パーソナルカラー色見本の作り方【決定版】
私は15年以上、パーソナルカラー用色見本を制作しています。
この記事を書き終えて、「これを書くために、この15年があった」と感じました。
最初に色見本の存在を知ったとき、
「こんなよくわからないものが、3000円もするの?ぼったくりだよ」
と、衝撃を受けました。
私はカラーリストではありませんので、今も色見本は「いらないもの」です。
だからこそ、できる限りコストを下げて、カラーリストや受け取るお客様の金銭的負担を減らしたいですし、デザインや品質など、できるだけ良いものを提供したいと考えています。
流派やカラーリストによって、4,7,8,12,16タイプなど、色の分類や使用する色が異なります。お客様も一人ひとり違うので、カラーリスト自身でオリジナル色見本を作成して、お客様にピッタリ合う色見本をプレゼントするのがベストです。
オリジナル作成は、コストをかけずに、誰でもできます。
でも、昔のやり方や固定概念、仕様によってはとても苦労します。
200万円分の在庫を抱え「これを頑張って売らないと」と、在庫を捌くことに追われてしまったケースを、何件も知っています。だいたい、オリジナルを作ろうとするサロン・会社は、その時調子が良いです。でも、初動は良くて、どんどん先細りして・・・
コロナになってから、大手でも厳しい状況です。
金銭的・精神的な負担が無く、押し売りもなく、一人ひとりのお客様と向き合うことで、カラーリストのサービスの質が上がります。
オリジナル色見本作成のご相談をいただくのですが、当社が入ることで中間マージンや管理コストが発生しますし、1000冊単位で一括購入という条件でないと採算が合わないため、ご相談者にできる限りの情報をお伝えし、ご自身で作成することをオススメしています。
在庫を抱えなくても、他社に依頼しなくても、ノウハウがあれば作れます。
できるだけ、カラーを仕事にしやすい環境を作りたいです。
この記事の中に、ヒントが見つかれば嬉しいです。
1.生地の調達
私自身は、質感が良い印刷物や、お客様の環境をコントロールできれば、スマホアプリでも良いと思っていますが、「色見本は布製」というのが根強いです。この概念から自由になれば、イノベーションが生まれると思いますが、ここでは、すでに世にある、パーソナルカラー用色見本を作るための生地の調達方法を記載します。
1-1 ドレープを購入する
ドレープを購入して、断裁するのが一番楽で確実です。
当社も含め、ドレープを販売しているのは主に下記の3社です。
■AIS(当社)
生地の特徴:ポリエステル・鮮やかな発色・滑りやすい・厚手(滑りが良いので、ビス留めタイプの色見本に特に向いています)
■ビッグウェイ(前職。私がカラー教材の一般販売を立ち上げました)
生地の特徴:アクリル・鮮やかな発色・滑りにくい・薄手(ドレープは2つ折りで使用)
■アートジョイ
生地の特徴:綿・落ち着いた発色・滑りにくい・厚手・160色ある(12分類や16分類など、分類数が多い方は特にチェック!)
当社以外は、バラ売りを行っています。ビッグウェイ社では、5×5cm限定ですが、カラーチップのバラ売りも行っていますので、とても便利です。
ビッグウェイ社のドレープは生地が薄く、色見本は二つ折りでは使用せず、1枚で使用するため、カラーチップ等の生地は、白の台紙に貼るのがベターです。
1-2 多色の市販生地を購入する
ユザワヤなどの手芸店や、日暮里(トマトがおすすめ)等の生地問屋で、多色の生地を購入するという方法です。1-1と組み合わせると、バリエーションが広がります。例えば、12分類や16分類で色数が必要。でも、ビッグウェイや当社では120色しか販売しておらず、足りない色もある。そこで、市販の生地も買って組み合わせるなど。
一般的に、シーチングとブロードが色数が多いです。
1反単位となるので、個人のカラーリストにはあまりおすすめはできませんが、テキスタイルネットに登録して、生地メーカーから購入するという方法もあります。当然、こちらの方が色数や種類が豊富です。
1-3 昇華転写で生地を作成する
染色でオリジナルの色を作成するとなると、120色×25万円(1反50m)=3000万円くらいは最低でもかかりますので、全くおすすめできません。カラードレープは、服などの他の用途では使えない、特殊な色を120色も用意しなければいけないので、染色・生地代はどんどん値上がりしています。染色会社が採算取れずに辞めるのも、そう遠い未来ではないと思っています。
そんな中、オススメは昇華転写です。
実際当社は、立ち上げ当初、昇華転写で12分類や16分類などのお客様に、ロット50冊からオリジナル作成を行っていました(今は行っていません)
昇華転写は、インクジェットプリンターと同じ原理で、まず紙に印刷し、その紙を生地と重ねて高熱プレスすることで、インクを生地に移すという仕組みです。
昇華転写のメリット
小ロット(1枚から)オリジナルデザイン・色のものを作成できる。特に、4シーズン分類ではなく、12分類や16分類はより在庫リスクが減る
サイズも自由に変更できる。大きいポスターから、小さな色見本まで、自由にデータを作って同時に印刷できる
街でよく見るのぼりは、ポンジ生地で安っぽいが、ポリエステルの厚手生地を使用すれば、しっかりした、発色の良いものを作ることができる
昇華転写のデメリット
染色と違って、片面にしか色がつかない(ドレープを作ったこともありますが、表裏を違えなければ、使えます)
最初の立ち上げがかなり大変。リピートでも色はブレるので、気が抜けない。都度の色校正が必須なので、作るたびに非常に気を使う。
ドレープなど、ベタ印刷の面積が大きいと、モアレが発生して不良を大量に作ってしまう危険性がある
2の詳細はこのあと記載します。3は、印刷・モアレで検索してみてください。特に濃い色は、転写紙へのインク量が多くてふやけやすく、よく乾かしてプレスしても、不良になりやすかったです。梅雨時は空調管理しても、不良がめちゃくちゃ出たこともありました。
また、いくら注意してもゴミは多少入りますので、ドレープサイズだと防ぎきれません。その、ちょっとのゴミ混入で作り直しを要求すれば、協力して作ってくれる会社は見つかりません。
当社の場合、生地の状態で3%程度の不良が出ています。色見本用のカラーチップであれば、1色の面積が小さいので、ゴミで不良の部分だけ作り直し、切って交換することができます。ドレープの場合、まるごと捨てないといけません。不良率30%超えて絶望するかもしれませんので、ドレープを作ることはオススメしません。ドレープのサイズだと、1枚800-1000円とコストがかかり、ゴミが入っても機能的には問題ないので、自分・自社で使う分には良いですが、販売する商品を作るには向いていません。儲からないどころか、赤字でも、完成するまで作り続けなければいけません。
上記画像のB2サイズポスターは、昇華転写で制作しました。
当社で現在販売している商品ですと、スウォッチCAやFSは、昇華転写で作成しています。
