innocent world vol.3 〜雲のつくり方〜

 パラグライダーに乗る子がいて、上昇気流に乗れば長く飛べるという話をしてくれました。上昇気流はどうしたら見つけられるのか?それは雲のあるところの下に流れているらしいのです。

 海に出た時、島の場所がわからなくなったら雲を探せばいいとか。

 地表で温まった空気が上に昇って高度をあげると温度が下がるでしょ、その時に空気中の水蒸気が水や氷になって姿を表す・・・これが雲。雲の中で水滴が成長して重くなって落っこちてくるのが雨。

 南の島でスコールに会うと、いきなり寒くなることがあって、それは雲が地表の温度を吸い上げるからで、海の温度が上がるとそれは熱帯低気圧になって台風になって、やっぱり海水の温度を吸い上げながら(食べながら)どんどん成長します。そういえば、熱帯低気圧が発生する前の海は温泉のようにあったかいです。だから熱帯低気圧、それが成長して台風が起こらないと、水温が上昇してサンゴが死滅してしまうそうです。

 都会は屋根、壁で分断されてるからつながりを感じにくくなってるんだけど、当たり前のことだけど太陽は昇り沈みの速度をあげたり下げたりしないし、雲も突然現れたり消えたりしない。熱に限らず、全ては大きく緩やかに流れていきます。

 屋根のないところでほぼ半裸で生活していると、その流れ、循環がとてもよく見えるし、感じます。森も海も、木々や草花・・・全てがなだらかに繋がっていて断絶がない。海は空の色を写し、風と潮の流れはカオスのような循環を作って優しく流れています。昔の人はそのシステムを感じて、とてもうまく利用していたようです。

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サバニ・・・meggmitsudaさん撮影

 船が環境に左右されず、人間が楽に早く進めるようにエンジンは開発されたと思うんだけど、エンジンは風も潮の流れも切り裂いていくから、そこから自然の息吹を感じるのはとても困難です。人間は虫から離れ、季節から離れ、大地から、海から離れ、逃げて逃げて逃げまくって都市を作って、そこに安住したんだけど、コンクリートとアスファルトが循環を奪って地表を高温にしてしまって、それがゲリラ豪雨を産むのは仕方ないことだと思います。

 vol2〜ようやくたどり着いた楽園はゴミだらけ〜で書いた鹿川湾が、今のようにプラゴミだらけになったのはここ30年の話。そういえば現在の大気中の炭素の半分はこの30年に増加したそうです。この30年て何があったのでしょう?

 学説では縄文時代って1万年以上続いてるでしょ。10000と30じゃ比べようもない。今の生活にある種のピーク感、終末感は否めません。

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 地球は美しい。雲の流れる空は美しい。人の織りなす物語は美しい。鳥の声は美しい。美しいものを見て聞いて暮らしたい。今ある美しさをずっと感じていたいです。

 昔住んでいた家の裏は1キロ先の川まで続く広大な範囲が森のようになっていて、全く遊びに不自由しませんでした。それが四十年のうちに、全てアスファルトに囲まれてしまって、お店と車が行き交うだけの道になりました。神様が作った精巧なシステムは循環云々を言うまでもなく、土地としてのポテンシャルを多分地球発生史上、類を見ないほど下げたと思います。子供の時に失っていく景色を見ながら感じたあの感覚は今も生きています。そして、大人になった今、僕は自分の意思で行動し、好きな場所へ行くことができるのです。つづく

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 サバニに乗りたい人は、沖縄に海想っていうお店があるんですけれども、ここの社長の森さんにぜひ相談してください(^^)ホームページのお問い合わせから連絡届くのではないでしょうか・・、それか僕経由で!!



 

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