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日本でカラー診断が広まった理由とZ世代

アメリカ発祥と言われるパーソナルカラー診断は、他国と比べると、日本だけ異常に広まっていると感じます。余裕のある人向けサービスなので、先進国の一定の所得水準の方がターゲットのサービスですが、アメリカはもちろん、ヨーロッパなどでも、ほとんど認知されていないと感じます。
現状、ヨーロッパ諸国には、カラーの教材を販売したことが無いです。中国・香港・台湾・韓国は増えています。

日本で広まった理由を考えると、パーソナライズ化されたサービスがデフォルトのZ世代には、他国の方でも、カラー診断というサービスが受け入れられるのではないか?という記事です。

日本でも男性は少ない

日本でも、男性客は少ないです。当社で販売した、お客様お渡し用カードを10,000枚で集計すると、女性向け8,850枚(88.5%)、男性向け1,150枚(11.5%)でした。男性向けカードは資料用として購入される方も多いので、実質は10%以下でしょう。
下記動画は、エンタメディスりコンテンツなので誇張もありますが、受け入れがたくても事実だと感じます。
「結局、よくわからないことで、お金とる人でしょう?」という、男性の多くが抱きがちの考えを変えるのには、すごく労力がかかるので、女性をターゲットにするのが無難です。

https://www.youtube.com/watch?v=ik_YJ2E7sL8

人口統計で、カラー診断コア層の女性20歳以上54歳以下の人数を調べると、約2680万人でした。

一年間でカラー診断を受ける人が最低でも10万人はいます。
カラー診断を受ける人は、余裕がある方が多いので、世帯年収800万円以上の上位10%をターゲットと設定すると、268万人に対して10万人、3.7%の人が受けていることになります。肌感としては20-54歳女性の1%、上位30%くらいの方が受けている印象です。
ターゲット層の100人に一人が受けていると考えると、「まだまだ伸びしろがある」とも言えますし、「こんなにも受けている」とも言えます。
他国は、おそらく10000人に一人、0.01%くらいではないでしょか。100倍も違うとなると、何か理由があるはずです。

パーソナルカラーが日本で広まった・受け入れられた理由

カラーリストでは無い男性の私が思う、広まった理由は下記です。

1.同調圧力が強いムラ社会。他の人と違う格好などで個性を出そうとすると、浮いてしまい打たれる。「和を乱すのでは?」となんだか恐れられ、裏で非難される。噂される。嫌になる。

2.学校の制服で、無個性を押し付けられる。学校の軍隊的手段行動も相まって、洗脳される。地毛茶髪を黒染めさせられるとか、下着白だけOKとか、理不尽な校則での閉塞感があるも、ほとんどの人は屈する。

3.そんな校則の中でも、セーターのブランドロゴ(色)のワンポイントであったり、裏ボタンや学ランの裏地(今の人は、おそらくわからないですね・・・私の高校では、悪そうな人は短ラン裏地紫で裏ボタンにチェーン付けて・・・みたいな感じでした)で差を作って、ちょっとしたオシャレを楽しんできた。

4.江戸時代の奢侈禁止令がわかりやすい例として、「茶色」「鼠色」「藍色」など、同じ色でも微妙な色の差に、「名前」をつけて楽しんできた。四季が豊かな国だからか、微妙な色の差を愛でて楽しむことができる。裏地を楽しむのが「粋」

5.この文化があり、微妙な色の差で、肌の見え方の違いを楽しむ「パーソナルカラー」という概念も受け入れられる。コスメフリークが多く、ヨーロッパや北米の人より、メイクという行為より、化粧品に興味があるのも、そのせいかも。

Z世代にも有効

2021年6月から11月までの間、実験としてカラーサロン運営しました。オンラインカラー診断をメインに行い、お客様の多くが20歳前後でした。はっきりとわかったのは、Z世代にもパーソナルカラーは知られていて、チャンスがあれば受けたいという人が多いということです。
最高で、15日で15名集客できました。

下記で、一部分を公開しています↓↓

Amazon、Netflix、Spotify、Youtube、Instagram・・・個人情報を集めて、その人にあったコンテンツを提供するサービスに慣れてくると、「パーソナライズ化してくれないサービスって、面倒」とストレスを感じると思います。私は、Youtubeは、自動でおすすめされる動画ばかり見ていますし、そのレコメンドの的確さに満足しています。
これは、日本だけではなく、世界中で広まっているトレンドです。現在諸外国では、カラー診断を受けた人が少ないですが、パーソナライズ化に慣れてきているので、「あなたに似合う色」という価値が、受け入れられる土壌はできつつあります。そこに上手に広告できれば、日本のような文化が無くとも、広まるでしょう。今はほとんど0みたいなものですし、可能性はどんどん高くなっていますし。

ZOZOでは、ZOZOGLASSというテクノロジーでカラー診断を行い、ファンデーションなど、その人に合った商品を提案するというサービスを行っていますが、正直浸透しているとは感じません。

https://zozo.jp/zozoglass/

個人的な意見だと、「この結果って、本当?」「似合わなくて、買い物に失敗すること無い?」と、テクノロジーやAIを信じきれません。動画や音楽などのネットサブスクサービスは、いくら失敗しても良いですが、ショッピングというハンティングに失敗はしたくないです。
現状、カラー診断に限れば、機械の提案より、人の提案の方が、信じるだけの価値があると考る人が多いです。だから、オンライン診断の反応が良かったのだと感じます。オンライン診断を受けた人の多くは、ネット等で無料診断を受けていましたが、「納得できない」「本当に合っているかわからない」と思っている人が大半でした。
人生で一度の「カラー診断」というイベントを、AI任せにするのは、Z世代でもまだ抵抗があるのでしょう。少なくともあと2年は。

20代にはオンラインカラー診断の反応がとても良く、抵抗感も無かったので、今はオンライン診断も身につけると、良い武器になります。英語を話すことができれば、世界中の方にサービスを提供することもできます。
私がカラーリストだったら、まず中国語を勉強します。いや、面倒なので中国語ができる人にアルバイトをお願いして、同時接続で翻訳してもらいながらサービスするかもです。調べていませんが、すでに機械翻訳がそのレベルに達していたら、アルバイトも必要ありません。

2年後には、服やメイク品など「モノ」を所有しない人が増えるでしょう。それはZ世代だけでなく、40-50代も。モノを次々とハンティングして消費する時代から、共有する時代に変わる中、カラー診断などのサービスも変わらなければ残れません。
カラー診断の本質は「(本当に似合っているかどうかは別として)自分に合う色という知識を得ることで、人生が楽しくなる」だと考えています。
その時代の価値観にぴったり合う「知識」とその使い方の「レシピ」を提供できれば、カラーに限らず、どんなビジネスでもやっていけると思います。