このサイズの窓貼り見本帳を、断裁した染色生地で作成するとなると、非常に手間がかかり、倍の1400円などで販売しないと元が取れません。色と色との間を目立たないように、窓のフレーム部分を極限まで細くするには、染色生地では難しかったです。
スウォッチCAは、昇華転写で下記のような生地を作成しています。業者の機械サイズ150×100cmで、130面付けて作成しています。左側の細いのは、色校正チャートです。何10回も作っているので、この細い面積で済んでいますが、最初にオリジナルで色出しする場合は、かなり大きい面積で、何回も行いました。
昇華転写での生地作成手順
オリジナルで作成してくれる業者を探す。基本的に、のぼりやユニフォーム、看板を作成している近くの業者を探す。遠いと、色校正や微妙な色の違い、ニュアンスを正確に伝えるのが大変(ちょっと前は対面でないと伝えられませんでしたが、今はZoomでいけるかもしれません)
業者が持っている生地とその発色を確かめる。良い生地がなければ、自分で探して、業者に渡す。無地の白い(さらしではない)ポリエステル生地がおすすめ。
生地を決めたら、色校正を行う。
色校正後に本番品を作成する
用途に応じて、端をほつれなくするために、下記のツールを使ってヒートカットを行う(普通のハンダゴテやナイロンカッターではうまく切れません。私が使った中では、下記がベストでした)
色校正について
まず最初に、業者で一番発色が良くなる印刷設定・温度設定等を聞きます。そして、今までの実績品・完成品を見せてもらいます。それを見て、生地と印刷設定等を決めて、最初の色校正をします。下記程度の、狙った色だけのチャートでOKです。
最初の色校正で、だいたいイメージに近い色が出たなら、本格的なカラーチャートを一度作ると便利です。当社では、下記のようなカラーチャートを、1チャート50×50cmくらいのサイズで作成しました(下記は6チャート分)下記よりダウンロードできますので、よろしければご活用ください。このデータのすべてではなく、C5-100%M5-100%Y10%K70など、Kが多いチャートの一部はそんなに使わなかったので、削って良いです。チャートサイズを50cm×50cm以下にすると、1色のサイズが小さすぎて、色確認が厳しくなります。
↓ダウンロード
上記チャートを30枚ほど作成し、何度かの色校正代や生地代などで、120色決定と量産立ち上げまでに20万円ほどかかりました。今の私の経験なら、業者既存生地を使用し、カラチャートは作らず、だいたいの勘で立ち上げ3万円くらいで作れると思いますが、最初はどうしてもCMYKのどの色をどのくらい入れると、どの程度色が変わるか掴めません。
色校正用データ1のように、狙った色のカラーチャートを何度か作成して色を出せるのであれば、コストがかかりません。狙った色だけだと、逆に色校正回数が増えて、手間と時間とコストがかかるかもしれません。本格的なカラーチャートを作るメリットは、リピート時に色ブレが出た際に、CMYKのどの色がどのくらい濃く・薄く出ているかが確認しやすく、微調整の数値を見極めやすいことです。リピート前提なら、カラーチャート2のようなものを作ることをオススメします。
色校正時は、色校正用データ1のように、色ごとのCMYK値も印字すると便利です。どのフォントでどのくらいの文字サイズにすると、文字が潰れるのかといった、確認にもなります。
オリジナル作成の場合、データはIllustratorでの完全データ渡しでないと、受け付けてもらえないと思ってください。業者にすれば、そんな面倒で色が厳しいものは、受けたくないです。ですので、業者は「もらったデータを印刷するだけ」の状態にしてください。業者の機械サイズ(特に転写の機械のサイズ)、生地幅を確認し、効率よく作れるサイズで、気持ちよく、簡単な作業で制作してもらえるように、心がけましょう。
この心がけができない人は、オリジナルを作らないほうが良いです。
色出しで特に難しいのは、CMY掛け合わせで作るグレーと、ベージュ・肌色系です。Mが2%変わるだけで、かなり色が変わったりします。薄い色ほど難しいです。また、同じ業者、同じ生地でも、インクロットや機械の調子、転写時の温度などで色は変わります。もちろん、生地ロットによっても変わります。同じ生地を注文しても、黄色っぽくなるなど、多少のブレはありますので、生地ロットが変わる際は、確認する必要があります。特に注意が必要なのは、1回の注文で生地が変わるときです。色校正で使った生地が、印刷の半分くらいで終わって、生地を切り替えたら、その生地が黄色っぽくて、色が変わってしまったなど。
色が変わる要因で一番影響が大きいのは、機械の印刷設定です。ご自宅にインクジェットプリンターがあれば試してみてください。同じCMYK数値でも写真用紙設定とマット紙用紙設定とでは、かなり色が変わると思います。
すべての設定が正しくても、どうにもうまく行かないときもあります。
業者で10回以上リピートしたあるとき、Mの色が濃く出て、全体的にMを4%下げ、Yも2%下げてデータを作り直しました。「これでよし!」と思ったら、データ変更後の色校正では、Cが濃く出て、またデータを作り直し・・・「もう無理かも」と思ったこともあります。その時は4度色校正を行いました。
パーソナルカラーの微妙な色の違いを出す場合は、起こることだと思ってください。この微妙な色のブレは、通常の印刷物でしたら許容範囲ですので、業者に保証・無料での作り直しは難しいと思います。
2.生地の断裁
ドレープや生地を購入した場合でも、染色や昇華転写で生地を作成した場合でも、生地を断裁する必要があります。
作る色見本の種類によって、断裁の種類は異なります。
業者断裁は、業者におまかせすれば良いですが、自分で市販生地やドレープを手切りしようと思うと、取りたいサイズに定規で線を引く必要があります。線を引く前に、アイロンを掛けたほうが良いです。小さく切った後にアイロンをかけるのは面倒ですし、薄い生地は伸びて歪んだりします。アイロンがけで歪んでしまうと、せっかくまっすぐ切っても台無しです。
線を引く方法ですが、チャコペンだと線幅が太すぎるので、切った後にチャコペンの色が目立ちます。窓貼りタイプの色見本を作る場合は、その部分が隠れるので問題ありません。ビス留めタイプですと、切断面が見えますので、できるだけ線は目立たせたくありません。
シャープペンは細くて良いのですが、生地にひっかかって書きにくいです。鉛筆をこまめに削って線を引くなど、工夫が必要です。ボールペンは消えないのでオススメしません。
このようなローラーで跡をつける方法もありますが、跡が目立たず切るときに困ったり、ローラーを定規に沿ってまっすぐ引くのにコツがあり、途中ブレブレになって、作業効率が上がりませんでした。ヘラでの跡付けも同様でした。
生地を折って跡を付けて、それが消える前に切るという方法もあります。切る回数が少なかったり、最初に大きい生地をある程度小さくするためには、有用です。
2-1 まっすぐ切る(裁ちばさみ・大裁断)
裁ちばさみや、業者での大裁断です。
窓貼りタイプの色見本に使えます。窓貼りタイプは、切った端が紙のパーツ等で隠れた上、貼り合わされてほつれません。
