気にしすぎなのかもしれないし、何か理解が足りてなくてそう思っているのかもしれないし、あるいは理系として生物も化学もある程度知識があり、なおかつ大学院で研究していたこともあるので余計にそこの違和感が増したのかもしれない。

ここの違和感が理解してもらえないかもしれないので、他の映画を例に挙げると、私が今までも人生で見た映画の中で一番クソだと感じた「海猿2」にも、同じような違和感を覚えるシーンがありました。記憶が定かではないのですが、主人公(たしか伊藤英明)が沈みゆく船の上で、恋人(たしか加藤あい)に電話?して愛を伝えるシーンがあります。そこで私は、「おいおい、こいつバカか、早く逃げれば間に合うのに何してんだ」と冷めてしまい、まったく感動できなかったわけです。で、このときは同じことを感じたのは自分だけじゃなかったみたいです。

参考:痛いニュース(ノ∀`) : 【映画】『海猿』がニューヨークで上映され、なぜかニューヨーカーが爆笑 - ライブドアブログ http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/738318.html


こういうの、すごい冷めちゃうんですよね。いや、フィクションだから、とか映画なのに何リアリティ求めてるの、とかおっしゃるかもしれないですけど、試しに海猿2を見て欲しい。なんだこれ、と感じる人がいると思う。それと同じ感覚を、シンゴジラでも感じる人がいる、ということを、別に理解してくれなくてもいいけど、叩かないで欲しい。

最後に、迫力ある映像とか、福島原発をテーマにしたこととかは素晴らしかったと思いますし、その中で官僚の体質を誇張して批判的に描いたり、責任を取りたがらない日本人の描写などは好きでした。このあたりはリアルより誇張して描かれているのですが、そのような演出として理解できますし冷めることはないです。

(こういう部分が好きな人は、「12人の怒れる男」を見た後に「12人の優しい日本人」を見ることをおすすめします。私の好きな映画です。)

ぐだぐだの文章ですが、眠いのでこのままにしておきます。意見・反論欲しい。

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