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新聞を読まなくなって一年ぐらいが経過した

具体的にいつからかは覚えていないのだが、新聞を読まなくなって一年ほどが経過した。三年ほど前から毎朝日経新聞を読むことを自分に課していて、毎朝二十分を新聞を読む時間に充てていたのだが、時間の無駄だと判断してその時間を削ることにした。
 
読む意味がないと感じた大きな理由は、記憶への定着が悪かった、ということが挙げられる。新聞には様々な詳細情報が書いてあるが、新聞を畳んだらほとんどの内容は忘れてしまう。だいたいは、見出しに出ていることぐらいしか記憶に残っていない。だから、読む意味がないと判断した、というのが大きな理由だ。
 
もうひとつは、新聞で得られる情報は大して価値がない、ということが挙げられる。正直なところ、新聞で読んだ情報が仕事で役に立つ、という場面が想像できない。よく営業先で、ビジネストークをしているときに新聞の話題になる、と言われるのだが、僕はあまりそういう経験がない。いや、実際には何度かあるのだが、新聞程度の知識で話してもあまり意味がないというか、それで何か具体的にビジネスの話が進行することはない。


新聞は、それを読むことで情報を「知る」ことはできるが、「理解」したことにはならない。ましてや、「詳しい情報を持っている」ことには絶対にならない。
 
新聞を読むぐらいならば、書籍を読むほうがいい。いまはアマゾンがあるので、特定のトピックで検索すると、わりとマニアックな本が簡単に見つかる。仕事で必要な分野の本を読んでおくと、ニュースに対する情報の感度が高くなる。つまり、「新しい情報(ニュース)を記憶する土台」を作ることができる。
 
たとえば、とある新興国に着目していたとして、その国で起きるニュースの表層を追っていても、ほとんどなんの意味もない、と思う。その国の歴史とか、民族問題とか、経済とか、そういう情報の根っこを抑えていないと、ニュースとしての価値はない。そして、ニュースがニュースになる頃には、関係者のあいだではもはや「終わったこと」になるので、「最新情報」としての価値もない。だから、あまり意味がないんだよな、と感じる。
 
仕事で必要なニュースは、グーグルアラートというサービスを利用することが多い。これはキーワードを登録しておくと、そのキーワードに関連したニュースをグーグルが勝手に選定して引っ張ってきてくれる。それを読むと、あまりみんなが着目していないニュースについて知ることができる。もちろん、仕事に関するニュースは「抑えていないといけない」ので、こういう方法でピンポイントに拾い上げる。仕事の内容によって、欲しい情報というのは変わるだろう。要は、必要な情報だけを効率的に手に入れることが大事なのだと思う。


一方で、雑談力を引き上げるには、いろんなジャンルの書籍を読むのが基本になるのでは、と思う。新聞というのは「みんなが読む情報」なので、それを読んでもあまり意味がない。誰も読んでいない本を読むことで、ユニークな情報を得ることができて、それによってその情報をもっている価値が生まれる。「みんな知っていること」を自分も知ることで、何か利点があるだろうか?
 
思えば、僕は流行っている情報には昔から関心がなかった。みんなが知っている情報に価値はない。みんなが知らない、みんなが見向きもしないものを知ることこそ、本当に価値のある「情報」なのでは、と思う。

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