手切りの場合、裁ちばさみはピンキングばさみの3倍は楽です。
2-2 ピンキングカット(ギザギザカット)
当社スウォッチHAのようなビス止めの場合は、ピンキングばさみで手切りするか、ピンキング歯を持っている断裁業者で切ってもらうかどちらかです。
裁ちばさみや大裁断での真っ直ぐなカットだと、端がほつれてどうしようもありません。ピンキングだとほつれを防げますが、糸くずがでます。これはほつれ止めを塗らないと防げませんが、色見本の生地1枚1枚に塗るのは、現実的ではありません。また、ほつれ止めを塗ると、塗った部分が濡れたようになり、色が変わってしまいます。
ピンキングばさみを何本も買ってきましたが、2000円以下は、すぐに使えなくなる場合が多いです。切れ味が悪いと、時間がかかる上、手がすぐに痛くなるので、作業効率がものすごく悪いです。ストレスでしかありません。上記のハサミは買ったことないのでわかりませんが、最低5000円以上のものをオススメします。
色見本の場合、ピンキングの山と山の間隔が狭いほど、見た目が良くなります。上記S-230Hは、刃渡り:約75mm(5mmピッチ、山の深さ2.5mm)なので、ちょうどよいと思いますが、これは好みもあるので、ユザワヤなどで実物を確認してから購入するのが無難です。あと、右利きなのに、左利き用を間違えて買って失敗したことがありますので、利き手は確認してください。
切るときの注意点ですが、ストロークごとピンキングの山と山を合わせながら切ることです。山がずれると、切断面がガタガタになって、見栄えが悪くなります。
2-3 ヒートカット(合成繊維限定)
ポリエステル100%生地で使えるのが、ヒートカットです。当社スウォッチFSや金銀ドレープはヒートカットを行っています。
生地を溶かしながら切るので、端がほつれなくなります。
この道具を使います。手間はかかりますが、慣れると結構作れます。ガラスの板などを購入して、生地の下に敷き、その上から押し付けて切っていきます。普通のハンダゴテは向いていません。この刃先の形状が、滑らせながら切るのにベストです。
昇華転写でのぼりなどを作成するときも、この手法でカットすることが多いです。
3.色見本の種類と作り方・コスト例
色見本には、様々なタイプがあります。
自分で部材を手配する方法と、業者に生地を渡して、すべてをお願いする方法の2種類があります。前者は手間がかかりますが、コストを抑えられます。後者はコストは高くなりますが、とにかく楽です。
業者例
色見本・制作等のキーワードで検索して探してみてください。
3-1 ビス留めタイプ
メリット
全体のサイズはコンパクトなのに、生地サイズは大きくできる
取り外し可能なビスであれば、1枚1枚取って並び替え可能
柔軟な拡張性がある。ビスを外し、足りない生地を足すことで、既製品をオリジナルに変えることが容易。市販生地を使えば、柄生地・スーツ生地やワイシャツ生地(メンズ)などでも作成可能。少量作るのであれば、生地屋で安く売っている端切れで、いくらでもバリエーションを増やすことができる。
当社スウォッチHAをご購入いただき、ビスを取って並び替えたり、生地屋で購入した生地を加え、サロンオリジナル色見本を作成している方もたくさんいます。
デメリット
ピンキングカットが必須。ピンキングしたとしても、糸くずが出てしまう
生地を業者で断裁しないと、100冊以上作るのは大変。業者断裁は小ロットだと受けてもらえない or 割高に
部材とコスト例
当社のスウォッチHAを例に挙げます。最後に、当社販売価格975円(3冊以下だと、数量割引にならず1,500円/1冊で販売中)より安く済みそうな仕様も掲載します。
生地代
当社の120色アウトレット品(95,200円)から、生地サイズ65×45mmを取る場合、各シーズン42冊分、合計168冊分取れます。手切りで少しサイズを小さくするなど工夫すれば、もっと取れます。
業者での機械断裁ですと、端は捨てるので、取り数は少なくなります。95,200円÷168冊だと、567円/1冊です。
カバー代
色見本のカバー素材は塩ビが多いです。業者はネットで探しても、なかなか見つかりませんので、先程挙げた、色見本作成会社に依頼する方が良いかもしれません。
透明のビニールや黒などの塩ビシートは、ホームセンターでも売っているので、それをハサミで切ってカバーを作る方法もあります。下記のビッグウェイ社の透明カバーは、市販のビニールを切って、一穴パンチで穴を開けました(私が立ち上げた時のことで、今は業者加工かもしれませんが・・・)
塩ビカバーを業者で作成するの場合、最小ロットは、使う生地の1反で取れる単位が基本となります。ただし、業者が常に在庫として持っていて、他社でよく使用する生地であれば、小ロットでも作成してもらえます。
168冊は見積もりを取ったことはありませんが、在庫がある生地で、他社がその生地で作成するときに合わせて作成するなど、無理言って作ってもらうとして、おそらく生地代+加工代で1冊100円はかかるのではないかと思います。
そこに初回は型代(生地からそのカバーを抜くためのもの)が25,000円、Spring等の文字を印字する場合は、ホットスタンプの版代が1版7,000円、4シーズン分だと28,000円、16タイプだと112,000円は別途かかります。
168冊×100円+25,000円+28,000円×1.1(消費税)=72,600円(432円/1冊)
168冊×100円+25,000円+112,000円×1.1(消費税)=165,000円(982円/1冊)
この版代が高いので、無地カバー1種類にして、後工程で工夫する方法もあります。それは、この章の最後に。
断裁代
手切りだと、ドレープ1枚切るのに10分かかるとした場合、120色で1,200分。20時間×時給1,000円=20,000円。1冊あたりは119円となります。ただし問題点があり、ビス穴が非常に厄介です。
1穴パンチを使うことになりますが、紙用では生地に穴はあけにくく、まとめては無理で、1枚1枚の作業になります。
こんなような、業務用を買って試しましたが、生地は重ねるとずれるので、ものすごく注意が必要です。業者では、先に挙げたHA部材の画像のように、生地をずれないように1セット1セットを紙でしっかり巻いてから、穴あけをしています。まとめて穴あけするなら、この工程を挟んだ方が良いです。そうすると、すごく面倒になります。
また、穴あけは失敗すると取り返しがつかず、捨てることになってしまいます。こんな大きな機械で30枚一気にやって、滑ってミスすると、すごくげんなりします。ただ、たくさん手で作るなら、一枚一枚と、永遠と終わらないのではないか錯覚する穴開け地獄よりは、精神的に良いかもしれません。
1枚1枚頑張るとし、1時間で450枚15冊分開けられたとして、11時間×時給1,000円=11,000円、66円/1冊です。生地断裁と合わせて185円/1冊。
この断裁と穴あけは、業者に依頼したいところです。以前取った見積もりだと、最小ロットが1000冊で、断裁+穴あけで200円/1冊が目安でした。
