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チャンスを逃すとはこういうことかという話

気が付けば彼の100本ツアーの公演もあと30回を切ってしまっていた。
参加できる公演には月1回のペースでできる限り参加してきた。

自分の目標は何だったっけ。
ワタシはそれを見失いつつあった。
モチベーションを保ち続けることはどんなに難しいことだろう。
妄想漫画を描くことでそこから逃げていたのかもしれない。

今年の初めに彼に直接会えて少しだけ会話を交わせる機会を設けてくれたことがあった。
彼の新しいアルバムを購入することで直接彼から手渡ししてもらえるという試みだった。
ワタシはそこであるチャレンジをしたのだけど結局なんの結果も残せなかった。

また別の違うチャンスを彼は与えてくれようとした。
だけどもそれには選んでもらうことができなかった。
だんだんイヤになってきてワタシは夢を見失いそうになっていった。

ただそれでもあきらめきることができず一部はやめてしまったこともありつつダンスのことは頭の片隅に残っていて時々思い出したように練習は続けていた。

途中でやめてしまっている振付イラスト (歌詞引用:すぐそこにNEWDAYS/森山直太朗)

彼の公演には後半にダンスタイムがある。
ワタシはもうそこで踊ることで彼と踊ったことにしようと思い込むことにした。
座席は公演ごとに真ん中だったり1階席じゃなかったり端っこだったり様々だ。
だけどワタシはこのダンスタイムだけは全力で一緒に踊ることにしているし実際たとえ他にやってる人がいなかろうともやってきた。

つい先日の渋谷公演のことである。
なんと座席が5列目という今までで一番彼に近い席のチケットが手に入ってしまった。
ワタシはこのことに意識が行かず別のことに時間を費やしてしまった。
そしてチャンスをまたしても逃してしまったのだ。

後半ダンスタイムがその日もやってきてワタシはいつものように全力で踊っていた。
彼にそれが目に入っていたかどうかはわからないけど逃げるように反対側へ行ってしまって一番一緒に踊りたかった箇所はひとりだった。
彼の立ち位置を全部覚えてはいないのでその箇所がそっち側に行くことになっていたのかもしれないのだけどワタシはガッカリした。

(後になってよくよく考えてみると彼は踊りながら歌も唄っていてそんなことを考えたりする余裕があるのかどうかなんてワタシには想像もつかない。)

ダンスタイムの悪夢

そんな気持ちを知る由もない彼は次にはこちらへ戻ってきた。
だけどそんなときに限ってその箇所は振付を付けてない部分だった。
割りとワタシの目の前で長い時間(のように感じた)踊ってくれていた気がした。
ワタシは呆然としていた。
悔しくもあった。
そんな自分になぜか笑えてきた。

そのあとは半ばヤケクソのような気分で踊った。
もはや彼よりもバンドメンバーとのダンスを楽しんだ。

彼の公演は毎回毎回想像を超えていつも感動したり楽しかったり素晴らしいのだけど今回だけは良席に反比例するかのような何とも言えない気持ちを残したままその日の公演は終わりワタシは渋谷を後にした。

妄想漫画を描くようになってからはワタシは未来の想像を事細かに描くようにしている。
その方が自分は何のためにそうしたいのか自分の気持ちがわかるからだ。
そうすると何をするべきなのかが見えてくる。
ただしやるかやらないかは自分次第でワタシは今回これを少し怠った。

だからと言って自分を責めたりはしないのだけど今回のことでやり続けることの大事さが改めて身に染みたのでまた少しずつでも始めていこうかと思っている。

妄想漫画にはもうひとつ効果があった。
それはメンタルの強さが加わったことだ。
漫画の中ではポジティブな未来しか描いていないので自ずと頭の中が前向きな言葉で紡がれる。

イヤなことがあったり落ち込んだりしても笑って跳ね返せるようになったのだ。
だからワタシはまだまだあきらめない。
そう簡単に夢が叶ってしまったらきっと面白くないのだと自分に言い聞かせながら残り少ない次の公演を楽しんでいこう。


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