言葉の曖昧な理解がもたらす影響

やっと、暖かくなってきましたね。


今回は”言葉の曖昧な理解”について考えてみたいと思います。


日頃、私たちはいろいろな人とコミュニケーションをとっていますが、


私たちは本当にその言葉の真理を理解しているのでしょうか?


例えば、4歳の子供が


「クマのぬいぐるみが欲しい!」


と言ったら、皆さんはこの言葉をどう理解しますか?


この言葉を表面的に捉えるなら、お父さんお母さんは


「必要ない。こないだミッキーのぬいぐるみ買ったでしょ。」


と、いる・いらないで論を展開することになります。


でも、このぬいぐるみが欲しいの言葉の裏側に隠れた情報をしっかり理解できていますか?というのが今回の内容です。


もしかしたら、この4歳の子供は


いつもお家に一人でいて寂しいから、ぬいぐるみが欲しいと言ってるのかもしれないし、


または、お友達の家に行ってその家にあった、クマのぬいぐるみに一目惚れして


お父さんお母さんにぬいぐるみが欲しいと言っているのかもしれません。


つまり、そこにどういう文脈で子供がそう言ったかを理解する必要があります。


なので追加のヒアリングが必要になります。


親「どうして欲しいの?」


子「前にもらったクマのぬいぐるみが壊れちゃって目が取れちゃったの」


親「そう、じゃあ今度の日曜日に新しいの買いに行きましょ!」


子「やったー!」


とここまで来ると、親は子供のことをちゃんと理解している感じがします。


でも、日曜日になって、いざおもちゃ屋に行くと


「やっぱ、このスティッチのぬいぐるみにする」と


クマのぬいぐるみじゃなかったの・・・と呆気に取られることは多くのお父さんお母さんが経験していることではないでしょうか?


となると、私たちはこの4歳の子供の言葉の真意を理解できていたのか、という疑問が生じます。


ぬいぐるみなら何だっていいんだけど、クマのぬいぐるみを引き合いに出せばお母さんは買ってくれるって言ってくれだろう・・・(子供の頭の中)


ここまで駆け引き上手な子供もなかなかですが、


子供の意図を正確に理解することは結構難しいです。


では、私たちは言葉の真意を理解するにはどうすればいいでしょうか?


もしかして、今この答えがすんごく聞きたいですか?


でも、もう皆さんその答え知っていますよ!


と書いたら、どうなるでしょうか?


もちろん、言葉の抑揚や表情、文脈から色々情報収集する必要があります。


ただ、”もしかしたら”この子供は本当にクマのぬいぐるみを欲しがっているのかな?


と「予測質問」を立てることも必要です。


ここを起点に考えると4歳の子供の理解は精度が上がります。


この「予測質問」を使うと、必然的に相手の頭の中を覗くようになります。


もしかして、今のおもちゃに飽きちゃったのかな?

もしかして、お姉さん意識が芽生えてきたのかな?

もしかして、他のお友達に影響を受けてきたのかな?


普段からの観察がとても重要にはなりますが、この予測質問によって次の一手は色々変わります。


もしかして、今のおもちゃに飽きちゃったのかな?
→テレビゲームとか違うジャンルのおもちゃを与えてみるか?

もしかして、お姉さん意識が芽生えてきたのかな?
→一回動物園に行って、どんな反応するか見てみるか・・犬を飼うのもアリだな!

もしかして、他のお友達のぬいぐるみを見て影響を受けてきたのかな?
→ライバル意識みたいのがあるのかな?スポーツでもやらせてみるか!


予測質問を立てて、それがどういう解釈につながるのかを考えてみる。


本当にそうなのかを確かめるために次の一手=ジャブを打ってみる!


ジャブを打ってみないと、予測が当たっているかいないかは分かりませんが


今回の例えだと


「もしかして新しいおもちゃを買ってもらう口実を探しているのかな?」


とあまり大切な自分の子供にはしたくない予測質問ですが(笑)


「もしかしたら本当にぬいぐるみが欲しいと思ってないかもしれない」
→ならば、一回「新しい絵本買ってあげよっか?」と訊いてみる。


子供がいらないと言えば、また違う予測質問を立ててみる。


欲しいと言えば、「もしかしたら子供が欲しいのはお母さんと一緒に何かをする時間なのかもしれない」と


ジャブを打って、反応を見て質問してを繰り返して正解に近づいていく努力をする。


誰かを理解しようとすると、なんか一回の質問でその人を理解しようと考えがちですが


就職の面接でもそうですが、いくつかの質問を繰り返してその人を理解しようとするのが筋ではないでしょうか?


曖昧さをそのまま理解することの恐ろしさを少しは理解していただけたでしょうか?

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