168冊という小ロットでも、50,000円など、割高コストを払って、納期を急がせなければ、やってもらえるかもしれません。特に繁忙期と繁忙期の谷間の、暇な時が狙い目です(繁忙期は、その業者が作っている見本帳の種類によって、多少変わりますので聞いてみてください)
168冊を50,000円で行ってもらった場合、298円/1冊です。
これに、送料が1680円かかったとし、小ロット業者断裁は309円/1冊とします。
ビス代
スウォッチHAで使用しているのは、下記のシリーズです。
黒と金と銀を組み合わせています。10円/1冊です。
こちらも、他の商品に使用したことがあります。高級感あって、取り外しも楽で良いですが、その分高くなります。ネジ頭のマイナスドライバーで回す部分が気になって、この部分が無いものを、革製品の金具作っている会社に、オリジナルで発注したこともあります。最小ロット500セットで、単価75円くらいでした。在庫リスクが大きいので、市販品をちょこちょこ買うのをオススメします。
袋代・箱代
スウォッチHAは、クリスタルパックT6-10を使用しています。4円/1枚です。
以前は、専用箱を作って販売していました。
箱の制作手順(箱業者に依頼すれば一発ですが、コストが高いです)
図面を作成する(紙の厚さを考慮。印刷業者で、図面作成を無料で行っているところも。ただしその場合、その業者で抜き型を保管するため、そこでしか印刷・加工できなくなる)
印刷業者で印刷する。上記画像の箱だと220kg・マット紙・片面モノクロB5サイズ500枚2個取り(1,000個分)で7,000円
抜き型を作る(業者によりますが、2面で5,000-10,000円。抜き業者が型業者に依頼することが多い。型業者を見つけて、直接依頼するのが一番安い)
印刷した紙を抜く(型セット代8,000円(後で詳しく説明します)+1,000枚×8円=8,000円=16,000円が目安)
ボンドやのりで抜いた紙を貼り付けて箱にする(1個5円合計5,000円)
自分で設計した場合、合計38,000円×1.1(消費税)で、41,800円。42円/1個。
箱に入れると、高級感が全然違います。その他に、メリットがあります。上図のように、箱の横にシーズン名にチェックを入れる欄を作れば、1種類で済みます。そうすると、カバーも作らなくて済むかもしれません。詳細はこの章の最後に。
セット・手間代
まず、生地を希望の並び順に並べます。業者断裁の場合、業者に送る際にドレープを重ねるだけで良いので、120枚×1回で済みますが、手切りの場合、168冊×30枚=5,040回の並べる手間が発生します(実際は、生地を切った際とセットする際に同じくらいの並べる手間が発生するので、10,000回以上になります)
業者に出した場合は30分もかからないので、時給1,000円として500円(3円/1冊)
手切りの場合は、3時間×時給1000円=3,000円(18円/1冊)とします。
ビス止めの場合、セット作業は比較的楽です。最初でも168冊だったら、3時間で済むと思います。ただし、カラーリスト自身で行った場合です。
3時間×時給1,000円=3,000円(18円/1冊)
この数量で、セットだけを内職等に外注するのは難しいです。まず、色の並び順をチェックしてもらうのに、標準見本をタイプごと各1冊は作成する必要があります。16タイプだと168冊の中から16種類も無くなります。
内職仲介業者は、たった3000円程度の利益どころか売上の足しにもならない仕事を、引き受けてくれるとは思いません。また、直接知り合いにお願いする金額でもありません。複雑な種類で微妙な色の間違いを、3000円で責められたらた亀裂が入ります。
1000冊程度でしたら、空いた時間でご自身かスタッフ、生徒様に作ってもらうのがベストだと思います。慣れて1時間で80冊セットできるようになれば、12.5時間の仕事量ですので、2時間の空いた時間6日分です。私も年間1000冊分くらいは作るのですが、こういった作業は、考え仕事等の間に挟むと、良い運動と言いますか、楽な逃げ仕事にになって、とてもリフレッシュできます。
また、自分で作ると愛着が深まりますし、何より色や並び順の間違えなどを防ぐことができます。
ということで、ここでは外注でのセットは考えません。
合計金額(不良率0で計算していますので、実際はもう少し高くなります)
一番ローコスト:カバーの印字4種類・手で断裁・カシメ・OPP袋
→生地代567円+カバー代432円+断裁185円+カシメ代10円+袋代4円+並び替え代18円+セット代18円=1,234円/1冊
一番高コスト:カバーの印字16種類・業者断裁・ねじ式ビス・箱
→生生地代567円+カバー代982円+断裁309円+ビス代97円+箱代43円+並び替え代3円+セット代18円=2,019円/1冊
高コストの場合のネックは、カバーの印字版代です。でも、激烈にコストを下げる方法があります。
カバーは無地にして、OPP袋に入れ、袋の上からシーズン名のシールを貼る。
上記のようなラベルシールを購入し、ご自身のインクジェットプリンターで印刷すれば、たった400円程度で16シーズンでも12シーズンでも、何種類でもシールを作ることができます。
もちろん、塩ビカバーに直接ホットスタンプで印字したほうが、高級感が出ます。でも、1000冊以下でしたら、そこまでする必要は無いと思います。
市販の透明塩ビシートを買ってハサミで切り、そこにラベルシールを貼るという、カバーを自作する方法も使えます(エンボスのある素材は高級感が出ますが、シールを貼るのには向いていません。透明シートなどは、しっかりシールを貼ることができます)
印刷業者で、透明シールに白文字などでオリジナルシールを作ると、ラベルシールよりは見栄えが良くなります。ただ、結構オリジナルシールは高いです。
そこで、最もローコストで高級感が出る提案です。
ロットが大きく手間のかかる、塩ビカバーは作りません。生地を直接ビス止めして、オリジナル箱(先述の1個43円)に入れます。
そうすると、生地代567円+断裁185円+カシメ代10円+箱代43円+並び替え代18円+セット代18円=841円/1冊
当社の販売価格975円/1冊(4冊以上ご購入の場合)より安くなりました!!
この仕様はこちら↓
画像では、「SUMMER」のラベルシールを貼りかけていますが、箱の横側に「SUMMER・WINTER・SOFT・YELLOW・WARM・SMOKY」など、ご自身のカラー分類とチェック欄を印刷し、箱にセットした際に赤ペン等でシーズン名にチェックすれば、シールも必要ありません。
オリジナルの塩ビカバーを作ると高いですが、紙は安いです。そして、多くの印刷業者等で作成できます。アートポスト・ルミネッセンス・ヴァンヌーボ・気包紙等、良い紙を使えば高級感が出ます。
お客様が使用する際、塩ビカバーが無くても、
「買い物時に色をチェックする」
という一番大切な機能は変わりませんので、色見本に「カバーがあるもの」という固定概念を変えると、自由度が増します。
紙の見本は、各印刷会社からもらえることが多いです。一度取り寄せてみましょう!
