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「とある介護施設のケアから学ぶ」

若手介護士の美咲


若手介護士の美咲

とある地方の介護施設、「桜の家」で、新人介護士の美咲がベテランの介護士である恵子と一緒に働き始めました。美咲は大学で最新の介護技術を学び、自信を持って施設に入社しました。一方、恵子は20年以上の経験を持ち、昔ながらの方法で利用者をケアしてきました。

ある日の午後、美咲は利用者の田中さんに対して新しい介護方法を試みようとしていました。恵子がそれを見て、声をかけました。

「美咲ちゃん、その方法はどうなのかしら?」恵子が問いかけました。 「大学で習った最新の技術です。これで田中さんの負担も軽くなるんですよ。」美咲は自信満々に答えました。

「でも、田中さんは長年この施設でこの方法に慣れてるのよ。急に変えるのはストレスになるかもしれないわ。」恵子は心配そうに言いました。

「でも、新しい方法の方が効果的です。試してみる価値はありますよ。」美咲は譲りませんでした。

「田中さんの体調も考えなきゃいけないのよ。安全第一で行かなきゃ。」恵子は強く言いました。

その後、美咲は田中さんに新しい方法を試みましたが、田中さんは戸惑いと不安を感じてしまいました。結果として、田中さんは体調を崩してしまい、恵子がすぐにフォローに入りました。

ベテランの主張

ベテラン介護士恵子

「だから言ったでしょう、新しい方法が必ずしも良いとは限らないのよ。」恵子は静かに言いました。

「すみません、恵子さん。私が間違っていました。」美咲は反省しながら答えました。

その日の終わりに、恵子と美咲は休憩室で話し合いました。

「美咲ちゃん、あなたの学んできたことは素晴らしいわ。でも、利用者一人一人の状況をよく見て、適切な方法を選ぶことが大切なの。」恵子は優しく言いました。

「はい、恵子さん。でも、大学で学んだ最新の技術も試す価値があると思うんです。」美咲は真剣な表情で答えました。

「確かに、私も自分の経験に頼りすぎていたかもしれない。私たちが考えなければならないのは、田中さんを含む全ての利用者が『望みを反映して』快適で安全に過ごせることね。」恵子は続けました。

目的を利用者ニーズにむける

「そのためには、私たち二人が持つ知識や経験を融合させて、最適なケア方法を見つけることが大切ですね。」美咲は納得しました。

「そうね、お互いの意見を尊重しつつ、最善の方法を模索しましょう。」恵子は微笑みました。

「ありがとうございます、恵子さん。これからも一緒に頑張りましょう。」美咲も笑顔で答えました。

こうして、桜の家の二人の介護士は、自分たちの経験や知識に固執せず、お互いの意見を尊重し合いながら、利用者にとって最適なケアを提供するために協力し合うことを誓いました。それぞれの経験と知識を活かして、より良い介護を目指していくことが、彼女たちの新たな目標となりました。

ケアをよくするために問いを持つ

もし、このような形を目指す場合には以下の問を必ず持ちましょう。

「私たちが提供するケアの最終目的は何ですか?その目的を達成するためにはどのようなアプローチが最も効果的だと思いますか?」

  • 目的を再確認し、そのために必要なアプローチを考えさせることで、柔軟な思考を促します。

「あなたの経験・視点に基づく方法と他の人の提案するものを比較した場合、どのような違いや共通点がありますか?それぞれの方法をどのように組み合わせることで、利用者にとって最適なケアを提供できるでしょうか?」

  • 自分の経験と他人の意見を比較・対照させ、両者の良い点を取り入れた最適な方法を考えさせます。

「私のケアの方法」から「私たちのケアの方法」につなげていますか?

  • 自分の正しさではなく、私たちの正しいやり方のみできているか、できていないかを基準として判断できます。

    「その仕組みは利用者のニーズからうまれたものですか?スタッフのニーズから生まれたものですか?」

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