ひとりごと

放課後の教室はなかなか悪くない。秋晴れの空は吸い込まれそうなくらい透き通ってる。いつかひっくり返って落ちちゃうんだ。
街はどんどんイルミネーションに染まってく。浮き足立つ感じは嫌いじゃない。私はサンタさんを信じてる。全部がキラキラして、不思議な世界のかけらが溢れてる不思議な季節だ。クリスマスは魔法にちょっとだけ触れることができる。

ファミレスのモーニング、木漏れ日、真夜中のドライブ、日曜日の午前中、乗り過ごして着いた海、スワンボート、輝く水面、旅行先の朝の散歩、喫茶店のクリームソーダ、田んぼ、映画館のコーラとポップコーン、でっかい白い犬、ドーナツが詰まった紙袋、プラネタリウム。こういうものにときめける人と結婚しようと思う。あと、読んでる小説に感動したら電車の中でも泣いちゃう人。それで恥ずかしくなって必死に隠そうとする人。

逃げる練習をしなくちゃいけない。怒る練習も。
でも逃げるのが下手な人も怒るのが下手な人も愛おしい。死んでしまいそうで不安だけど。生きるのが下手な人は優しい人だから。優しい人ばっかり死んでいくから。生きるためには優しさを捨てなきゃいけないこの世界は間違ってるなんてことはもう言い尽くされているんだよな。優しい人にはできるだけ優しくしよう。
出来ればおでんを奢ってあげよう。特に大根。

私は、逃避行に付き合ってくれるような音楽が好き。学校に向かうはずだったのに、急に全部投げ出したくなって反対方向の電車に乗っても、許してくれるような音楽が好き。愛すべき音楽達よ、心中してくれないか。

ただ光でありたいと願うことは、傲慢でしょうか。

もし赤ちゃんと暮らすことになったら、毎日詩を書いてしまいそう。ふわふわに包まれてぽよぽよと笑う宝物みたいな生き物。私の知っている美しいものをぜんぶ見せたい。失敗しても才能がなくてもあなたを愛するよと伝えたい。学校なんていつでも逃げられると教えたい。心を踏みにじられて生きることに絶望した時は、すぐ迎えに行って知らない街の知らない海に連れて行きたい。

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