3-2 窓貼タイプ
メリット
生地をピンキングカットしなくても良い。特に自分で切る場合、裁ちばさみが使えてすごく楽
多少サイズが違っても、端が斜めになっても、隠せるのでOK
ドレープをカットした生地だけでなく、昇華転写の生地とも相性が良い
デメリット
パーツ数が多くて、コストがかさんでしまう
各種パーツは、たくさん作る必要がある(100冊分でも1000冊分でも、業者の見積もり金額があまり変わらないので、ついついたくさん作りがちに)
塩ビ素材、薄い特に透明素材を使う場合、保存状況では、2-3年で生地がヨレる。夏に暑い部屋に放置はできない。
部材とコスト例
当社のスウォッチFA(上の画像の「窓貼りタイプ色見本2」)を例に挙げ、コストのかかる表紙と裏表紙+箱は作らない仕様で試算します。
写真の部材の内容
昇華転写で作成した30色分の生地
生地を貼るパーツ×10枚(1枚で3色分)
片ネジ式ビス
表紙(印字あり)と裏表紙(印刷なし)※こちらは高いので作らないことにします
昇華転写の生地代
窓貼りタイプ色見本の場合、3色や6色、30色などまとめて貼り付けることができるので、昇華転写との相性が良いです。
現在販売しているスウォッチCAの生地は、30色まとめ貼りです。
同じ用に見えて、下記のカラーボードは、ドレープを切った生地を使用しています。1枚1枚生地を貼っていきますので、セットの手間は、10倍くらいかかっています。
昇華転写で生地を作成する場合、1-3で書きましたが、色校正が必須です。その色校正が何回かかるかで、金額は全然違ってきます。
初回120色立ち上げで、100,000円かかり、30色1冊分が200冊分作れたとします。その場合、500円/1冊です。
生地を作るときは、裁ちばさみで切ることを前提に、隙間を空けずに、業者の機械に入る最大サイズに、データをびっしり面付けするのがおすすめです。
上画像は、150×100cmに130セット分面付けしています。これを裁ちばさみで切ります。切りながら、ゴミ混入や転写熱不足、インク飛び等で不良をチェックすると良いです。端ギリギリまでにデータを作ると、生地を止めている針穴にかかって使えなくなるので、ご注意ください。
不良は、すぐにチェックして報告すれば、「その部分(色)だけ」でしたら、無料で作ってくれるかもしれません。全部作り直しは受けてもらえませんが、部分だけを「空いている時間に」という条件だったら、受けてもらえるかもしれません。ただし、不良代替品用データは、その都度作って、昇華転写業者は、データを印刷して作るだけの状態にし、できる限り時間と手間をかけさせないようにしましょう。データはこんな感じで。
何事も、相手の時間を奪わず、気持ちよくやってもらうことが重要です。業者との付き合いの良し悪しが、品質を左右します。最初も、付き合いがある程度続いても、不良の半分は自分で負担して、毎回は報告しないなど、気遣いが大切だと感じています。
窓貼りパーツ代
生地を貼るパーツは、オリジナルで作成する場合と、業者が持っていて、使ってもOKな部材を購入させてもらう方法と2種類あります。ここでは、オリジナルを作ることとします。
パーツは、紙+両面テープ or ボンド(木工用ボンド速乾タイプ等)の組み合わせで作ることができます。
パーツを作る手順
生地サイズと色見本のデザインを決める
必要パーツの図面を作成し、本番で使用する紙を取り寄せて、まずは自分の手で試作品を作る。問題なさそうだったら、抜き型を作成する
量産用の紙を用意する。印刷がある場合は、印刷業者で手配。
紙に両面テープを貼る(設計によっては、ボンドで済みます)
抜き業者で、2で作った型で抜く
紙代
当社スウォッチFAのパーツの場合、A4の紙で4面取りでした。こちらが抜き業者への指示書の一部です。
もちろんA3サイズなどでも作ることができましたが、サイズが大きくなると、1面で取れる数が多くなります。つまり、A4とA3とでは、型代が倍違います。型代を何枚で償却できるかを先に計算する必要があります。また、印刷もサイズが大きくなると半分の枚数で済むので、そうすると紙のロットが減り、紙の単価や印刷単価が高くなります。パーツを30,000枚とか作るのであれば、大きいサイズでも良いです。ただ、大きい型は、両面テープを貼った紙を抜く時などは、ムラが出やすくて抜きにくく、抜き単価が高くなってしまうかもしれませんので、抜き業者と相談して決めるのがベストです。テープを貼った紙などは、自動平盤打抜き機のオートンは使えず、一枚一枚抜くビク抜きになり、A4くらいのサイズの方が、喜ばれるのではないかと思います。
A4サイズであれば、アマゾンでも様々な種類の紙を、小ロットで購入することができます。ネットの印刷業者に注文する場合でも、よく出る定形のA4サイズは安いですし、7日納期で注文したとしても、回転率が高いので、3日で届いたりと、納期が早まる傾向があります。
スウォッチFAタイプの30色/1冊を200冊作るのに、3枚貼るパーツは1冊10枚、200冊で2000枚。不良予備を考え、2200枚作成。A4の厚紙550枚必要。ここは絶対の予備を多めに作ります。少し足りなくなった場合、後工程の抜き加工は、50枚でも1000枚でも、機械をセットする手間は同じなので、8000円など基本手間賃(型セット代)がかかります。少量を作る場合はすごく割高になるので、多めに作ります。
横にスライドしていく扇形のタイプの場合、紙の平滑性と耐久度が必要ですので、この点を考慮して紙を選びます。
半分に折る必要があり、更に細長パーツのため、紙目指定は必須です。印刷業者で注文する場合は、オプションの紙目指定を選びましょう。
スウォッチFAのパーツは、インクジェットプリンターOKの紙(白度の高い上質紙)を紙業者から購入して、用途に応じて1枚1枚印刷していました。こうすると、安く在庫リスク少なく、柔軟に対応できます。
当社は、川島紙店で、菊判 139kgY目A4サイズに9枚取りでオーダしていました。計算を簡単にするために、送料・断裁費用・消費税等を入れて、A4の紙1枚40円、1パーツ10円で、1冊あたり100円とします。
紙は送料がバカになりませんので、ネット印刷業者で注文すると、すぐに送料無料になるので、紙業者から購入するより、何かと利便性とコスパが高いと感じます。
両面テープ代
両面テープは、モノタロウオリジナルで幅50mmのものを買っていました。特売カレンダーをしっかりチェックして、セール日や土日などに買います。
ただ、作業性を考えると、この設計なら幅200mmのテープでも良いかもしれません。当社は他の商品では、NCショップで両面テープを購入しています。
ただ、両面テープは貼り直しがきかないので、気を抜くと不良を作ります。特に幅200mmなど幅広になればなるほど気を使いますので、手数は減りますが一長一短があります。
両面テープは、穴を開けて窓になる側に貼り付けます。反対側に貼り付けると、生地全体に両面テープが貼られる状態となってしまい、白など薄い色は、両面テープの色が透けて、色が変わってしまいます。また、経年とともに、両面テープの成分が滲み出てきて、しみになったり、全体的に色が変わってしまいます。
ですので、窓貼りタイプの場合だけでなく、直貼りタイプのものを作る場合でも、生地の見える部分に、両面テープは使わない方が良いです。色が変わってしまったら、色見本の意味が無くなります。
両面テープの必要数は、200mm幅だとA4の297mmに対しての約半分、150mmが1枚につき必要です。550枚×150mm=82500mm、つまり82.5m使います。NCショップで50m巻×2本=約10,000円。1冊あたり50円です。
