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やいまぬむじか、本当のところ

こんにちは。やいまぬむじかです。
今回はものっっすごく長いnoteになってしまいました。

この活動についてのすべてが詰まっていますので、
ご一読いただけると嬉しいです。

***

ライブの多幸感の正体

さて、突然ですが、皆さまは実際にライブに行った日のこと、フェスに参加した日のことを憶えていますか?

アーティストがステージで歌い、同じ空間で音楽を全身で浴び、時には友達と一緒に行って楽しく過ごしたり、またある時にはひとりストイックに音楽に浸り幸せを噛みしめながら帰ったり。

「あー、いいライブだったなぁ。」

多幸感に包まれた帰り道、私たちはすっかり忘れているのです。
アーティストを一番美しく魅せるための照明や、歌声と楽器のバランスを緻密に調整してくれる人たちの存在を。会場設営や、裏方で頑張っている人たちのことを。

楽しい空間を演出してくれてる人たちは、黒子に徹してくれています。だから、私たちは彼らの創り上げてくれた空間と時間を純粋に楽しむことがで
きるのです。

そして自粛の日々へ

2月の中旬ごろから、本州のライブハウスでは新型コロナウイルス感染拡大防止のため大きなイベントの中止が次々と決定し、3月には小さなライブハウスや個人のイベントも自粛せざるを得なくなりました。

イベントが無くなるということは何を意味するか。
それは、アーティストだけでなくイベントを支えていたスタッフ全員が仕事を失うということです。考えなくても当たり前のことです。しかし、思い出してください。

私たちが憶えているあのライブの、あの音楽の鳴る夜の、あの素敵な記憶のなかに、黒子に徹してくれていた彼らの姿は(おそらく)無いのです。

もしかしたら、今までは無くてよかったのかもしれません。好きな音楽に、好きな芸術に、好きな舞台に携わりたい一心で、それを一番下で支えている自負が、この空間を創っているという自負が、彼らにはあっただろうと想像します。

コロナで変わった音楽シーン

3月初旬。本州の早いところでは、有料でも無料でもオンラインライブや配信が始まりました。実際に人を集めてライブができない状況下において、この流れは当然のものといえます。

私の知る限りでは、沖縄のライブハウスOUTPUTさんがチケット制の配信を開催したり、東京・名古屋・京都でもライブハウスを救うためにアーティストが立ち上がり行動していました。
彼らは、何よりも大切な音楽と、それを表現する場を維持するために絶対に必要な人々を守るために活動を始めました。#saveourspace のハッシュタグを添えて。ライブハウスを守るということは、そこで働くひとを守ることも意味するのです。

すごいなぁ、やっぱり出来る人はちがうなぁ。
八重山でも、たぶん誰かがやるだろうから、そしたら応援したいな。
そう思っているうちに、4月も終わりを迎えました。

いや、だれもやらんのかい!!!?

私の中のせやろがいおじさんが吠えました。

いやいや、ハコ(ライブハウス)としてドネーション(寄付)を募ったり、アーティスト個人が発信したりはもちろん当たり前だし、どんどんやるべき事だよ。でも、この八重山の音楽シーン全体の損失を個人の努力に全振りってどうなの?みんなそれぞれ頑張ろうねで本当にいいの?

本州の早いところではもう2か月も前から始まっているのに、沖縄本島でも始まっているのに・・・?

恐らく、権利関係のこと、配信機材のこと、配信環境のこと、公益性を考えるうえでの運営スタッフの選定、協力してくれる人へのギャランティ等々。素人だからこそ、わからない様々な内情があったはずです。いえ、きっとあるんです。

でも、沢山の事情をすっとばして、決めました。
どうなるか分かんないけど、
私はすごい人でも何でもないけど、やれることはやろう。

「1円にもなるかわかりませんが、協力してくれませんか?」

言えることはこれだけでした。
本当に失礼なお願いの仕方ですが、実際わからないからです。

そんなリスク承知で頷いてくれたメンバーと一緒に、「やいまぬむじか」という任意団体を立ち上げました。

私たちは、誰のためでもない、自分たちのすきな音楽を守るため、八重山全部の音楽を応援します!」そういう意味で、団体にしました。
誰かじゃない、みんなでやる。そうしたかったのです。

私たちが代表とか名前を自ら公にしないのは、みんなでという部分に拘っているからでもあります。これは、私たちの活動であると同時に、参加したければ誰でも参加できる活動です。

