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FF6をぶっ壊す商売は成立するか?

「FF6をぶっ壊す」ことで有名な、Edyさんという人がいる。どれぐらい有名なのかというと、EdyさんがFF6をぶっ壊したということが、yahooニュースになるぐらい有名だ。
 
知らない人にはなんのことを言っているのか全くわからないと思うのだが、20年ぐらい前にスーパーファミコンで発売されたFinal Fantasy 6というゲームがあって、それをバグ(システム的に意図されていない挙動)などを利用して攻略しているのが、Edyさんという人なのだ。
 
世の中には、TAS動画とか、RTA動画とかいうジャンルがあって、「ゲームを理論上最速で攻略する」ことをスポーツ的に競っている人たちがいる。動画をみてみるとわかるのだが、それはもはや我々が通常にゲームをプレイする行為とは全く違い、バグ技のオンパレードなので、いま何をやっているのか、解説をみても全く理解ができない。
 
要は、システム上のスキを突いてイベントをスキップしたりしているのだが、開発者も想定していなかったようなやり方が次々と発見されている。それをみていると、むしろゲームのスーパープレイ動画をみて感心するというよりは、「へー、このゲームはそういう仕組みで動いてたんだ」という知的好奇心が刺激されることがしばしば。「こういう条件が揃うとこういうイベントが処理される」みたいなことを研究・把握した上でやっているので、それはゲームというよりは解析に近い行為になる。もちろんEdyさんはゲームの開発メンバーではない。

で、最近はそれが行き着くところまで行ってしまい、バグという領域も飛び越えて、「壊れた」としか思えないような状態になることも増えてきた。それをみて、視聴者は(半ばネタ的に)「またEdyさんがFF6壊した」と嬉々として書き込むのである。FF6はスーファミ時代のゲームなので大昔といっても差し支えないほど前のゲームなのだが、このEdyさんによっていまだに新しいバグ技が「発見」されている。おそろしいことである。(ちなみに、Edyさんはシステム的にこれを破壊しているわけではなく、バグを使っているだけなので、リセットすれば全て元に戻る。なので、正確には破壊行為ではない)
 
で、バグ技を利用してはいるのだが、その攻略にあたっては膨大な手間がかかっている。むしろ普通にクリアする何倍もの労力をかけていて、しかもそれを何年もやっている。インターネット上では人気者のEdyさんだが、昨今のYouTuberのように、それで何か収益を得ているわけではない。ただ自分の興味にしたがって「FF6を壊して」いるのだろう。

Edyさんをみていると、やっぱりインターネットってこうあるべきだよな、と思うことが多い。金儲けなんて二の次。自分のやりたいことをやって、それを楽しんでくれる人がいてくれればそれでいい。まあ、僕の創作活動も似たようなもので、そういうマインドでやっている。
 
Edyさんの活躍(?)には、今後も目が離せない。最終的に、FF6がどこまで破壊されるのか、ということも……。(執筆時間12分16秒)

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