抜き型代と抜き代
ビク抜きなので、型はトムソンで、A4に4面となります。20,000円あれば作れます。ただし、印刷業者など、抜き専門業者や、抜き型専門業者以外に作ってもらうと、高くなります。上の画像はトムソンで作った、当社カラーボードとスウォッチCAの抜き型です。オレンジの弾力のあるスポンジを方の周りに敷き詰めることで、歯が紙に食い込んだ後に弾き返され、型に紙がくっつくことが無くなり、連続して紙を抜くことができます。
抜き代は、型セット代8,000円、1ショット(1枚)8円(むしり・カス取りなし)で550枚だと4,400円、送料1,600円(両面テープを貼るとかさと重さが増します)として、14,000円です。型代と合わせて34,000円/200冊=170円
窓タイプの場合、「むしり」と呼ばれる作業を省いて、そのまま納品してもらうと、多少は安くなります。当社はコストダウンではなく、品質向上のため、むしり無しで納品してもらっています。
むしりを説明するために、抜きの工程を説明します。
設計図面を作成して、本番に使用する紙等を入手。それをまずは自分で、両面テープを貼り、ハサミやカッターで切って生地を挟み、ちゃんと商品になるかどうかを確認する。サンプル作りは、厳密に行う必要あり。両面テープの厚さと生地の厚さ、折る場合は、折ったときの感じと、折った後の強度を確認。紙目を間違えると、折りにくくて、強度の低く、湿度等ですぐに曲がる不良を量産してしまうため、図面だけ注意していてもNG。すべてを本番の状況と同じにして、サンプルを作る
設計に問題がなければ、型を発注する
本番と同じ状態の紙を抜き業者に持っていき、その型でテストで抜いてもらう。問題があれば、紙の厚さを変えるなど工夫する。それでもダメな場合は、型を作り直す。
本番の紙・印刷・両面テープ等を手配して、本番の抜き加工を行ってもらう。
抜き加工は小ロット多品種のため、お客様ごと職人が機械を微調整する。機械と抜き型の歯との0.1mmの微妙な噛み合わせの差が、仕上がりを大きく左右するため、このセットには時間がかかる。この時間は、サンプルで1枚作るにしても、10,000枚作るにしてもあまり変わらない。そのため、型セット代(8,000円など)という、最小手間賃が発生する。サンプル作成の場合、初回は無料で行ってもらえるかもしれないが、基本的にはサンプル作成でも発生すると考える。これを踏み倒したり値切ったりしようとすると、加工業者とは良い関係性は築けない。気持ちよく作業してもらうためにも、相手が出している条件や見積もりは守る(独立当初、お金が無くて、サンプル作成で型セット代を請求されるたびに、心で泣いていました・・・)
抜く際、抜き型にわざと何箇所も傷をつけて、「つなぎ」という部分を作る。このつなぎを作らないと、1枚を抜くたびに、紙の断片(窓になる部分など)が抜け落ちて、機械をつまらせ故障させる要因になる。1枚1枚ゴミ取りをしたり機械をメンテナンスしたりしていては仕事にならないので、つなぎを付けて、歯を入れた後に外したい部分をむしり取る。これがムシリと呼ばれる工程。子供向け雑誌の紙付録は、むしり前の紙がそのまま入っていて、購入した人が紙からむしりとる。そうすることでコストダウンと作る楽しさを両立している↓
このむしりですが、業者で行う場合は、できるだけ早くむしって効率を高めようとしますので、乱暴といいますか、何枚も重ねて力強くむしりっ取っていきます。もちろん、業者はプロですので通常は問題ありませんが、デザインによっては任せられません。
30穴のカラーボードやスウォッチCAが特にそうですが、窓枠部分が細いので、力強くむしられると、その部分が軽く折れてしまいます。そうすると、仕上がりが美しくないので納得できず、初回はかなり捨てました。
そこから、自社でむしることにしました。
正直、むしり作業は大変です。ただ、細いデザインのもので、きれいに作ろうと思うのであれば、業者ではなく自分やちゃんと品質をコントロールできる人(社員やスタッフ)に行ってもらうのが良いです。
ビス代
片ネジ式ビスを使います。
4本260円なので、65円/1冊
袋代・箱代
スウォッチFAは箱を作っていましたが、クリスタルパックに入れる仕様とします。3円/1冊
セット代
1時間で20冊作れるとして、時給1000円×10=10000円(50円/1冊)
※表紙はつけません。
合計金額(生地等の不良率0で計算。実際はもう少し高くなります)
生地代500円+紙代100円+両面テープ代50円+ビス代65円+袋代3円+抜きと型代170円+セット代50円=938円/1冊
表紙と裏表紙と箱を作らなければ、ビス留めタイプより安くなりましたね。ただ、高級感の要は表紙の仕様と箱です。当社の場合は、一回り小さく抜いた表紙と裏表紙をラミネート加工して、それを再度抜いて上の画像のような表紙を作成していました。これらを作ると、抜き型が追加で3つ(箱含む)手間代と部材代などで、倍近く高くなります。ただ、どうしても、今まで世の中にあった色見本の中で、一番美しいものを作りたかったので、作りました。そういうこだわりにお金を使うのは、幸せでした。
一番の問題点は、昇華転写で生地が作れるかどうかです。当社では何十回も同じ業者で同じ環境で作成していますが、毎回毎回、同じ色が出るかどうかドキドキします。微調整の手間がかなりかかります。
昇華転写は、後工程のセットが楽になりますが、「結局色が出せず、ただただ昇華転写業者に10万を払っただけ」ということになる可能性も高いです。損しても、業者は責められません。昇華転写はその性質上、インクジェットと同じ用に、ショッキングピンク系や鮮やかなオレンジ系など、何色か出すのが難しい色があります。
ドレープ生地を購入する場合は、色を気にする必要はありませんが、断裁とセットに手間とコストが掛かります。
一長一短ですね。
3-3 直張りタイプ
メリット
使用する生地サイズが小さくて済む。ドレープから切り出さなくても、当社スウォッチHA等の市販スウォッチから生地を切り出せる
作成の手間が一番かからない
厚紙と生地だけあれば作成可能で、コストも一番かからない
小ロットでも作れるため、在庫リスクも低く抑えられる
デメリット
生地と台紙だけでは、安っぽい
生地はピンキング加工しても、糸くずが出る
高級感を出そうとすると、塩ビカバー等が必要で、コストもかかる上、手間や在庫リスクが、他の色見本と同じくらい出てしまう
紙と生地だけでは、お客様がもらって嬉しい「色見本」というより、業務的な「見本帳」という仕上がりになりがちです。そのため、パーソナルカラー用の色見本となると、直貼りした台紙を塩ビケースに入れるケースが多いです(こちらの試算は次章で)
部材とコスト例
最もシンプルな、台紙に生地を貼っただけのタイプですと、一番ローコストで作れます。
部材の内容
厚紙(220kg以上のマット紙を買って、インクジェットで印刷)
生地
テープのり・速乾木工用ボンド
生地代
当社の120色アウトレット品(95,200円)から、生地サイズ20×20mmを取る場合、最大各シーズン375冊分、合計1500冊分取れます。95,200円÷1500冊だと、64円/1冊です。ほとんどのカラーリストの一生分の生地が取れます。安いです。
当社スウォッチHAを買って切るという方法もあります。その場合、1冊から20×20mmだと5冊分取れます(ビス穴部分は捨てる)
975円÷5冊=195円/1冊。
ドレープを切るより割高ですが、断然在庫リスクが低いので、今回はこちらで試算します。
紙代