一緒に考えたい、これからのこと

少し調べるとわかるのですが、ライブ配信の環境を整えるためには、それなりのスペックを持ったパソコンと、音響機材、カメラ、その他配信に耐えうる回線が必要です。

私たちは、ありものの機材を持ち寄り、なんとか配信していますが、クオリティを求めれば求めるほど、機材への投資は不可欠だと感じています。
カメラや音響機材は本当に高い…

人が集まってライブができない現在の状況において、個人のアーティストたちがこれらの機材を揃えていくのはとても大変なことだと想像します。
もちろん、個人で配信環境を整えていくことはアーティスト自身にとっても良いことです。投資する価値はあります。しかし、初期投資として、50万程度用意するというのはなかなかにハードルが高い。

これくらいの機材で、
これくらいのことまでならできる。

ライブ配信の需要が少なからずあると実感でき、クオリティもある程度担保できる。そんなふうに出演してくれるアーティストが納得できれば、ライブハウスが配信機材を揃えるという動きが活発になるかもしれません。

それぞれのライブハウスがチャンネルを持ち、配信が増えれば、ライブの数が増えます。配信ライブだから、もしかしたらお客さまは複数のライブをハシゴできるかもしれません。ライブハウスも、観てくれる人の母数が増えるのは嬉しいことでしょう。

ライブが増えると、アーティストもスタッフも、仕事が増えます。
仕事が増えます!夢のような話かもしれませんが、私たちは本当にそれを目指しています。音楽が好きだから、沢山のライブを観たいのです。
音楽シーンを守るのはどれかじゃだめで、全部です。
できることには限りがあるけど、本心でそう思います。


アフターコロナ、その後どうなる?

もしコロナがおさまって、実際にライブができるくらい社会が元気になったら。そんな最高なことはありません。私たちは一日も早くその日が来ることを待ち望んでいます。

しかし同時に、「実際のライブ」と「配信ライブ」は喧嘩しなさそうだな、という手ごたえも感じています。

それは、第1回、第2回を通し、遠方の方からの応援のメッセージが非常に多いからです。全国のファンに愛されているアーティストが多い、八重山ならではの強みかもしれません。離島だとライブに行きたくても参加できない人はやっぱりいるものね。

ああ、ここまででとっても長くなってしまいました。
きっと興味がない方はここまで読み進められなかったことでしょう。
書いた私自身も読み返せるか自信がありません。誠にごめんなさい。


だから、次の配信には意味がある

次回はいよいよ、実験的な配信に無償でご協力いただいていたJAZZBARすけあくろを飛び出しての配信です!スタッフ一同どきどきしています。

私たちは、配信に関してはまったくの初心者からスタートしました。そんな私たちでも、沢山のテスト配信と、2回のライブ配信を経てわかったことがあります。

場所が変わると、
配信の色々な設定(数値)を変えなきゃいけない・・・っぽい!(怖!)


全力を尽くしますが、これまでどおり温かく見守って下さると嬉しいです。

私たちが、ドキドキしながらも新しい場所での配信を試みるのは、ライブ配信を見てくださる方々に八重山の音楽シーン全体を知ってほしいからです。

小さな場所から鳴り続ける音楽を絶やさないために

コロナ以前、八重山ではライブハウスだけではなく、大小を問わず様々な場所でライブが行われていました。カフェ、喫茶店、定食屋、居酒屋、BAR、クラブ、民家、どっかの砂浜・・・本当に至る所に音楽がありました。それは、島のひとが音楽を愛し、受け入れているからこそ成り立つものです。

仮設のライブハウスとして、私たちは、できることなら音楽に理解のある全てのお店から配信したいと思っています。

無数の小さな場所から音楽が鳴り続けること、それこそが音楽の島・唄の島八重山の素晴らしさだと信じています。


そのためにも、今回場所を変えるということは非常に意味のある挑戦なのです。協力していただいたCITYJACKさん、本当にありがとうございます。

***

今回は、「無料配信じゃなくて、有料配信にしてほしい」という、とても嬉しくて有難いメッセージを沢山の方から頂き、私たちの活動をどのように伝えたらよいのかしらと考えた結果、こんなに長いnoteになってしまいました。

お読みいただいた皆さまありがとうございました。

次回からはもうひとりのスタッフと交互に更新していこうと思ってます。
アーティストのインタビューなども予定していますので、お楽しみに!

【次回ライブ配信はこちら】↓

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【YouTubeチャンネルはこちら】↓


やいまぬむじかスタッフ

さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。 もしよろしければ「スキ」や「シェア」をしていただけると嬉しいです。