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子ども番組は「元気ポルノ」か?感動ポルノとの違いとSNSの怖さ

オシエルズの矢島です。

人に感動を押し付けられるのは「感動ポルノ」と批判されますが、例えば、子ども番組の、いかにも「子どもだから元気が一番でしょ!」感満載の演出は「元気ポルノ」とは言われませんよね。

「子どもはみんな元気じゃなきゃいけないの!?」「ウチの子は内気だから、あんなの見せられたらコンプレックスに思っちゃうわよ!」「キッズアニメの主人公で元気ないやつ0人説ワロタ。元気の押しつけやばっ」「どの番組も元気な演出がされてて、あからさますぎて萎える」みたいな声は、ほとんどないですよね。

これは、個人的な見解なんですが、「不快に思う人数の差」なんだなと思います。つまり、前者は「感動の押しつけ」が不快に思う人が多いから炎上したわけです。

反対に、子ども番組を観て「元気の押しつけ」と思う人は少ない、いや、ほとんどいないといっていいでしょう。むしろ、そんなことを言い出したら「お前、正気か?」と世間に批判されそうな空気を察して言ってないだけかもしれませんが(笑)

話は変わりますが、一時期に流行っていた「涙活」は、いわゆる「感動ポルノ」的なものに逆行して、泣きたい人が自ら泣けるものを求める活動でしたよね。

考えてみれば、官能的なものは「見たい人が観る」ものですよね。エロいものを観たい人がエロいものを観る…これは当然の話です。もちろん、エロいものをお茶の間で、不特定多数の大勢が観るTVのゴールデン帯で流したら、エライことになりますよね。だから流さない。これは分かります。

極端な話、「感動ポルノ」も行くところまで行けば、ゴールデン帯でいかにもお涙頂戴スタイルの番組は辞めてくれ!って声が多く挙がって、感動的な番組も深夜帯でしかできなくなったり、そもそも、TVから姿を消してしまうかもしれません。

ただ、きょうび観たいものは探せば観れるわけです。それこそ、Tverのように、追っかけ視聴でリアルタイムじゃなくてもTVコンテンツを無料で観れたりします。「視聴者の取捨選択が容易にできる時代」において、殊更TVに対して「あぁ、○○ポルノだ」って言う必要は、もうないんじゃないかと思っています。

つまり、「観たくなければ観なければいい」という視聴者の自由が現在もあって、これからも、その流れは加速していくのです。

そもそも「ポルノ」とは、特に性的感覚に働きかけるとの、という印象だと思いますが、元は「感覚器官の働き」を指す言葉であって、感動することも、いわゆる感覚器官を働かせることになります。それが性的でないだけの話で、感覚(感情)に働きかけるという意味では、「ポルノ」の要素を持っています。

感動そのものが官能的なものなのに、それをわざわざ「頭痛が痛い」みたいな表現で「感動ポルノ」だと言う必要があったのでしょうか?SNSで拡散して炎上させるほどのものだったのでしょうか?

そうやって考えていくと、一つの仮説が成り立ちます。あえて番組名は伏せますが、その番組が流れる時期になると、決まって「これは社会的弱者を利用した感動ポルノだ」と批判する人たちが出てきます。

僕は、こういった批判をする人たちは、元々その番組の在り方自体を(感動ポルノ以外の部分でも)不満に思っていて、どうにか貶めてやろうと画策し、アラを探していった結果、「感動ポルノ」という、いかにもSNSで広がりそうなキャッチーなワードが生まれたんじゃないかと思うんですね。

つまり、その番組を貶められれば何でも良かったわけで、ここまでするか!というアンチの執念すら感じてしまいます。

感動的な番組の構成には、どうしてもバックボーンが必要で、それは「弱さ」や「ハンデ」から見つかるものが多くあります。そういう点では、社会的弱者(この言葉、好きじゃないんですが、便宜上使わせてもらいますね)にスポットライトが当たってしまうのは仕方がないことです。

でも、そんなこと言い出したら、子どもだって大人に比べたら社会的弱者ですよね。その子どもを引っ張り出して、あるいはその子供たちに向けて、元気いっぱいの番組を作ることと、「感動ポルノ」は何が違うのでしょうか?とても不思議です。

まぁ、上記は一つの仮説として、話半分で読んでいただければと思うのですが、子ども番組の「元気いっぱい演出」も、近い将来、「元気ポルノ」と批判されちゃったりするのかなぁ、と不安に思ったりします。

今のところ、子ども番組の元気演出に不快感を抱く人は、SNS上ではほとんどいませんが、前述の通り、何かを貶めるためなら、いくらでもアラを探して批判する輩もいますからね。それが面白がられて、いろんな人が乗っかりだして拡散されたら分かりません。

ちなみに、僕は子ども番組の元気いっぱいな感じ、メチャクチャ好きですよ(笑)

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