このような、市販の厚紙でOKです。量が多ければ、印刷屋業者で印刷込みで手配すると良いです。
上記の紙だと、1枚13円。今回A5サイズで作るとして、7円/1冊です。
テープのり、ボンド代
色見本制作業者に、どんな接着剤を使っているか聞きました。
「速乾タイプの木工用ボンドがいいよ」と。
実際、細く貼れる(接着部が小さい)ので、使いやすいです。
両面テープを切って貼ったり、アラビックヤマト等の工作用のりはあまりオススメできません。テープのりも、接着幅が5mmでも広いので、生地サイズが小さい、直張りタイプの色見本には向いていません。窓貼りタイプなら、テープのりは楽ですが、直張りタイプのものは、生地にできるだけ接着剤を付けたくありません。
接着剤が付着した部分は、どうしても色が変わってしまいます。薄い色はもちろん、濃い色も、生地の種類によっては、濡れた感じになります(薄い生地は注意が必要)
木工用ボンドは200円もあれば購入でき、何百セットと作れるので、コストには含めません。
断裁代
手切りで、スウォッチHA生地から5枚取りしたとします。
生地サイズが大体65×45mmなので、約22×22mmの生地を6枚取って、ビス穴部分の生地は捨てるという形です。工夫して線は引かずに、直にピンキングばさみで切っていけば、100セット分は1時間でこなせるかもしれません。
その場合、時給1000円÷100冊=10円/1冊
手切りの場合、ドレープを切る場合と小さい色見本の生地を切る場合とでは、個人的には小さい生地の方が切りやすいです。辺に対して切る回数が少ないと、慣れると勘だけで結構サイズが揃います。2分割なら半分に折って折り目を付けて切ると、線を引く必要も無く、ガイド等も必要ありません。
小さいと1ストロークで切りきれるので、ピンキングの山を合わせるという、神経の使う作業もありません。ストローク数が少ないと、手も痛くなりにくいです。
セット代
直貼りの場合、2種類の貼り方があります。
1.1セットずつこなす方法。机に1枚台紙を置いて、その1枚を完成させたら、次の1枚に取り掛かる。省スペースで作業できる。貼る並び順を間違えてしまう危険性あり。貼る前に、生地を順番に並べておいても、間違えて2枚生地を取って貼ってしまい、最後の方になって「あれ、足りない」となり、貼り直すということも。
2.同じ色ごと、複数枚を同時にこなす方法。大きなテーブルに、台紙を10枚とか並べて、手には同じ色の生地を持って、1番目に貼る色を、並べた台紙全てに貼り、次は2番目に貼る色と、同じ色を貼っていく方法。スペースを取るも、並び順違いは激減。ただし、中腰になりながら、広範囲に腕を動かしながら作業するので、腰や背中が痛くなる。
どちらも場合でも、30色を貼る程度の作業であれば、1時間で40冊はできます。仕様にもよりますが、慣れると60冊はこなせます。
時給1,000円÷40冊=25円
合計金額(生地等の不良率0で計算。実際はもう少し高くなります)
生地代195円+紙代7円+断裁代10円+セット代25円=237円/1冊
上記のようなタイプでしたら、小ロット・低コスト・低在庫リスク・ちょっとの手間で、オリジナル作成が可能です。こちらを一番推したいです。軌道に乗って、冊数や売上が見込めるようになったり、レッスン料金を上げ、ワンランク上のサービスを提供するようになった際に、上級仕様を検討するのが良いと思います。
3-4 直張りタイプ+塩ビカバー
メリット
厚紙+生地だけのものより、高級感が出て「商品」になる
様々な形やサイズで作れるので、オリジナリティが出しやすい
使用する生地サイズが小さくて済む
差し替えが可能で拡張性もある。
デメリット
ピンキングカットが必須。ピンキングしたとしても、糸くずが出てしまう
業者での生地断裁やカバーは、1000冊分単位など、まとまったロットが必要
透明塩ビ生地の劣化問題。上記メンズの直貼りタイプ2の色見本参照。透明部分にシワあり(黒の外カバーは問題なし)
このタイプは、パーソナルカラーの色見本の定番で、私が初めて見た色見本も、このタイプでした。塩ビを使うと、様々な色・質感・サイズのカバーが作れるのですが、ロットが大きくなります。この塩ビカバー・ケースがネックなのですが、それを解消する方法もありますので、この章の最後に書きます。この方法がイチオシです。
部材とコスト例
手帳タイプ、画像で言えば「直貼りタイプ2の色見本(メンズ)」を作る場合で試算します。
部材の内容
厚紙
生地
テープのり・速乾木工用ボンド
透明塩ビケース→生地を入れる部分
塩ビカバー(今回は、コストを下げるために、透明塩ビカバーの一番手前側に印刷した表紙を入れて外観を変えるとします。カバーを作る場合だと、4の透明塩ビケースも、生地を入れる部分はソフトタイプの0.2mmの素材、カバーに差し込む部分は硬質で0.3mmにするなど、複数を組み合わせた方が、使いやすくセットしやすくなりますが、コストも少し高くなります)
生地代
当社スウォッチHAを買って切るとします。生地サイズ65×45から44×22mmを2冊分取るのが見栄えが良いです(ビス穴部分は捨てるため65の辺が44mmに)
975円÷2冊=488円/1冊。
ドレープを切るより割高ですが、在庫リスクが低いのと、前出の台紙+生地の直貼りタイプと条件を合わせるため、今回はこちらで試算します。
紙代
印刷会社で印刷し、断裁して納品してもらう方が良いのですが、前出の色見本と条件を合わせるため、同じA4サイズ1枚13円の厚紙を使用した場合で試算します。
A4の紙から簡単に切り出せて、効率よく取れ、44×22mmの生地が貼りやすくて効率の良い台紙サイズは、99×52.5mmです。
赤線の部分をカッターで切ります。「生地」とある部分に生地を貼ります。もちろん、この文字は印刷せず、赤い断裁線や生地を貼るガイド線も、K10%程度の目立たない破線にするなどして印刷します。更に、裏面も印刷してしまい、1枚の台紙に表3枚、裏3枚、合計6枚貼る仕様とします。ちょうど2冊分の表紙も面付けできました。
こうすると、13円1枚から、2冊分取れますので、インク代も含めて紙代は10円/1冊とします。これをカッターで切る手間がかなりかかるので、作業費を10円/1冊とし、合計20円/1冊
インクジェットプリンターのメリットは、1枚から作れることです。作り直しも簡単です。例えば色名のスペル1色分間違えた場合、印刷会社で作ってしまうと、500枚や1,000枚など、たくさん捨てなければいけません。インクジェットで5枚単位など、少数で印刷していれば、それだけロスが少なく、精神的なダメージやプレッシャーも少ないです。途中での印字内容の変更も容易です。印刷会社で印刷したものが手元にあると「本当は変更したいけど、捨てるのもったいないし」という躊躇が、どうしても生まれます。
色管理をしない印刷であれば、型落ちのEPSONやCANNON量販機+詰め替えインクで十分です。
印刷会社で作成しても、工夫次第で1種類で済みます。納品されたものを、自分でカッターで切れば、A3両面カラー印刷1種類で済みます。プリントパックでA3・両面カラー・マットコート135kg・7営業日・400枚で5200円です。1枚で4冊分取れますので、5200円÷1600冊=3.25円/1冊です。こっちの方が楽ですね。間違いや変更がなければ。
塩ビケース・カバー代
透明塩ビ0.2mm厚で下の写真のようなものを作るとします。6つのポケット(表紙1+6色×5)がある本のようなもので、ポケットに6枚の生地を貼った台紙を差し込みます。
生地は、0.1mmなど、薄ければ薄いほど、塩ビ素材の色が目立たなくなるので、その中に入れる色が見やすくなりまが、シワができやすいです。以前0.1mm素材でポケット部分を作成し、夏場にエアコンが無い倉庫に置いたせいで、大量に不良を出しました。0.2mmでも、保管状況でシワになります。ただ、0.3mmにしてしまうと、生地の色(青っぽさや黄色っぽさ。生地ロットによって多少異なる)が目立ってきてしまうのと、生地が厚いと、ポケットに台紙を差し込みにくい場合があります。ただ、薄い生地だと、それが張り付いてポケットを開くのに一苦労という場合もありました。
ポケットに台紙を差し込む際、生地が引っかって、スムーズに差し込めないこともあります。特に両面に生地を貼る場合だと。かなりのストレスになりますので、事前の作業性の確認は重要です。
差し込みやすさは生地の貼り方(どこに接着剤をつけるか)でも、変わりますが、取り出して使う時の使用性を考えると、生地の上側のみにすることが多いです。その場合だと、差し込むときに生地がめくれやすいので、ポケットが大きいと、少し引っ張りながら入れやすいです。
ベターな方法は、台紙と生地の現物を業者に渡して、
「これが問題なく入って、作業性が良く、抜け落ちないサイズでお願いします」
と設計をお願いすることです。ただし、これで完成したものが、思ったよりキツキツで台紙を入れにくかったとしても、少しゆるくて中に入れた台紙がずれやすかったとしても、多少の誤差は仕方ないと思ってください。塩ビ素材ではなく、台紙の断裁サイズが少し大きくなってしまったなど、様々な要因があります。
特に自分で台紙をカッターで切る場合は誤差が出やすいです。業者の機械断裁でも0.5mmくらいの誤差は起こります。私は最大2mmまでずれていたことがありました。
塩ビケースやカバー作成の流れ
業者を探す
大体の仕様を決定し、エクセル等でも良いので図面を作成して送り、見積もりを取る。生地サンプルを送ってもらう。
本番と同じ紙と生地でサンプルを作って送り、本番のサイズを決定する
型を作成する。できれば、サンプルを作ってもらう
本番の量産品を作る
透明塩ビ0.2mmだけで作れば、素材は1種類で済みますので、硬質塩ビとソフト塩ビなど、違う素材を組み合わせるときより、小ロットで作りやすいです。
かなり前に、このタイプを作ったときの見積もりを紛失してしまったのと、コストはその時に比べて結構上がっているので、ここでの試算は勘です。
無理言って200冊で作り、(1冊300円+型代50,000円)×1.1(消費税)=605円/1冊
接着剤、ボンド代
木工用ボンドは200円もあれば購入でき、何百セットと作れるので、コストには含めません。
断裁代
手切りで、スウォッチHA生地から2枚取るのは、かなり簡単です。2回ピンキングばさみを入れるだけです。しかも縦横と違う向きではなく、同じ向きに2回なので、生地を持ち直したり回したりする必要が無く、工数が激減します。持ち方を工夫すれば、線を引かずとも、ほぼ正確にカットできます。100セットを30分でこなせるとして、時給1000円÷200冊=5円/1冊
セット代
30色を貼って、透明カバーに入れる程度の作業であれば、1時間で25冊はできると思います。
時給1000円÷25冊=40円
合計金額(生地等の不良率0で計算。実際はもう少し高くなります)
生地代488円+台紙代20円+ケース代605円+断裁代5円+セット代40円=1,103円/1冊
塩ビのケース代が大きいです。100円均一などで、塩ビの手帳やカードケース等を探して、その既製品に台紙サイズや生地サイズを合わせれば、小ロットでかなり安く作れます。上記のケース代が110円になると、663円/1冊です。
市販のケースは廃盤になることがよくありますが、だいたいは、ハガキサイズか名刺用の定形サイズです。この2種類であれあば、その100円均一で廃盤になったとしても、他社や東急ハンズ、無印やアマゾン等で、いくらでも探せます。台紙も、市販の名刺用紙を使えるので、印刷がすごく簡単です。何より、カッターで切る手間が無いのが最高です。
一番オススメな仕様とそのコスト
生地 → スウォッチの生地をカット 488円
台紙 → 市販の名刺用紙を購入しインクジェットプリンターで印刷 18円/1冊
ケース → 市販の手帳型名刺フォルダ 110円
断裁代+セット代 → 40円
合計656円
4.多色の紙
私はカラーリストでも無く、女性でも無く、服はミニマリストのようなスタイルでほとんど買いません。そんなこともあってか、初めて色見本を知ってからこのかた、ずっと疑問に思っています。
こんな生地の色の服、売ってないし、買わない
パーソナルカラーの色見本は、診断結果を買い物に活かすためのものです。パーソナルカラーの色の差は微妙で、少し変わるとシーズンが変わってしまいます。色は記憶できないので、色見本のような判断基準が無いと、買い物で失敗して、カラー診断が現実に活用されず、意味がなくなるということもありえます。
自分のシーズンだけ持っていても、比較できないので間違いやすいです。だから、当社のスウォッチHAやCAなどは、4冊120色セットで購入されるお客様(カラー診断を受けた、カラーリストではない方)も多いです。
120色持っていたとしても、色は無限ですので、全く同じ色の服は、なかなか売っていません。
「女性はイメージできる」とよく聞きます。イメージできるから、全く同じでなくて構わないと。
それなら、紙でも良いのでは無いでしょうか?
紙の方がたくさんの色が市販されていますし、コストも安いです。染色と違って、印刷すれば、無限に色を出せます。
有料で販売するなら、生地の方が説得力あります。もらって嬉しいのも、紙と生地の両方があって、その場でお客様が比較できる環境だったら、ほとんどの方が生地を選びます。比較できず、無料でもらえて、カラーリストが自信をもってお渡しし、さらにデザインと紙質が良ければ、今までに無いものが作れるはずです。
ただ、ネットで探せば「他のサロンでは生地製の色見本をもらえる」という情報はいくらでも見つかりますし、「生地のほうが価値がある」というバイアスが強いですが・・・。
ぜひ、色々と試してみてください!
ここでは、多色の紙を紹介します。もちろん、印刷して作れば、色はいくらでも作れます。
5.終わりに
オリジナル色見本は、誰にでも作ることができます。
私は、カラーリストのためのwebサービスを作りたいと思い、PC1台で独立しました。設備等はありませんでした。カラーリストから教材制作のご要望をいただき、様々な業者様の支えで、今があります。
正直、当社でなくても作れます。
一年後、他の方が既出の商品を遥かに超えるものを作り出して、私は淘汰されてしまったとしても、それは自然な流れです。
それだけの価値しか提供できなかったということですので。
カラー診断を受けたお客様に、最高の色見本の価値を提供できるのは、診断したカラーリストだけです。当社などの教材会社ではありません。
カラーリスト一人ひとりが、自分にとってベストな、お客様にとってベストな色見本を渡すことができれば、カラー業界全体のサービスの質が変わります。
この情報社会、一昔前なら、人づてでしか知り得なかったものが、スマホ1台で調べれば何でも見つけられます。
でも、まだパーソナルカラー用色見本制作についての情報は、なかなか見つけられませんでした。この記事が、私が提供できる一番の価値だと感じます。
多くの業者様から教えていただいたことと、15年の経験を、今活動しているカラーリストにお渡しします。
カラーを仕事にして、人生を楽しむ方が一人でも増えれば、こんなに嬉しいことはありません。